【下腿三頭筋/腓腹筋、ヒラメ筋】筋肉のしくみと効果的な筋トレ、柔軟ストレッチの方法 ★動画あり


フィットネストレーナーの小林素明です。

下腿三頭筋は、ふくらはぎの筋肉で腓腹筋、ヒラメ筋の2つの筋肉から構成されています。この下腿三頭筋は、姿勢を保持したり、歩行や階段、スポーツのパフォーマンスに役立ちます。また、ふくらはぎは「第2の心臓」と言われ、足の血行促進の役割を下腿三頭筋が担っています。

では、下腿三頭筋とはどんな筋肉なのか? 鍛えるメリットは何か? 安全で効果的に鍛える方法は?を順番に話します。
 

目次

下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)とはどんな筋肉なの?

下腿三頭筋とは、腓腹筋、ヒラメ筋の2つの筋肉。下腿三頭筋の反対の動きをする拮抗筋は前脛骨筋
 

腓腹筋


筋肉の起始: 大腿骨内側上顆、外側上顆
筋肉の停止: アキレス腱
神経支配: 脛骨神経(S1、S2)
主な筋肉の働き(作用): 足関節の底屈、膝関節の屈曲
 

ヒラメ筋


筋肉の起始: 腓骨、脛骨の後面
筋肉の停止: アキレス腱
神経支配: 脛骨神経(S1、S2)
主な筋肉の働き(作用): 足関節の底屈
 

下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)の働き(作用)とは?


足関節を底屈(地面につま先で押す)、歩行や階段上りの時にはかかとを上げる動作を行っています。爪先立ちになる動作は、まさに下腿三頭筋の働きです。腓腹筋は、膝を曲げる動作(屈曲)を行っています。
 

ほんとは筋力不足ではなかった?「主働筋、拮抗筋」の相反関係


つま先立ちは、踵を上げる際に
・ふくらはぎの筋肉「下腿三頭筋」に力が入り(収縮)
・すねの筋肉「前脛骨筋」は伸びる(弛緩)
ことで運動を可能にしています。
 
しかし、すねの前脛骨筋が硬い場合、踵を上げられる範囲は狭くなり、体もグラグラ揺れて正しい運動ができません。

 
専門的には、
主働筋 =下腿三頭筋(筋肉の収縮)
拮抗筋 =前脛骨筋(筋肉の弛緩)
と、2つの筋肉を「相反関係」と言います。

 
すべての運動は、この2つの筋肉(主働筋、拮抗筋)が、【筋肉に力が入る←→筋肉が伸びる】を同時に行うことで、運動を可能にしています。

 
他には、膝伸ばし運動があります。膝を伸ばす運動は、
・太もも前面の「大腿四頭筋」が主働筋
・太もも後面の「ハムストリングス」が拮抗筋

ところが、拮抗筋のハムストリングスが硬くなっていると、膝を十分に伸ばすことができず、正しい運動ができません。 

【関連コラム】ハムストリングスの硬さと運動

 
ですので、筋力不足だ、と思っていても、拮抗筋の柔軟性が欠如しているために、運動が苦手になっている、ということがあるのです。筋力トレーニングだけでなく、筋肉を伸ばすストレッチをやっておく理由はココにあります。

 
では次に、下腿三頭筋を鍛える(強くする)メリットとエクササイズ、そして下腿三頭筋が硬くなるとどうなるか? ストレッチの方法を紹介します。

下腿三頭筋を鍛えるメリット

  1. 良い姿勢が保持できる
  2. 足の血行促進作用(筋ポンプ作用)ができる
  3. パフォーマンスアップ

 

1 良い姿勢が保持できる


立っている時の姿勢を保つために必要な筋力を「抗重力筋」と言います。代表的なのは、太ももの大腿四頭筋、上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋、体幹の腹直筋、脊柱起立筋です。その中に、下腿三頭筋も同様で姿勢の保持に大きな役割を担っています。
 

2 足の血行促進作用(筋ポンプ作用)ができる


足は体の中で最も下に位置し、足の血液は下腿三頭筋の働き(収縮、弛緩)によって、重力に逆らって血液を、心臓へと戻してくれています。この下腿三頭筋の働きを筋ポンプ作用と言います。

この筋ポンプ作用が活発になれば、足の血液循環も良好となり、足の疲労回復も早くなり、けいれんも起こりにくくなります。
 

3 パフォーマンスアップ


下腿三頭筋は、歩く、走る、階段を登るなどの日常動作だけでなく、多くのスポーツでの走る、跳ぶ、投げるという基本動作で使われています。下腿三頭筋を鍛えることによって、日常動作、速く走る、遠くへ飛ぶというパフォーマンスアップに効果的です。

では、次に下腿三頭筋を強くする「自宅でできる下腿三頭筋を効果的に鍛える方法」を紹介します。
 

自宅でできる!下腿三頭筋を効果的に鍛える方法


<筋トレを効果的に行うために>
15回前後で限界 がくるような種目は筋力アップに効果的(ギリギリ限界はNG)
・20回以上できるようになれば、レベルアップします。
フォームが崩れたり、違うフォームはNG
・まずは気に入った1〜2種目を中心に行いましょう

<ご注意>
エクササイズは無理なくできる範囲で行ってください。運動中に痛みを感じる場合は、医療機関での受診をお勧めします。なお、自己責任での実施をお願いします。

1 シーティング・カーフレイズ【やさしい】


鍛える筋肉: 下腿三頭筋
運動方法:

  1. 背筋を伸ばして座ります
  2. 息を吐きながら、かかとを床からあげます
  3. 息を吸いながら、元の位置に戻ります
  4. 2〜3を繰り返します

回数:15回
 

2 カーフレイズ(立位) 【やさしい】


鍛える筋肉: 下腿三頭筋
運動方法:

  1. 背筋を伸ばして立ちます
  2. 息を吐きながら、かかとを床からあげます(抗重力筋も鍛えられます)
  3. 息を吸いながら、元の位置に戻ります
  4. 2〜3を繰り返します

回数:15回
注意:姿勢を崩さないままで行ってください
 

応用編【1】 つま先外側

つま先を外側に向けて行うと、下腿三頭筋の内側の筋肉を中心に鍛えることができます。
 

応用編【2】 つま先内側

つま先を内側に向けて行うと、下腿三頭筋の外側の筋肉を中心に鍛えることができます。
 

3 段差カーフレイズ【ややきつめ、難しい】



鍛える筋肉: 下腿三頭筋
運動方法: はじめは壁を持ってください

  1. 背筋を伸ばし、段差のところに立ちます
  2. 息を吐きながら、かかとを床からあげます(抗重力筋も鍛えられます)
  3. 息を吸いながら、元の位置に戻ります
  4. 2〜3を繰り返します

回数:10〜15回
注意: 姿勢が保てない場合は中止してください
 

4 片足立ちカーフレイズ 【きつい、難しい】


鍛える筋肉: 下腿三頭筋、体幹
運動方法:

  1. 背筋を伸ばし、片足の膝を曲げて、片足立ちになります
  2. 息を吐きながら、かかとを床からあげます(体幹が強力に鍛えられます)
  3. 息を吸いながら、元の位置に戻ります
  4. 2〜3を繰り返します

回数:15回
注意:姿勢を崩さないままで行ってください
 

難しい場合は・・・


壁やストレッチポールを片手で持ち、サポートしながら行ってください。徐々にサポートを少なくすると強度がアップします。
 

5 フルスクワット&カーフレイズ 【きつめ】



鍛える筋肉: 下腿三頭筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス
運動方法:

  1. 背筋を伸ばし、両手を前で組み立ちます
  2. 息を吸いながら、しゃがみます(スクワット)
  3. 息を吐きながら、立ち上がり→爪先立ちになります
  4. 2〜3を繰り返します

回数:15回
注意:姿勢を崩さないままで行ってください

紹介したエクササイズの方法は動画で学ぶことができます。ぜひご覧くださいね!

【動画】自宅でできる下腿三頭筋を鍛えるエクササイズ

 
では、次に下腿三頭筋を柔軟にするメリット、ストレッチ法を紹介します。

下腿三頭筋が硬くなっている人の特徴(下腿三頭筋が硬くなるとどうなるの?)


下腿三頭筋が硬い人の特徴として、しゃがんだ時に静止できずに、後ろに転んでしまいます。これは下腿三頭筋が硬いために、足首の柔軟性が失われ、上体を支えきれずに倒れてしまうからです。そうなりますと、「転んではいけない」と自然にしゃがむ動作を敬遠するようになり、足腰の筋肉である大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングスが弱ってしまう結果を招きます

下腿三頭筋が硬くなる習慣とは?


ハイヒールを履くと、踵が上がり下腿三頭筋の筋肉が収縮している状態が続き、下腿三頭筋を硬くする原因となります。過度にハイヒールを使用すれば、慢性的な下腿三頭筋の硬さを招きますので、使用時間を減らす工夫が必要です。

 

下腿三頭筋を柔軟にするメリット

  1. 膝・足首の怪我を予防できる
  2. 足の疲労回復を早め、むくみを予防する
  3. 運動のパフォーマンスを高める

 

1 足の怪我を予防できる


下腿三頭筋を柔軟にしておくことで、筋肉が付着している足首、膝の動きがスムーズになり、日常動作やスポーツでの足首や膝の怪我を予防します。慢性的な膝痛の場合、この下腿三頭筋の硬さに原因があることがありますので、柔軟にしておくことをお勧めします。
 

2 足の疲労回復を早め、むくみを予防する


下腿三頭筋を柔軟にしておくことで、筋肉の収縮、弛緩がしやすくなり、足の血行が良くなります。そうなれば、足に疲労が蓄積されることが少なくなり、むくみも予防できます。すっきりした脚を目指すことができます。
 

3 運動のパフォーマンスを高める


下腿三頭筋の柔軟性は、足首、膝の動きが良くなります。そうなれば、より大きな動作ができるようになり、力も出やすくなります。歩行、階段、スポーツ動作が楽になります。

 
では、次に膝、腰の痛みを予防する自宅でできる下腿三頭筋を柔軟にするストレッチ法を紹介します。

自宅でできる!下腿三頭筋を柔軟にするストレッチ法

体を柔軟にするストレッチを安全かつ効果的に行うために

  1. 1ポーズに30秒間静止が基本です。(動かすストレッチの場合は動作はゆっくり)
  2. 特に硬いと感じる筋肉には2セット実施(30秒間×2回)をお勧めします
  3. ポーズを取っている間は自然呼吸を実施します
  4. 痛みを伴わない程度に体を伸ばします
  5. お風呂上がりに行うと効果抜群です

 

1   足前後の下腿三頭筋ストレッチ


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法:

  1. 足を前後に開き、両手を椅子におきます
  2. 後ろ足のかかと床につけて、背筋を伸ばします(後ろ足の下腿三頭筋が伸びます)
  3. 自然呼吸で30秒間静止しま【写真上】
  4. 後ろ足を半歩前に出し、膝を曲げます(ヒラメ筋が伸びます)
  5. 自然呼吸で30秒間静止します【写真下】
  6. 反対側の足も同様に行います

2 段差の下腿三頭筋ストレッチ


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法:

  1. 片足を段差のところに当てます
  2. 背筋を伸ばして、体の重心をやや前にします
  3. 自然呼吸で30秒間静止します
  4. 反対側の足も同様に行います

3 ストレッチングボード 下腿三頭筋


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法:

  1. ストレッチングボードを適正な傾斜にします。(まっすぐに立てること、ふくらはぎ伸びていること)
  2. 背筋を伸ばして、まっすぐに立ちます
  3. 自然呼吸で30秒間静止します

ストレッチングボードは傾斜角を細かく設定できる商品をお勧めします。→ アサヒストレッチングボード
 

4 膝曲げ下腿三頭筋ストレッチ


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法:

  1. 正座から片足を曲げて、背筋を伸ばします
  2. 曲げた足のつま先が、反対側の膝より前に出ないようにします
  3. 両手を床につき、体重をやや前方にします
  4. 自然呼吸で30秒間静止します
  5. 反対側の足も同様に行います

5 タオルで下腿三頭筋ストレッチ


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法:

  1. 片足を曲げて、伸ばした足の裏にタオルを引っ掛けます(マフラータオルがお勧め)
  2. 背中を伸ばして、タオルを少しだけ手前に引きます
  3. 太もも裏からふくらはぎにかけて伸びてきます
  4. 自然呼吸で30秒間静止します
  5. 反対側の足も同様に行います

注意点:タオルを引っ掛けた足の甲はまっすぐにしておきます。
 

6 仰向け動かす足首ストレッチ


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法:

  1. 仰向けになり、片足を上げておきます
  2. 両手で膝の裏側のあたりを持ちます
  3. 足首を曲げたり、伸ばしたり(底屈、背屈)を繰り返します
  4. 自然呼吸で20回繰り返します
  5. 反対側の足も同様に行います

7 くの字動かす下腿三頭筋ストレッチ【ややきつめ】


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法: 無理のない範囲で行いましょう

  1. 両手を床につけて、体をくの字にします
  2. かかとを床に近づる、かかとを上げるを繰り返します
  3. 太もも裏からふくらはぎにかけてかなり伸びてきます
  4. 自然呼吸で10回繰り返します

8 ふみふみ下腿三頭筋ストレッチ


伸ばす筋肉:下腿三頭筋
運動方法: 

  1. 両手を壁につけて、体をまっすぐにします
  2. 片足づつ、かかとを床に近づる、かかとを上げるを繰り返します
  3. 太もも裏からふくらはぎにかけて伸びます
  4. 自然呼吸で左右10回ずつ、繰り返します

9 フォームローラー 下腿三頭筋ほぐし


ほぐす筋肉:下腿三頭筋
運動方法: 

  1. フォームローラーをふくらはぎに当てます
  2. 両手を床につけて、お尻を浮かせます
  3. ゆっくりとフォームローラーでふくらはぎを往復します
  4. 自然呼吸で30秒間行います
  5. 反対側の足も同様に行います

紹介した下腿三頭筋の柔軟ストレッチを動画で学ぶことができます。ぜひご覧くださいませ!

【動画】下腿三頭筋を柔軟にするストレッチ法

 

まとめ 下腿三頭筋の筋肉のしくみと効果的な筋トレ、ストレッチの方法


いかがでしたでしょうか? 下腿三頭筋が硬くなると膝の怪我、しゃがみにくくなる、階段が辛くなるなどの動作のパフォーマンスに影響を与えます。また下腿三頭筋は、抗重力筋の1つで姿勢を保持するための大切な筋力です。

 
何と言っても、ふくらはぎは第2の心臓と言われ、筋ポンプ作用としての働きが備わっています。それは下腿三頭筋に力を入れる(収縮)、力を緩める(弛緩)を繰り返すことで、血液(静脈)が上方に戻ってくれる働きをしてくれています。下腿三頭筋の動きを止めると、血液の流れが滞ります。

下腿三頭筋の動きを良くするためには、拮抗筋である前脛骨筋。そして、下腿三頭筋の腓腹筋の働きである、膝の屈曲動作(膝を曲げる)で一緒に働いているハムストリングスも見逃せません。

 


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