柔軟ストレッチ体操で陥りやすい3つの罠

こんにちわ!
パーソナルトレーナーの小林素明です。

柔軟ストレッチは、正しく行えば関節の柔軟性アップ、血行促進、筋肉疲労の早期回復、スポーツのパフォーマンスアップ、ストレス解消、肩こり解消、腰痛予防、運動中の怪我の予防などの効果があります。ところが、柔軟ストレッチのやり方を間違えると、逆効果になり関節を痛めるという怪我につながります。

 

ストレッチ体操中に呼吸が止まっている

肩こりストレッチ 女性

初心者の方に多いのが、ストレッチ体操中にスムーズな呼吸ができていないことです。

これは、ストレッチ体操のポーズを正しく行おうという気持ちが先行して、筋肉に力が入っている状態です。ストレッチ中に呼吸ができていない方の特徴として、表情に余裕がなく、歯をくいしばっています。

ストレッチ体操の目的は、縮こまった筋肉を伸ばすことによる柔軟性アップですので、呼吸が止まることで筋肉に力が入ってしまい逆効果です。これは、アイソメトリック収縮という筋トレを行っていることと同じなのです。これでは、筋肉が伸びることはなく、反対に硬くなってしまいます。

筋肉が硬くなってしまうことを回避する方法は、柔軟ストレッチのときに一定のリズムで呼吸を行うことです。

 

柔軟ストレッチ中の呼吸の方法

入門編
・鼻から大きく息を吸う(3秒間)
・口から細く長く息を吐く(3秒間)

慣れてきたら
・鼻から大きく息を吸う(3秒間)
・口から細く長く息を吐く(6秒間)

徐々に息を吐く時間を長くすると効果的です。

 

特定の筋肉ばかりを柔軟ストレッチしている

エアロストレッチ

 
股関節を柔らかくしたいということで、同じ股関節の柔軟ストレッチだけを繰り返すことは効果がありそうです。しかし、いずれ柔軟ストレッチの効果も頭打ちになります。なぜならば、上半身、肩甲骨まわりの柔軟ストレッチもやっておかないと、全身の柔軟性のバランスが保てないからです。

全身の柔軟性のバランスを整えるためには、肩甲骨まわり(肩、背中)、腕まわり、骨盤まわり(お腹、腰)、股関節、膝、足首という複数の柔軟ストレッチ体操を実施する必要があります。これだけのストレッチは大変だなぁ〜と思われるかも知れません。しかし、1つの柔軟ストレッチで複数の関節を伸ばせるポーズがあります。時間を短縮したい方に最適です。その複数の関節を伸ばすことができる柔軟ストレッチを紹介します。

 

褐色脂肪細胞も刺激!肩、背中、腰を伸ばす柔軟ストレッチ「肩甲骨ゴリゴリ、腰ひねり」

肩こりスーパーストレッチ1

肩こりスーパーストレッチ2

【肩甲骨ゴリゴリ、腰ひねり柔軟ストレッチの方法】

1)仰向けになり、左足を上げて右手で膝の外側を持ちます

2)ゆっくりと膝を右側の床に倒します。

3)腰回りの筋肉が伸びます。

4)自然呼吸を行いながら、10秒間静止します

5)伸ばしている左手を上下に動かします。(床に沿って)

6)自然呼吸を行いながら、10往復します。

7)反対側も同様に行います。

肩甲骨の内側がグリグリします。→ 体脂肪を燃やす褐色脂肪細胞を刺激します。


 

柔軟ストレッチ体操のときに過度な筋肉を伸ばし(伸展)になっている

過度なストレッチ 650

体を柔軟にしたいという気持ちから、「あともう少し伸ばそう」という心理が働きます。確かにこの気持ちは大切なのですが、筋肉を伸ばしすぎてしまう傾向にあります。筋肉は伸ばしすぎると、反対に筋肉が固まる(収縮)性質があります。

これは、筋肉の中にあるセンサー(筋紡錘)が筋肉の伸びに反応して、防御反応を起こしているのです。筋肉を輪ゴムに例えると分かりやすいと思います。輪ゴムをひっぱりすぎると、もの凄い勢いでゴムが縮みますね。これと同じことが筋肉の内部で起こっているのです。

筋肉の伸ばしすぎも、柔軟ストレッチでの呼吸を止めてしまうということと同じで、筋肉に力が入ってしまうのです。筋肉を伸ばして体を柔らかくしているつもりが、真逆の筋肉が硬くしてしまっています。

この筋肉の伸ばしすぎによって、筋肉を痛めることがあります。よくあるのが、太ももの内側、肩の前方部分です。

 

適度な筋肉の伸びができる柔軟ストレッチの方法

柔軟ストレッチで適度な筋肉の伸びを実現させるには、痛みを超えない範囲で筋肉を伸ばすことです。目安は筋肉が心地よく伸びる程度です。

関節を柔軟にしたい方は、それではちょっと不安だなぁ〜と思われるかも知れません。その場合、同じ柔軟ストレッチを3セット(20秒間×3セット)を行ってください。3セット目には、関節が柔らかくなっていることを実感できますよ。

 

柔軟ストレッチで陥りやすい3つの落とし穴 まとめ

いかがでしたでしょうか? 関節を柔軟にするには、単に柔軟ストレッチを行っておけば良いというものではなく、正しい方法で行うことが大切です。

呼吸を一定のリズムで行うこと、複数のストレッチ体操を行うこと、心地よく筋肉を伸ばすこと、この3つに注意して柔軟ストレッチ体操を行ってくださいね。

柔軟ストレッチは、関節の柔軟性アップ、筋肉疲労の回復、姿勢の改善、スポーツでの怪我予防、体の歪み解消、肩こり解消、腰痛予防に大変効果がありますので、朝(出勤前)、お風呂上がり、スポーツ前の準備運動、クールダウンとしてご活用ください。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーナー小林素明

小林素明

健康運動指導士 米国ハワイ州立大学医学部人体解剖学実習修了 介護予防運動トレーナー マッスルコンディショナー 日本臨床運動療法学会会員

【経歴】 運動指導歴30年超、テレビ出演多数、延べ1万人超のパーソナルトレーニング指導実績、YouTube登録者数1万人超。医療機関との連携も図り、安全かつ効果的なトレーニング法を研究。

フィットネスクラブ、温浴施設に17年間勤務後、株式会社ウェルネス&スマイルを起業。大阪市阿倍野区にパーソナルトレーニングどこでもフィットを開業し、「加齢に負けない筋肉づくり」「日常生活・スポーツ動作のパフォーマンスアップ」を得意とし、80歳代の方までトレーニング指導にあたる。病院をはじめとする医療機関、教育機関、不動産会社などで講演・講師活動。パーソナルトレーナー指導者養成講座の講師も務める。

【テレビ出演】 毎日放送「ちちんぷいぷい」/朝日放送テレビ「キャスト-CAST-」/読売テレビ「ten.」/テレビ朝日「ナニコレ珍百景」/読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」/サンテレビ「4時!キャッチ」他

【講演・講師実績】 一般財団法人関西労働保健協会/経済産業省ヘルスケアサービス社会実践事業「医療運動マッチング対応トレーナー育成講習会」/徳島県教育委員会 /箕面市立病院/日本臨床運動療法学会(第36回)/ファインレジデンス枚方香里園(京阪電鉄不動産)特別講師/SSK /八尾市教育委員会/岸和田市民病院/南河内環境局組合 他多数 (敬称略)

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