巻き肩は肩こり・猫背のもと?原因と50代からできる1日3分改善法

大阪のパーソナルトレーナー、小林素明です。
年齢とともに「姿勢が前かがみになった」「肩こりがひどくなった」「写真を見たら猫背になっていた」――そんな変化を感じていませんか?
巻き肩とは、肩が前に傾き、内側に丸まってしまった状態のこと。
見た目だけでなく、肩や首に負担がかかりやすくなり、肩こり・首こり・頭痛・疲れやすさの原因になることもあります。呼吸が浅くなり、体力の低下にもつながるため、気づかぬうちに日常生活の快適さを奪ってしまうのです。
しかしご安心ください。
巻き肩は、ちょっとした習慣と軽いエクササイズで改善が期待できます。この記事では、巻き肩の原因をわかりやすく解説し、1日3分から始められる、無理のない改善法をご紹介します。
こんな方におすすめです
- 姿勢の崩れや肩の丸まりが気になっている方
- 慢性的な肩こり・首こりに悩んでいる方
- 健康診断では異常がないのに、疲れが取れにくいと感じる方
- 運動が苦手でも、体にいいことを始めたいと考えている方
- これからも自分の足で元気に過ごしたい方
無理なく続けられるケアから、健康的な姿勢と動きやすい体を手に入れましょう。
なぜ巻き肩になるのか?
巻き肩の原因には、慢性的な姿勢不良や筋力低下、そして寝ているときの姿勢が深く関わっています。長時間のデスクワーク、スマホ使用の習慣化は、巻き肩になりやすくなります。
では、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
巻き肩の原因1:不良姿勢になりがちなデスクワーク、スマートフォンの使用
パソコンやスマートフォンの画面を見る際、多くの人は頭を前方に突き出す姿勢をとりがちです。デスクワークや前かがみの姿勢が続くことで、肩が前に傾きやすくなり、結果として巻き肩の姿勢が習慣化します。
このとき、胸の筋肉が硬くなりやすくなります。また、頭を支える首や肩の筋肉が固まりやすくなり、肩こりや首こりの原因にもなります。
スマートフォンやパソコンを見下ろすような姿勢は、首のたるみやシワの原因にもなりやすいので、日常的な姿勢の見直しが大切です。
前かがみ姿勢は胸の筋肉が硬くなり「巻き肩」へ

前かがみの姿勢は、胸の筋肉を硬くし、巻き肩を引き起こす大きな要因です。パソコンやスマートフォンを長時間使うとき、多くの人は自然と胸の大胸筋が緊張し、腕が内側に回転する肩の「内旋」の動きが生じます。
肩の内旋が続くと、肩が徐々に前方に移動し、横から見ると肩が丸まった「巻き肩」になります。
このまま放置すると「巻き肩」姿勢だけでなく、肩や首に負担がかかりやすくなり、肩こりや首こりなどの不調につながります。
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【コラム】 慢性的な肩こり、首こりは頭の位置にある?

スマートフォンの画面を見続けると頭の位置が前方へ移動しやすくなります。頭の位置が、5センチ前方の移動→通常の3倍(13.5kg)、7.5センチ前方の移動→通常の4倍(18.0kg)の負担が首や肩にかかります。
頭を支えているのは、僧帽筋をはじめとする首や肩の筋肉です。長時間の前かがみ姿勢は、首や肩の筋肉を酷使されます。
巻き方の原因2:運動不足による筋力低下


巻き肩の原因のひとつに「運動不足による筋力低下」があります。正しい姿勢を保つためには、体の前後左右の筋肉がバランスよく働くことが大切です。
しかし、巻き肩の姿勢では背中が丸くなり、背中の筋肉は伸びて弱まりやすくなります。
具体的には、背骨や骨盤を安定させる脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や、肩甲骨の位置を安定させる僧帽筋(そうぼうきん)や菱形筋(りょうけいきん)といった筋肉が衰えがちです。
これらの筋力の低下は、肩の位置が前に出やすくなり、巻き肩の姿勢がさらに進行します。
巻き肩の原因3:横向きで寝ている
横向きで寝ると、下側の肩に体重がかかり、肩が前方に押し出されるため、巻き肩の原因になりやすくなります。
それだけではなく、肩への負担が増えることで、肩の痛みが生じる可能性もあります。このような影響を避けるためには、就寝中に自然な寝返りができる環境を整えることが大切です。
具体的には、枕の高さを調整し、敷布団やベッドの硬さも見直しましょう。寝返りがしやすい環境を整えることで、肩への負担を軽減し、巻き肩や肩の痛みを防ぐことができます。
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日常生活でできる巻き肩の対策法
適度な休憩を取る

デスクワークやスマートフォン、パソコン作業を行う場合、筋肉が硬くならないよう30分に1回の休憩を入れましょう。背伸びをするだけでも、筋肉のリフレッシュになり、肩こりや首こり解消、ストレス解消につながります。
巻き肩改善ストレッチを習慣化
巻き肩の改善には、固まっている胸の筋肉を伸ばすストレッチを最優先に行いましょう。固まっている筋肉を伸ばすことで、猫背の解消、肩甲骨や背骨、骨盤の位置が安定し、正しい姿勢に近づくことができます。
巻き肩の対策は日常生活での意識と適切なエクササイズが大切です。巻き肩を改善することで、美しい姿勢と健康な体を手に入れましょう。
たくさんのエクササイズを紹介していますが、まずは気に入ったエクササイズを中心に行ってみましょう!
巻き肩対策エクササイズ

巻き肩対策では、固まっている胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)を中心に伸ばすことで、改善スピードが加速します。肩こり、姿勢の改善、呼吸の改善にも効果が期待できます。
1 肩甲骨寄せストレッチ(巻き肩、肩こり解消)


主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋)
方法:
- 両手を後ろで組み、背中を伸ばします。
- 肩甲骨を寄せるイメージで胸を張ります。
- 自然呼吸で20〜30秒間静止します。
2 バタフライ胸ストレッチ(巻き肩、肩こり解消、姿勢改善)



主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)
強化される筋肉:肩甲骨の内側(菱形筋)
方法:
- 両手を頭の後ろで組み、背中を伸ばします。
- 両肘を目の前で近づけます。※肩甲骨が広がります
- 両肘を開き、胸の筋肉を伸ばします。※菱形筋が強化されます
- 2〜3を繰り返します。
回数:20回
3 ドア胸ストレッチ(巻き肩解消、姿勢改善)

主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)
方法:
- ドアの柱に肘と腕をサポートします。
- 上半身を捻り、胸の筋肉を伸ばします。
- 自然呼吸で20〜30秒間静止します。
- 反対側も同様に行います。
4 ローテーション胸ストレッチ(巻き肩解消、腰痛予防)


主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)、お腹(腹斜筋)
方法:
- 横向きになり、膝と股関節が直角になるようにします。
- 上になっている手は前方へ伸ばし、反対の手は膝をサポートします。
- 膝をサポートしながら、体を捻りながら反対側の床に手を伸ばします。(胸、お腹が伸びます)
- ゆっくりと元の位置に戻ります。
- 3〜4を繰り返します。
- 反対側も同様に行います。
回数:10〜20回
5 ショルダーピンチ(巻き肩解消、猫背解消)


主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋)、肩の筋肉(肩甲下筋)
強化される筋肉:肩甲骨の内側(菱形筋)
方法:
- 背中を伸ばし肘を曲げて、脇を締めます。
- 親指を後方へ向けるようにして、腕を開きます。
- 肩甲骨の内側に力を入れて、3秒間静止します。
- ゆっくりと元の位置に戻ります
- 3〜4を繰り返します。
回数:10〜20回
動画で巻き肩対策のエクササイズを学びましょう!
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美姿勢のためのエクササイズ(姿勢改善)で根本解決へ
巻き肩対策ができても、背中が丸く猫背姿勢になったままでは解決に至りません。体の負担を減らし、美姿勢を目指す人のためのエクササイズを紹介します。
猫背解消・美姿勢:バックエクステンション


強化される筋肉:背筋(脊柱起立筋、多裂筋)
方法:
- 椅子に座り、背中を伸ばします。
- 息を吸いながら、上体を倒します。
- 息を吐きながら、上体を起こします。
- 2〜3を繰り返します。
回数:15〜20回
注意:常に背中を伸ばしたまま行います。
猫背解消・美姿勢 腕伸ばし背筋トレーニング

方法:
- 椅子に座り、両手を天井へ向けて背中を伸ばします
- お腹に力を入れます(腰痛予防)
- 息を吸いながら、上体を倒します。
- 息を吐きながら、上体を起こします。
- 2〜3を繰り返します。
回数:10〜15回
注意:お腹に力を入れて、腰が反らないようにしましょう
あわせて読みたい関連記事 美姿勢に欠かせない脊柱起立筋
まとめ 巻き肩対策のためのエクササイズ法
巻き肩は、自分ではなかなか気づきにくいものです。現代ではほとんどの人が、スマートフォンを使っていますので巻き肩になる可能性があります。放置しままですと肩こりや首こりが慢性化し、呼吸も浅くなり体力低下につながります。
そうならないためにも第一に、巻き肩の原因となるパソコンやスマートフォンを見る時間の短縮、30分ごとの休憩などを取り入れましょう。
さらに紹介した巻き肩改善のためのエクササイズを習慣化し、若々しい姿勢を保ち、生涯の健康を手に入れましょう!
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参考文献
- Jari Ylinen、泉 秀幸(2010)「ストレッチングセラピー」医道の日本社
- Chris Jarmey、野村嶬(2018)「骨格筋ハンドブック(原著第3版)」 南江堂
- Donaid A. Neumann(2018)「筋骨格系のキネシオロジー(原著第3版)」 医歯薬出版株式会社
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この記事を書いた人


小林素明 (お城好きフィットネストレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten.」などに出演し、専門的でわかりやすい解説が好評のフィットネストレーナー。
健康運動指導士の有資格者であり、指導歴は30年以上。2010年に大阪市でパーソナルフィットネスジム「どこでもフィット」を開業し、これまでに延べ1万回以上のパーソナルトレーニングを実施。特に50代以上の「加齢に負けない体づくり」に定評がある。
医療機関と連携した安全性の高い運動指導、企業・団体向けの腰痛予防や健康経営に関する講演も数多く行い、受講者の98%から「わかりやすい」と高い評価を得ている。
趣味は城巡り、鉄道とグルメの旅、スポーツ観戦、80~90年代のプロレス、書店めぐり、そして焼肉。身体づくりも人生も、楽しみながら続けることを大切にしている。
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