解剖学【脊柱起立筋/体幹・背筋】筋肉のしくみと効果的な筋トレ、柔軟ストレッチの方法 ★動画あり (腸肋筋、最長筋、棘筋)

フィットネストレーナーの小林素明です。

脊柱起立筋とは、一般的に背筋と呼ばれており、背骨の両側を首から骨盤にかけて垂直に走る長い筋肉です。外側から内側に向かって腸肋筋(ちょうろくきん)、最長筋(さいちょうきん)、棘筋(きょくきん)の3つの筋肉の集合体です。

 
主な働きは、背骨を真っ直ぐにして直立姿勢を保つ「抗重力筋(こうじゅうりょくきん)」の働き、物を持ち上げる時に欠かせない筋肉です。また、体幹を安定させるための筋肉としての働きもあり、日常動作、スポーツでのパフォーマンスアップにも有効です。

 
専門的には、この脊柱起立筋は、背骨(脊柱)を動かしたり、安定性を保つことで固有背筋と呼ばれます。

では、脊柱起立筋とはどんな筋肉? 鍛えるメリットは何か? 安全で効果的に鍛える方法は?を順番に話します。

目次

脊柱起立筋とはどんな筋肉なの?


脊柱起立筋は腸肋筋、最長筋、棘筋の3つの筋肉から構成されています。3つの筋肉はさらに細分化されています。

  • 腸肋筋:頸腸肋筋、胸腸肋筋、腰腸肋筋
  • 最長筋:頭最長筋、頸最長筋、胸最長筋
  • 棘筋:頸棘筋、胸棘筋、頭棘筋

 
筋肉の起始: 骨盤、肋骨
筋肉の停止: 脊柱、胸郭、頭蓋骨
神経支配: 脊柱神経
主な筋肉の働き(作用): 体幹の伸展、体幹の側屈、骨盤の前傾
 

脊柱起立筋の主な働き


脊柱起立筋の主な働きは、上体を後方に倒す「体幹の伸展」、上体を横に倒す「体幹の側屈」、骨盤を前方に傾ける「骨盤の前傾」です。 
※体幹の側屈は、左右のどちらかの脊柱起立筋の収縮することで動作が可能

 

腸肋筋(ちょうろくきん)


腸肋筋は、頸腸肋筋、胸腸肋筋、腰腸肋筋の3つの筋肉で構成されています

 

最長筋(さいちょうきん)


最長筋は、頭最長筋、頸最長筋、胸最長筋の3つの筋肉で構成されています

 

棘筋(きょくきん)

棘筋は頸棘筋、胸棘筋、頭棘筋の3つの筋肉で構成されています。但し頭棘筋は半頭棘筋と一体化されています。

 
では次に脊柱起立筋を鍛えるメリット、鍛え方を紹介します。

脊柱起立筋を鍛えるメリット

  1. 姿勢が良くなり若々しく見える
  2. パフォーマンスアップになる
  3. 腰痛の予防になる
  4. 腹筋が硬くなることを予防し、呼吸がしやすくなる
  5. 肩こり解消につながる

1 姿勢が良くなり若々しく見える


脊柱起立筋は、背骨を真っ直ぐに保つための筋肉としての働きが最も大きく、良い姿勢を保ちやすくなります。若々しい綺麗な姿勢を目指す方には見逃せない筋肉です。脊柱起立筋は、腹筋、大臀筋大腿四頭筋下腿三頭筋などと協働し、直立姿勢を保つ筋力「抗重力筋」の役割を担っています。

 

2 パフォーマンスアップになる


脊柱起立筋を鍛えることで、上体のブレが少なくなり、歩行や階段の日常動作が楽になります。また多くのスポーツでも走る、跳ぶ、投げるというパフォーマンスアップのサポートをします。

 

3 腰痛の予防になる

脊柱起立筋を鍛えておくことで、腰痛の原因となる背中を丸くなることを防ぐことができます。背骨が伸びた姿勢は、体幹の筋肉のバランスを整える効果があり、神経の圧迫を回避し、腰痛予防になるのです。

 

4 腹筋が硬くなることを予防し、呼吸がしやすくなる


腹筋(腹斜筋)が硬くなると背中が丸くなり、呼吸もしにくい体になります。その腹筋と相反関係にある脊柱起立筋を鍛えておくことで、背中が丸くなるのを防ぐことができます。

脊柱起立筋を鍛える→背中がまっすぐになる→呼吸もしやすい→動作が楽になる という良い循環を生み出します。
 
参考)筋バランスの相反関係とは

 

5 肩こり解消につながる


肩こりの原因の1つに肩甲骨まわりの筋肉の過緊張があります。これは、背中が丸い姿勢が続くことで、肩甲骨まわりの僧帽筋(そうぼうきん)や菱形筋(りょうけいきん)が伸ばされて緊張が強いられることです。

そこで脊柱起立筋を鍛えることで、背中を真っ直ぐに伸ばすことができ、肩甲骨まわりの筋肉の緊張を緩和し、肩こり解消へ繋がります。

 
では次に「自宅でできる脊柱起立筋を効果的に鍛える方法」を紹介します。

自宅でできる!脊柱起立筋を効果的に鍛える方法


<筋トレを効果的に行うために>
15回前後で限界 がくるような種目は筋力アップに効果的(ギリギリ限界はNG)
・20回以上できるようになれば、レベルアップします。
フォームが崩れたり、違うフォームはNG
・まずは気に入った1〜2種目を中心に行いましょう

<ご注意>
エクササイズは無理なくできる範囲で行ってください。運動中に痛みを感じる場合は、医療機関での受診をお勧めします。なお、自己責任での実施をお願いします。

 

1 バックアーチ 交互上げ【やさしい】


鍛える筋肉: 脊柱起立筋、腰方形筋
運動方法:

  1. うつ伏せになり、両手と両足を伸ばしておきます
  2. 息を吐きながら、右手と左足を床から浮かせます
  3. 息を吸いながら、元の位置に戻ります
  4. 息を吐きながら、左手と右足を床から浮かせます
  5. 息を吸いながら、元の位置に戻ります
  6. 左右交互に繰り返します

回数:  左右10回ずつ
ポイント: 手と足を浮かせた時に3秒間静止すると効果的です

 

2 バックアーチ ローリング【やさしい/効く】


鍛える筋肉: 脊柱起立筋、腰方形筋
運動方法:

  1. うつ伏せになり、両手と両足を伸ばしておきます
  2. 息を吐きながら、体を浮かせながら、両手を横から回し体の横につけます
  3. 息を吸いながら、手と体を元の位置に戻ります
  4. 2〜3を繰り返します

回数:  15回
ポイント: 手と足を浮かせた時に3秒間静止すると効果的です

 

3 ヒップリフト 【やさしい】



鍛えられる筋肉 : 脊柱起立筋、多裂筋、大臀筋ハムストリングス
運動方法

  1. 仰向けになり、両膝を曲げておきます
  2. 息を吐きながら、お尻を持ち上げます(お尻、背筋に効きます)
  3. 息を吐きながら、元の位置に戻ります
  4. 繰り返します

回数: 15〜20回
ポイント:腹筋、背筋、お尻に力を入れて、体をまっすぐに保ちます。姿勢が崩れたら、始めからやり直しましょう!

 

4 バードドック【難しめ/よく効く】


鍛える筋肉: 脊柱起立筋、腹斜筋大臀筋
運動方法:

  1. 四つん這いになり、背筋を伸ばします
  2. 息を吐きながら、右手と左足を【床と平行に】伸ばします
  3. 息を吸いながら、伸ばした手足の【肘と膝】をお腹の前で近づけます
  4. 2〜3を繰り返します
  5. 反対側の手と足も同様に行います

回数:  15回
ポイント: 体のバランスが崩れた時は、安全のために初めからやり直します

 

5 片足バランス背筋【きつめ/難しい】



鍛える筋肉: 脊柱起立筋、腹斜筋大臀筋
運動方法:

  1. 背筋を伸ばし立ちます
  2. 息を吸いながら、両手と「左足」を伸ばします
  3. 息を吐きながら、元の位置に戻ります
  4. 息を吸いながら、両手と「右足」を伸ばします
  5. 息を吐きながら、元の位置に戻ります
  6. 左右交互に繰り返します

回数:  左右15回ずつ
ポイント: 体のバランスが崩れた時は、安全のために初めからやり直します

紹介したエクササイズの方法は動画で学ぶことができます。ぜひご覧くださいね!

【動画】自宅でできる脊柱起立筋を鍛えるエクササイズ

 
 
では、次に脊柱起立筋が硬い人の特徴、柔軟にするストレッチ法を紹介します。

脊柱起立筋が硬くなっている人の特徴とは?

  1. 反り腰姿勢になっている
  2. 腹筋が弱くなっている
  3. 物を持ち上げる動作が多い
  4. 同じ姿勢を繰り返すことが多い
  5. スマホ時間が長い(前屈み姿勢)

1 反り腰姿勢になっている


横から見ると腰が反っているように見える姿勢を「反り腰」と言います。この姿勢は、脊柱起立筋が硬い方に多く、骨盤が前に倒れる「前傾」となり、腰に負担がかかります。

この反り腰姿勢は、ハイヒールを長時間、履くことでも起こります。※ハイヒールはふくらはぎ(下腿三頭筋)に硬さも招きます

 

2 腹筋が弱くなっている


先程述べました「反り腰」姿勢では、脊柱起立筋と相反関係にある腹筋(腹直筋)が弱くなっていることが多いです。なぜならば、腹筋は反り腰の反対の「体を曲げる」働きをしているからです。つまり、体を曲げる筋力(腹直筋)よりも、体を反る動作(脊柱起立筋)の方が強いということが予測できます。

 
参考)筋バランスの相反関係とは

 

3 物を持ち上げる動作が多い

脊柱起立筋は、物を持ち上げるときによく使われる筋肉です。物を持ち上げることが多い場合、脊柱起立筋には過度な負担がかかり、筋肉が硬くなってしまいます。

 

4 同じ姿勢を繰り返すことが多い

立つ、座るという同じ姿勢を繰り返すことで、姿勢を真直ぐに保つ脊柱起立筋は酷使されます。そのため、脊柱起立筋は硬くなってしまいます。

 

5 スマホ時間が長い(前屈み姿勢)


スマートフォン、タブレットを見ている時間が長いと脊柱起立筋は硬くなります。なぜならば、スマートフォンやタブレットを見ている時、前屈みの姿勢になります。その前屈み姿勢は、背骨(脊柱)も丸めて、脊柱起立筋が緊張を強いられるからです。重たい荷物を持っていないのに腰が辛い、という場合、一度スマホ時間を調べる必要があります。

 
では、どのようにすれば脊柱起立筋の疲労回復をさせ、柔軟になるのか? 脊柱起立筋を疲労回復、柔軟にするストレッチを紹介します。

自宅でできる脊柱起立筋を柔軟にするストレッチ法

体を柔軟にするストレッチを安全かつ効果的に行うために

  1. 1ポーズに30秒間静止が基本です。(動かすストレッチの場合は動作はゆっくり)
  2. 特に硬いと感じる筋肉には2セット実施(30秒間×2回)をお勧めします
  3. ポーズを取っている間は自然呼吸を実施します
  4. 痛みを伴わない程度に体を伸ばします
  5. お風呂上がりに行うと効果抜群です

 

1 体前倒しストレッチ



伸ばす筋肉: 脊柱起立筋、内転筋
運動方法:

  1. 床に座り、あぐらをかきます
  2. 両手を前方に伸ばし、背中を丸くします
  3. 自然呼吸で30秒間静止します
  4. 元の位置に戻ります
  5. 両手を斜め方向に伸ばし、手を遠くにします
  6. 片側の脊柱起立筋が伸びます
  7. 自然呼吸で30秒間静止します
  8. 反対側にも同様に行います

 

2 キャット&ドック


伸ばす筋肉: 脊柱起立筋、腹直筋腰方形筋
運動方法:

  1. 四つん這いになります
  2. ゆっくりと背中を丸めます(猫のポーズ/脊柱起立筋が伸びます)
  3. 自然呼吸で5秒間静止します
  4. ゆっくりと体を反ります(犬のポーズ/腹直筋が伸びます)
  5. 自然呼吸で5秒間静止します
  6. 2〜5を繰り返します

ポイント: 動作をゆっくり行うと効果がアップします
 

3 両膝抱えストレッチ


伸ばす筋肉: 脊柱起立筋、大臀筋
運動方法:

  1. 仰向けになり、両膝を曲げておきます
  2. ゆっくりと足を上げて、両手で膝を抱え込みます
  3. 自然呼吸で30秒間静止します
  4. ゆっくりと足の裏を床につけて終了します

ポイント: 腹筋に力を入れておくと効果的です
 

4 椅子体曲げストレッチ


伸ばす筋肉: 脊柱起立筋
運動方法:

  1. 椅子に座り、自然呼吸を行います
  2. ゆっくりと背中を丸めながら、体を前に曲げていきます
  3. 自然呼吸で20秒間静止します
  4. ゆっくりと元の位置に戻ります
  5. ゆっくりと背中を丸めながら、体を斜めに曲げていきます
  6. 自然呼吸で20秒間静止します(片側の脊柱起立筋が伸びます)
  7. ゆっくりと元の位置に戻ります
  8. 反対側にも同様に行います

ポイント: 必ず動作はゆっくりと行なってください

5 椅子で体捻りストレッチ


伸ばす筋肉: 脊柱起立筋、腹斜筋
運動方法:

  1. 椅子に座り、体を捻ります
  2. 自然呼吸で30秒間静止します
  3. 反対側も同様に行います

ポイント: 体を真っ直ぐにしてから体を捻ると効果的です
 

6 フォームローラー脊柱起立筋


伸ばす筋肉: 脊柱起立筋
運動方法:

  1. 腰のあたりにフォームローラーが当たるように調整します
  2. 背中を丸めながら、背骨に添ってフォームローラーを転がします
  3. 15往復を目安に行います
  4. <応用編> 体を斜めに傾けながらフォームローラーを転がします
  5. 片側の脊柱起立筋がほぐれます
  6. 反対側にも同様に行います

ポイント: 腹筋に力を入れておくと効果的です。

紹介したエクササイズの方法は動画で学ぶことができます。ぜひご覧くださいね!

【動画】自宅でできる脊柱起立筋を柔軟にするストレッチ法

 
 

まとめ


いかがでしたでしょうか? 脊柱起立筋を筋トレで鍛えることは、良い姿勢を保つだけでなく、物を持ち上げる時の筋力、腰痛を予防、正しい呼吸のサポートと多くの場面で活躍をしています。鍛えるメリットは多くありますね。

 
また、脊柱起立筋は長時間のスマホ、同じ姿勢を繰り返すこと、物を持ち上げる動作が多いことで、疲労が蓄積し筋肉が硬くなります。このことで腰痛になってしまうのです。そのため、スマホや同じ姿勢の時間を短くすることや、姿勢を変えることはもちろんのこと、筋肉の疲労を回復させるストレッチの習慣が必要となります。

 
一方、腹直筋(腹筋)が弱っていると脊柱起立筋に負荷がかかり、疲労蓄積の原因となります。ですから、腹直筋を鍛えることは腰痛を予防するためにも必要となります。 参考)腹直筋を鍛える方法

脊柱起立筋が硬くなっている方に多い姿勢の反り腰。対策としては、腸腰筋や大腿直筋を伸ばす、腹直筋を鍛えることが有効です。

 


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