呼吸筋【横隔膜、肋間筋、腹筋】トレーニング ぽっこりお腹と腰痛対策、良い姿勢に!「ドローイン」の正しい方法

大阪のパーソナルトレーナー小林素明です。

ヒトは1日に2万回以上の呼吸を無意識のうちに行なっています。呼吸は体内の酸素、二酸化炭素を入れ換えることが主な目的で、生命維持に不可欠です。

この呼吸に関わる筋肉は、お腹の引き締め、姿勢の保持(体幹の筋力)、腰痛を予防することでも注目されています。呼吸で筋肉を使っているの?と疑問に思われるかも知れませんね。では呼吸によって、どんな筋肉が使われているのかを紹介します。

息を吸っているときに使われている筋肉(安静時吸気の筋肉)

息を吸っているときには、肺が膨らみ、胸腔と腹腔を隔てる「横隔膜(おうかくまく)」が下ります。このときに使われている筋肉は、横隔膜、外肋間筋、斜角筋が主に働いています。特に横隔膜は、重要な働きをしていています。※換気する機能の60〜80%を担っている

横隔膜の厚さは平均で2.1〜2.5mmであるが、面積や長さも含めて個体差があります。体重との相関関係が高く、活動的な人ほど横隔膜は発達しています

  • 横隔膜: 息を吸ったとき、収縮して横隔膜は下がる  神経支配:横隔神経
  • 外肋間筋:肋骨を挙上し胸郭を拡大し息を吸う   神経支配:肋間神経
  • 斜角筋:息を吸ったとき、肋骨と胸骨を挙上させ胸の容積(胸腔)を増加させる  神経支配:脊髄神経根の腹側枝

外肋間筋

斜角筋(前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋)

【激しい運動時】息を吸うときはどうなっているのか?

運動強度が高くなると激しい呼吸になります。そのとき横隔膜、外肋間筋、斜角筋だけでなく、使われる筋肉が多くなります。(補助筋)

広背筋大胸筋、小胸筋、腰方形筋、胸鎖乳突筋、上後鋸筋、下後鋸筋など

息を吐いているときに使われている筋肉(安静時呼気の筋肉)

安静において息を吐くときには、息を吸っているときに使われた「横隔膜」の元に戻る(弾力的な復元力)ことで呼気が行われます。息を最大に吐く、激しい運動の時には腹筋を使います。

激しい運動時に息を吐くときはどうなっているのか?

運動が激しくなると、腹筋や内肋間筋の収縮が必要となります。例としては、高重量の荷物を持ち上げるとき、排便、出産があります。(怒責作用)

内肋間筋、腹筋群(腹横筋外腹斜筋、内腹斜筋腹直筋

内肋間筋:肋骨を下制させ息を吐く   神経支配:肋間神経

内肋間筋

腹筋群(腹横筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋)

呼吸を楽にする肋間筋のストレッチ方法

呼吸に関係する内肋間筋、外肋間筋を効果的に柔軟にするストレッチ法を動画で紹介ています。肋間筋の説明、働きの解説もありますよ!上の動画をぜひご覧くださいませ。

腹腔内圧(腹圧)について

最大に息を吐き出すとき(努力性呼気)は、腹腔内圧を高める作用があります。腹腔内圧が高まることで、体幹の安定性の向上、腰痛の予防ができます。

呼吸筋を鍛えるトレーニング法「ドローイン」をマスターしましょう!

呼吸に関わる筋肉を鍛える方法として、ドローインがあります。ドローインは体幹トレーニングの1つで、腹筋を鍛えるとともに横隔膜をしっかり刺激し、深い呼吸ができるようになります

ドローインにより腹腔内圧を高める訓練ができ、お腹が引き締まる、姿勢が良くなる、腹筋が強くなる、腰痛予防になると数々の効果が期待できます。特にお腹の引き締めにお勧めです。

ではドローインの方法を説明します。

ドローインのやり方

  • 仰向けになり膝を曲げておきます
  • 両手はお腹に手を当てておきます
  • ゆっくりと息を吐き、お腹を凹ませます
  • お腹を凹ませたまま、浅く呼吸を行います
  • 10〜30秒間 実施します。
  • 椅子に座って行うこともできます。

まとめ

いがかでしたでしょうか? 呼吸は横隔膜、肋骨の周り筋肉、腹筋の収縮によって行われています。特に横隔膜の働きは重要です。ドローイントレーニングは、どこでもできて横隔膜をしっかりと刺激することができます。体幹を鍛えますので、腰痛予防や良い姿勢を保つ、またお腹の引き締めにも効果的です。

この記事を書いた人

パーソナルトレーナー小林素明

小林素明

健康運動指導士 米国ハワイ州立大学医学部人体解剖学実習修了 介護予防運動トレーナー マッスルコンディショナー 日本臨床運動療法学会会員

【経歴】 運動指導歴30年超、テレビ出演多数、延べ1万人超のパーソナルトレーニング指導実績、YouTube登録者数1万人超。医療機関との連携も図り、安全かつ効果的なトレーニング法を研究。

フィットネスクラブ、温浴施設に17年間勤務後、株式会社ウェルネス&スマイルを起業。大阪市阿倍野区にパーソナルトレーニングどこでもフィットを開業し、「加齢に負けない筋肉づくり」「日常生活・スポーツ動作のパフォーマンスアップ」を得意とし、80歳代の方までトレーニング指導にあたる。病院をはじめとする医療機関、教育機関、不動産会社などで講演・講師活動。パーソナルトレーナー指導者養成講座の講師も務める。

【テレビ出演】 毎日放送「ちちんぷいぷい」/朝日放送テレビ「キャスト-CAST-」/読売テレビ「ten.」/テレビ朝日「ナニコレ珍百景」/読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」/サンテレビ「4時!キャッチ」他

【講演・講師実績】 一般財団法人関西労働保健協会/経済産業省ヘルスケアサービス社会実践事業「医療運動マッチング対応トレーナー育成講習会」/徳島県教育委員会 /箕面市立病院/日本臨床運動療法学会(第36回)/ファインレジデンス枚方香里園(京阪電鉄不動産)特別講師/SSK /八尾市教育委員会/岸和田市民病院/南河内環境局組合 他多数 (敬称略)

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