肩こり解消法!パーソナルトレーナー解説 肩こりの原因、効果的な肩こりストレッチ

肩こりの原因となる筋肉 僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋

パーソナルトレーナーの小林素明です。

肩こりが慢性化し、どの筋肉が原因なの?どんな対策をすれば良いの?とお困りではないでしょうか? そこで今回は、「肩こり、首こり対策の完全ガイド」を作成しました。

この記事はこんな方にオススメします。

  • 肩こりの原因を知りたい方
  • 首も凝っている方
  • 肩こりの原因となる筋肉はどこ?
  • 座りながらできる肩こり対策を知りたい
  • 肩こりを予防するためには何を気をつければ良いの?

肩こりについて

肩、腰の凝りが発生する原因

肩こりは、姿勢を保持するため「首から肩にある筋肉」が緊張、筋肉の疲労、血流が悪くなり、肩まわりに「凝りや痛み」を引き起こすことです。いわば、筋肉の緊張が続くことが肩こりの始まりと言えます。

肩こりが慢性化する最大の理由は、筋肉の緊張の長期化で疲労物質の蓄積、血管は圧迫され筋肉が硬くなることです。圧迫された血管は、筋肉に酸素、栄養が十分に供給されず、筋肉疲労の回復力はグッと下がります。

肩こりの原因

肩こりの原因とは

肩こりの原因となりやすいのは

  • 座っている時間が長い(デスクワーク、テレワークなど)
  • スマホをしている時間が長い
  • 座っている姿勢が悪い
  • 精神的なストレスが多い
  • 片側にバッグをかけることが多い
  • 冷房にあたる時間が長い  

など

思い当たる項目はありますか? もしある場合には、肩こりは慢性化しやすい状態にあると言えます。

座り過ぎは肩こり、猫背姿勢、腰痛、股関節痛、首こりを招きます

可能な限り、肩こりとなる原因を回避していきましょう。特に座り過ぎは、肩こりだけでなく腰痛、猫背姿勢が強くなりますので要注意です。また、スポーツ庁より「1日に11時間以上座っている人と、4時間未満の人を比べると死亡リスクが40%も高くなる」と発表があり、座り過ぎに警鐘を鳴らしています。

肩こりの慢性化!画面に近づくと首、肩の筋肉の負担が4倍に!

肩こり、首こりは頭の位置によって変わる

パソコン、スマホの画面を見ていると、ついつい頭の位置が画面に近づきがちです。この頭の位置で首から背中にかけての筋肉の負担が大きく変化します。

正しい姿勢の場合、頭の重さ4.5kg分の負担となりますが、頭の位置が前方に5センチずれると3倍の13.5kg、7.5センチ前方で4倍の18.0kgの負担が、首や肩の筋肉にかかります。負担のかかる筋肉の代表は僧帽筋で、首から肩にかけてある大きな筋肉です。

どのくらい首の筋肉に負担がかかっているかの実験!

首の筋肉(僧帽筋)の収縮4
首の筋肉(僧帽筋)の収縮3
首の筋肉(僧帽筋)の収縮2
首の筋肉(僧帽筋)の収縮1

頭の位置が変わるだけで本当に筋肉の負担が変わるの?を実験してみたいと思います。

手順

  • 背すじを伸ばして座ります
  • 顎のところに指を当てて、顎を引きます
  • 首のところに両手を添えます(皮膚に触れるような感覚です)
  • 頭を前方へ移動すると、筋肉が硬くなっているのが手で感じられると思います

なぜ肩にバックを掛けると肩こりになるの?

肩こりの原因、肩かけバッグが及ぼす筋肉の影響

バックを片側の肩に掛けることが習慣になっている人の場合、肩の僧帽筋、肩甲挙筋の筋肉が疲労、緊張している状態が続き、肩こりが慢性化しやすいと言えます。鞄の中身を軽くすること、両肩に背負えるリュックにかえるなどの工夫が必要です。

では肩こり解消エクササイズを始めましょう!

肩こり解消エクササイズ【自宅、オフィス編】

ストレッチ体操の注意点 自然呼吸を行いましょう 痛みのない範囲で行いましょう 伸びている筋肉を意識しましょう 正しい姿勢で行いましょう 30秒間を目安に伸ばしましょう 静かな場所で行いましょう
正しいストレッチのフォーム
ストレッチ体操の活用法 お風呂上がりは筋肉が伸ばしやすく効果的です。 気持ち良いと感じる2~3つのストレッチ体操を中心に行いましょう。 1日2回を目安に行いましょう。 筋肉の凝りを感じるストレッチは2セット行うと効果的です。

肩こり解消ストレッチ「背伸びストレッチ」

背伸びストレッチ 肩こり解消、広背筋、猫背解消

期待できる効果: 肩こり解消、猫背解消、ストレス解消、スムーズな呼吸 など

主に伸ばす筋肉: 広背筋、大円筋、呼吸筋

エクササイズの方法

  • 両手を組み、ゆっくりと手のひらを天井へ伸ばします
  • 両手が耳のそばにくるようにします
  • 自然呼吸で30秒間静止します

ポイント: 背中が丸くならないようにしましょう

肩こり解消ストレッチ 「上下スイング」

上下スイングストレッチ 肩こり解消、僧帽筋柔軟
上下スイングストレッチ2 肩こり解消、僧帽筋柔軟

期待できる効果: 肩こり解消、四十肩・五十肩の予防、ストレス解消 など

主に伸ばす筋肉: 僧帽筋

エクササイズの方法

  1. 両手を肩口に添えます
  2. 肩に手を添えながら、肘を持ち上げます
  3. ゆっくりと肘を下げます(肩の僧帽筋が伸びます)
  4. 2〜3を自然呼吸で繰り返します

回数: 自然呼吸で20回

ポイント:背中が丸くならないようにします

肩こり解消ストレッチ「胸広げストレッチ」

胸ストレッチ 猫背解消

期待できる効果: 肩こり解消、猫背解消、スムーズな呼吸など

主に伸ばす筋肉:大胸筋、三角筋(前部線維)

エクササイズの方法

  1. 両手を後ろで組みます
  2. 胸を広げながら、肩甲骨を内側へ寄せていきます
  3. 自然呼吸で30秒間静止します

ポイント:背中を伸ばしておきましょう!

肩こり、首こり解消ストレッチ「頭倒しストレッチ」

首こり解消ストレッチ1
首こり解消ストレッチ2

期待できる効果: 肩こり解消、首こり解消、脳の活性化など

主に伸ばす筋肉:僧帽筋、肩甲挙筋

エクササイズの方法

  • 片手をあげて、反対側の耳よりやや上のあたりに添えます
  • 力を入れずに手の重さだけで、頭を横へ倒します
  • 首の筋肉に伸びを感じるところで、30秒間静止します
  • 反対側も同様に行います

ポイント:背中を伸ばしておきましょう!

肩こり解消ストレッチ 「フライストレッチ」

期待できる効果: 肩こり解消、猫背解消など

主に伸ばす筋肉:大胸筋、菱形筋

エクササイズの方法

  1. 両手を頭の後ろで添えておきます
  2. 肘を外側に移動し、胸を開きます
  3. 肘を開く、閉じるを繰り返します

回数: 自然呼吸で20回

ポイント: 常に背中を伸ばしておきましょう!

おすすめ度MAX! 肩こり解消ストレッチ「ウィンギングエクササイズ」

期待できる効果: 肩こり解消、首こり解消、四十肩・五十肩の予防、スムーズな呼吸 など

主に伸ばす筋肉:大胸筋広背筋、菱形筋、大円筋

エクササイズの方法

  1. 椅子に座り、背中を伸ばします
  2. 手の甲を内側、手のひらを外側にして、両手を天井へ伸ばします(背伸び)
  3. 手のひらを外側にしたまま、両肘を90度に曲げ胸を開きます。肩甲骨を寄せるようにすることがコツです。
  4. 手と肘を体の前で近づけます。 
  5. 3)→2)と戻り繰り返します。

回数: 自然呼吸で20回

ポイント: 常に背中を伸ばしておきましょう!

お風呂上がりに最適!肩甲骨が動く!肩こり解消ストレッチ

肩こり解消ストレッチ「肩甲骨ゴリゴリ エクササイズ」

期待できる効果: 肩こり解消、首こり解消、猫背解消など

主に伸ばす筋肉: 大胸筋、小胸筋

エクササイズの方法

  1. 両手を大きく開き、床につけておきます
  2. ゆっくりと片側の肩を床に近づけます(肩甲骨が内側に入ります。ゴリっというイメージ)
  3. 反対側の肩も床に近づけます
  4. 2)〜3)を気持ちよく繰り返します

回数: 自然呼吸で20回

ポイント: 肩甲骨があらゆる方向に動いていることをイメージしましょう

肩こり解消ストレッチ「肩グルグル肩甲骨&腰ストレッチ」

期待できる効果: 肩こり解消、猫背解消、腰痛予防、体の歪み解消など

主に伸ばす筋肉: 大胸筋、脊柱起立筋、大臀筋など

エクササイズの方法

  1. 仰向けになり、膝の外側に手を添えて、体を捻ります(腰が伸びます)
  2. 反対側の手をゆっくりと円を描くようにして回します
  3. 肩甲骨が大きく動きます
  4. 自然呼吸で10周行います
  5. 次に腕を上下に動かします(胸が広がります)
  6. 自然呼吸で10回行います
  7. 反対側も同様に行います

ポイント: 動作はゆっくりと行いましょう!

保存版!肩こり解消、猫背解消の肩甲骨ストレッチ 動画

肩こり慢性化は日常生活習慣にあり!肩こり予防のコツ

肩こりの原因は日常生活に潜んでいるといっても過言ではありません。それは仕事やプライベートでの姿勢、体の動かし度合いが肩こりに関係しているからです。そこで、肩こりを慢性化させない方法を紹介します。

肩こり予防「デスクワーク編」

肩こり対策法 デスクワーク編 姿勢

デスクワークは肩こりが起こりやすい代表ですので、特に気をつけておきたいです。まず、パソコンの画面は、目線よりやや下に置きます。また姿勢は背中真っ直ぐを保つことが望ましいですが、長時間のデスクワークでは難しいと思います。そこで、筋肉が硬くならないような工夫が必要です。

肩こり回避!1時間ごとの肩こりストレッチ、ブラブラ歩き

デスクワークの場合、1時間ごとに休憩を取り筋肉の緊張をほぐすことをお勧めします。

  • 紹介した肩こりストレッチの「お気に入りを1~2種目行う」
  • 椅子から立ち上がりブラブラ歩き

この休憩を入れると、筋肉の血行が良くなり、肩こりだけでなく腰痛も防ぐことができます。また脳も活性化されて、仕事の効率もアップします。

スマートフォンの姿勢も見直しましょう

肩こり解消のスマートフォンの使い方

スマホは今や仕事やプライベートでも必需品で長時間見てしまう、という方も多いと思います。注意すべき点は、スマホを見る時の画面の位置です。パソコンの画面と同じで、目線よりやや下にスマホの画面があること首や肩の筋肉の負担は軽減されます。片手にスマホを持ち、肘の下には反対側の手をいれると、腕は疲れにくいでしょう。

肩こり解消、猫背解消の肩甲骨ストレッチ まとめ

いかがでしたでしょうか? パソコン、スマホ作業は丸くなった姿勢を保ったままで行いますので、肩まわりの筋肉がカチカチに硬くなりやすくなります。慢性的な肩こりへと発展してしまいますので、早めの対策が必要です。

紹介した肩こり解消法で「これなら続けられる!」エクササイズがあれば、そのエクササイズを続けてみましょう。肩こり解消は、普段から肩甲骨周りの筋肉の血流を良くしてあげることが重要です。猫背解消にも繋がります。

また、30分から1時間を目安に椅子から立ち上がる習慣を身につけるだけでも、肩こりや腰痛の解消になりますよ。

この記事を書いた人

パーソナルトレーナー小林素明

小林素明

健康運動指導士 米国ハワイ州立大学医学部人体解剖学実習修了 介護予防運動トレーナー マッスルコンディショナー 日本臨床運動療法学会会員

【経歴】 運動指導歴30年超、テレビ出演多数、延べ1万人超のパーソナルトレーニング指導実績、YouTube登録者数1万人超。医療機関との連携も図り、安全かつ効果的なトレーニング法を研究。

フィットネスクラブ、温浴施設に17年間勤務後、株式会社ウェルネス&スマイルを起業。大阪市阿倍野区にパーソナルトレーニングどこでもフィットを開業し、「加齢に負けない筋肉づくり」「日常生活・スポーツ動作のパフォーマンスアップ」を得意とし、80歳代の方までトレーニング指導にあたる。病院をはじめとする医療機関、教育機関、不動産会社などで講演・講師活動。パーソナルトレーナー指導者養成講座の講師も務める。

【テレビ出演】 毎日放送「ちちんぷいぷい」/朝日放送テレビ「キャスト-CAST-」/読売テレビ「ten.」/テレビ朝日「ナニコレ珍百景」/読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」/サンテレビ「4時!キャッチ」他

【講演・講師実績】 一般財団法人関西労働保健協会/経済産業省ヘルスケアサービス社会実践事業「医療運動マッチング対応トレーナー育成講習会」/徳島県教育委員会 /箕面市立病院/日本臨床運動療法学会(第36回)/ファインレジデンス枚方香里園(京阪電鉄不動産)特別講師/SSK /八尾市教育委員会/岸和田市民病院/南河内環境局組合 他多数 (敬称略)

小林素明の詳しいプロフィールはこちら