体が硬いとこんなに損!パーソナルトレーナーが教える5つのデメリット

こんにちは、フィットネスパーソナルトレーナーの小林素明です。40代以上の皆さんの中には、「昔に比べて体が硬くなった」とお悩みの方が多いのではないでしょうか。ぼく自身、これまでの指導の中で、年齢を重ねるにつれて関節が硬くなり、動きづらさを感じる方を数多く見てきました。

加齢によって体が硬くなると、筋肉が硬直し、体を自由に動かしにくくなります。例えば、立った状態で体を前に倒す「前屈」ができなくなるのは、太ももの裏や背中の筋肉が硬くなっているためです。こうした状態では、関節に負担がかかりやすくなり、腰痛や膝痛、肩こり、さらには慢性的な疲労感を引き起こす原因にもなります。これが続くと、体を動かすことが面倒になり、運動不足や筋力低下を招き、老化のスピードを加速させてしまうのです。

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筋肉の硬さを解消するために

ぼくのこれまでのトレーニング指導経験から言えることは、体の柔軟性を保つためのストレッチが非常に重要であることです。筋肉がしっかりと伸びることで、関節の動きがスムーズになり、日常生活やスポーツをより快適に楽しめるようになります。

そこで今回は、筋肉が硬くなることで体にどんな悪影響があるのか、そしてそれを防ぐためにどのようなストレッチ体操が効果的かについてお話しします。柔軟性を取り戻し、健康的な生活を続けていくために、ぜひぼくと一緒にストレッチの重要性を再確認してみましょう。きっと、新しい発見があるはずです。

なぜ体が硬くなるのか

車を運転している女性座りすぎ

体が硬くなる原因はさまざまです。加齢、運動不足、長時間のデスクワーク、同じ姿勢を続けることなどが挙げられます。ぼくが指導している経験の中では、座り過ぎによる弊害が多いと感じています。デスクワークはもちろんのことですが、新幹線や飛行機などの長時間にわたる移動、日々の車の運転、食事会が続くなどです。

これらの要因が重なることで、筋肉が硬くなり、体が思うように動かなくなります。筋肉が硬いままだと、血行不良や代謝の低下を招き、疲労がたまりやすくなります。この悪循環が続くと、健康にさまざまな影響を及ぼすことになります。

体が硬いことで起こる!5つのデメリット

 

1 関節がガチガチになり、怪我をしやすく疲れやすくなる

体が柔らかいと、関節はクッションのように体を守ってくれます。しかし、体が硬くなるとそのクッション効果がなくなり、関節に負担がかかりやすくなります。例えば、長時間歩くと膝が痛くなったり、スポーツをしているときに腰を痛めたりしやすくなるのです。また、硬くなった関節は疲れやすく、疲労の回復も遅くなってしまいます。

2 慢性的な腰痛、肩こり、ひざ痛が起こりやすくなる

体が硬いと、腰や肩、膝など関節に痛みが出やすくなります。たとえば股関節周りの筋肉が硬いと、骨盤と背骨の動きが制限されて腰痛が起こりやすくなります。肩こりや膝痛も同じで、筋肉が硬くなることで痛みが続くようになります。最初は少しの痛みでも、何もしないとだんだんひどくなってしまいます。

3 体の歪みが生じ、見た目の姿勢が悪くなる

筋肉が硬くなると、体のバランスが悪くなり姿勢が崩れてしまいます。例えば、腰の筋肉が硬くなると、片方の骨盤が上がってしまい、体が「くの字」になったように見えてしまうことがあります。姿勢が悪いと、背骨も曲がってしまい、慢性的な腰痛や肩こりにつながります。

4 お尻の筋肉がたるむ!筋力の低下が加速する


筋肉が硬くなると、その反対側の筋肉は弱くなってしまいます。例えば、太ももの付け根にある筋肉(腸腰筋)が硬くなると、お尻の筋肉(大臀筋)は弱くなり、たるんでしまうことがあります。これは、太ももの付け根の筋肉が硬いせいで、お尻の筋肉が十分に使えなくなってしまうからです。そのため、どんなに頑張ってお尻の筋トレを行っても、硬い筋肉があるとお尻が鍛えらにくいのです。

5 慢性的な運動不足が起こりやすくなる

体が硬いと、関節が十分に動かなくなるだけでなく、筋肉が疲れやすくなります。そうなると、体を動かすことが面倒になり、運動不足に陥りがちです。運動不足になると、筋肉が弱って血行が悪くなり、体に悪い影響を与えてしまいます。

あなたの関節はガチガチ度は?体の硬さのセルフチェック

ではここで、どれだけ体が硬いのか?の柔軟性のセルフチェックを行いましょう!

脊柱、太もも裏の柔軟性チェック(前屈、腰痛度チェック)

まっすぐに立った状態で、床に手が届くかのチェックです。

<方法>
・5秒間かけてゆっくりと前屈します
・勢いをつけるのは怪我に繋がりますので絶対に避けてください。
・このテストは腰痛の度合い度を調べています。

<セルフ評価>
指先が床から5cm以上 = 硬い

 

「硬い」判定の方にお勧め!体が柔軟なるストレッチ

1 脊柱の柔軟ストレッチ

2 椅子を使った太もも裏のストレッチ

 

腸腰筋の硬さチェック(腰痛度チェック)

<方法>
・仰向けになった状態で両足を伸ばします
・片足を曲げて両手で膝を抱え込みます。太ももがお腹に着くくらいに
・反対側の足が床から浮いていないか?をチェックします

<セルフ評価>
伸ばした足が床から浮く = 硬い

 

「硬い」判定の方にお勧め!体が柔軟なるストレッチ

3 腸腰筋が柔軟になるストレッチ(腰痛予防、姿勢の改善)

 

ひざの柔軟性チェック(ひざ痛チェック)

うつ伏せの状態で膝がどこまで曲がるかをチェックします。これは膝痛の度合いに比例しています。

<方法>
・うつ伏せて膝を曲げます
・足首、足の甲を持ちます
・両肩は床につけておきます

<セルフ評価>
足首、足の甲が触れられない = 硬い

 

「硬い」判定の方にお勧め!体が柔軟なるストレッチ

4 膝が柔軟になるストレッチ(ひざ痛予防、膝が曲がりやすくなる)

 

肩の柔軟性チェック(肩こり、肩痛チェック)

<方法>
・体の後ろで手が届くかのチェック
・右手を上げて、左手は下から回し
・左右に指先が届くかをチェックします

<セルフ評価>
指先が触れなれない = 硬い

 

「硬い」判定の方にお勧め!体が柔軟なるストレッチ

5 肩まわりが柔軟になるストレッチ(肩こり解消、四十肩予防、腕が上がりやすく)

 
では次に硬い体を柔軟にするストレッチの方法を紹介します! ぜひともご覧くださいね!
 ↓ ↓ ↓

体を柔軟にしよう!体が硬い人のための柔軟ストレッチ

トレーニング前のウォームアップ

 

ストレッチを行うメリット

  • 腰痛、肩こりの緩和
  • 筋肉の緊張緩和
  • バランスの良い姿勢
  • ストレスの解消
  • 怪我の予防
  • 呼吸がしやすくなる

 
体を柔軟にするためには、痛みを感じる手前の「気持ちいい」と感じるところまでを行ってください。痛みを感じると、筋肉が防御反応を示し、反対に筋肉を収縮(硬く)する方向へと向かいますので、要注意です。

 

1 背骨と骨盤の柔軟ストレッチ(腰痛予防、姿勢の改善、背中の張り解消)


このストレッチのメリット

・腰痛の予防改善
・良い姿勢を保つ
・背中の筋肉の張りの改善
・骨盤の動きをよくする


ストレッチの方法

  1. 床に四つん這いになり、リラックスします
  2. ゆっくりと息を吸いながら、お腹に力を入れて、背中を丸めます。(猫のポーズ)
  3. 2の背中を伸ばした状態で、3秒間静止します
  4. ゆっくりと息を吐きながら、できる範囲で腰を反り、3秒間静止します(犬のポーズ)
  5. 2~4をゆっくりと「10回」繰り返します

回数、セット
10回を2セット

ポイント
・動作をゆっくりと行い、背骨が1つ1つ動いているイメージします
・腕には力を入れないようにします

 

2 太もも裏のストレッチ(坐骨神経痛の予防、腰痛予防、姿勢の改善)


このストレッチのメリット

・太ももの裏の筋肉(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)を伸ばす
・腰痛の予防改善
・坐骨神経痛の予防になる
・体が曲がりやすくなる
・綺麗な姿勢になる

ストレッチの方法

  1. 背中を伸ばして、椅子に座ります
  2. 両手を右足の太ももの上に添えておきます
  3. 膝が曲がらないように、体をやや前傾させます
  4. 背筋を伸ばし、自然呼吸で20秒間静止しましょう
  5. 反対側の足も同様に行いましょう

注意点:常に背筋は伸ばしておきます
回数:20〜30秒間×2セット

3 太ももの付け根(腸腰筋)のストレッチ(腰痛予防)

腸腰筋ストレッチ

このストレッチのメリット

・太ももの付け根の筋肉(腸腰筋)を伸ばす
・反り腰姿勢の緩和
・腰痛の予防改善
・股関節が柔軟になる
・呼吸がしやすくなる
・デスクワークの後のアフターケア
・歩幅が広がりやすくなる

ストレッチの方法

  1. 床で脚を前後に開き、太ももに両手を添えます
  2. 後ろ足は、膝をつき爪先立ちになります。
  3. ゆっくりとお尻を前方に移動させます
  4. 太ももの付け根が伸び、自然呼吸で30秒間静止します。
  5. 反対側の足も同様に行います

注意点:腰を反らさないようにします

【動画】腸腰筋のストレッチ

 

4 ひざの柔軟ストレッチ(大腿四頭筋の柔軟、膝痛の予防)


このストレッチのメリット

・太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)を伸ばす
・膝痛の予防と改善
・膝が曲がりやすく柔軟になる
・歩きやすくなる
・階段や坂道の下りで疲れにくくなる

ストレッチの方法

  1. うつ伏せになります
  2. タオルを足首にかけて、タオルを持ちます ※足首、足の甲に手が届く場合はタオル不要
  3. 痛みのない範囲で、かかとをお尻に近づけます
  4. 太ももの前面(大腿四頭筋)が伸びます
  5.  自然呼吸で30秒間静止します。
  6.  左足も同様に行います

回数: 30秒間×2セット

【動画】ひざの柔軟ストレッチ(大腿四頭筋の柔軟)

5 肩の柔軟性ストレッチ(肩こり解消、四十肩の予防)


このストレッチのメリット

・肩甲骨の周りの筋肉(棘上筋、小円筋、大円筋など)を伸ばす
・四十肩、五十肩の予防になる
・腕が上がりやすく、肩が柔軟になる
・肩こりの解消になる
・様々な肩の痛み予防になる

ストレッチの方法

  1. タオルを体の後ろに回し、両手で持ちます
  2. ゆっくりと痛みのない範囲で、タオルを天井にあげます
  3. 20秒間静止します。下になっている腕の肩が伸びてきます
  4. ゆっくりとタオルを床に引っ張ります
  5. 20秒間静止します。上になっている腕の肩が伸びてきます
  6. 上下の手を入れ替えて、2〜5を繰り返します

注意点:常に背筋は伸ばしておきます
回数: 20秒間 2セット

体を柔軟にするストレッチ まとめ

体を柔らかく保つことは、怪我の予防や痛みの改善、姿勢の改善、筋肉の引き締め、そして運動不足の解消につながります。健康的な生活を送るために、ぜひストレッチや運動を日常に取り入れてみましょう。

もし、どのようなストレッチが自分に合っているのかわからない場合は、パーソナルトレーニングで専門家のアドバイスを受けるのもおすすめです。「どこでもフィット」では、一人ひとりの体の状態に合わせたレッスンを提供していますので、ぜひ一度体験してみてください。皆さんの健康的な体づくりを全力でサポートいたします。

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参考文献

  • からだの発達と加齢の科学 大修館書店
  • オーチスのキネシオロジー 身体運動の力学と病態力学(ラウンドフラット)
  • 最新運動療法大全(ガイアブックス)
  • ストレッチングの科学(三輪書店)
  • 柔軟性トレーニング(大修館書店)
  • 柔軟性の科学(大修館書店)

 

この記事を書いた人

大阪のパーソナルトレーナー小林素明
天空の城・竹田城(兵庫県)にて

小林素明 (城好きパーソナルトレーナー)

テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。

医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。

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