イチローに学ぶ!腰痛予防の3ストレッチ 筋力低下を防ぎ、股関節もやわらかく

パーソナルトレーナーの小林素明です。

股関節が硬くなると、腰にも大きな負担がかかります。

歩く・立つ・座るなど、日常の基本動作はすべて股関節が関わっており、その動きが悪くなると、代わりに腰が無理をするようになります。

その結果、腰の疲れや違和感が出やすくなり、放っておくと慢性的な腰痛につながることも少なくありません

そこで大切なのが、股関節まわりのストレッチ


股関節をやわらかく保つことで、腰への負担を減らし、スムーズに動ける体を取り戻すことができます。

このような方に、今回ご紹介するストレッチはおすすめです:

  • 慢性的な腰のだるさや痛みを感じている
  • 股関節や足腰の動きが硬くなってきたと感じる
  • 立ち上がりや歩行が重たく感じるようになった
  • 姿勢が前かがみ気味になってきた
  • 将来、腰の不安なく趣味や旅行を楽しみたい
  • 無理なく続けられるストレッチを探している

これから紹介するのは、日米のプロ野球界でも活躍したイチロー選手が取り入れていたストレッチをヒントにした、腰と股関節にやさしい3つのエクササイズです。


ご自宅でも気軽に取り組める内容ですので、今日からぜひ始めてみてくださいね。

なぜ、股関節を柔らかくすれば、衰え知らずの身体作りに役立つのか?

屋外フィットネスで悩む女性 2

年齢を重ねるにつれて、「歩きにくくなった」「階段の上り下りがつらい」と感じる方が増えてきます。実はその原因の一つに、股関節の硬さが関係しています。

股関節には、歩く・立ち上がる・座るといった動きに必要な筋肉(太ももの前側にある大腿四頭筋や、お尻の大臀筋など)が集中しています。

そして股関節には大きな負担がかかっています。

  • 歩いているときには、体重の約3〜4倍
  • 階段の上り下りでは、体重の約6〜7倍

こうした重さを毎日受け止めているわけですから、動きが悪くなれば当然、体にさまざまな影響が出ますね。

たとえば――

  • お腹がぽっこり出やすくなる
  • 歩幅が狭くなって、ヨチヨチ歩きのようになる
  • 腰に余計な負担がかかって、すぐに腰が痛くなる
  • 歩くスピードが落ちて、人と歩調が合わなくなる
  • 階段がつらく感じるようになる
  • 姿勢が崩れて、見た目も老けて見える

このように、股関節が硬くなると、日常の動作や見た目、健康面にまで悪影響が出てしまうのです。

逆に言えば、股関節をやわらかく保つことは、若々しさと動きやすさをキープするためのカギ

実際に、股関節には体の中心を通る大切な血管(動脈)も通っていて、上半身と下半身をつなぐ「動きのハブ」といえる存在です。

ここがスムーズに動くことで、筋肉の働きも活発になり、体全体のめぐりが良くなっていきます。

一緒に読んでおきたいおすすめ記事

動きやすさのカギ!股関節の「6つの基本動作」と柔軟にすべき筋肉たち

股関節がしなやかに動くことで、体の動作全体がスムーズになります。
そのために大切なのが、股関節の基本的な6つの動きです。

股関節の基本的な6つの動き

股関節可動域 屈曲・伸展
股関節可動域 内転・外転

股関節可動域 内旋・外旋
  • 屈曲(足を前に曲げる)
  • 伸展(足を後ろに伸ばす)
  • 内転(足を体の内側へ寄せる)
  • 外転(足を外側へ開く)
  • 内旋(太ももを内側にねじる)
  • 外旋(太ももを外側にねじる)

これら6つの動きがしっかりと行えることで、立つ・歩く・しゃがむといった日常動作が無理なく行えるようになります。


しかし、どれか一つでも動きが制限されると、姿勢や動作全体に影響が出てきてしまうのです。では、なぜ動きにくくなるのでしょうか?

その原因の多くは、股関節のまわりの筋肉が硬くなることにあります。


ボクが普段トレーニング指導をしていて、「ここを伸ばすと本当に動きが変わる!」と実感している代表的な筋肉が、以下の3つです。

一緒に読んでおきたいおすすめ記事

この筋肉を伸ばすと本当に動きが変わる!

内転筋(太ももの内側)

内転筋の解剖 大内転筋

姿勢を安定させ、腰への負担を減らす。太ももの引き締め効果も。

腸腰筋(太ももの付け根あたり)

腸腰筋 解剖図

脚の動きが軽くなり、お腹もスッキリ。腰の不調にも関係します。

大臀筋(お尻の筋肉)

歩きやすさアップ、ヒップラインの改善、猫背対策にも有効。

梨状筋(お尻の筋肉)

梨状筋

腰痛予防、ガニ股、姿勢対策に効果的です。

これらの筋肉は、加齢に加えて、デスクワークや長時間の運転など、座りっぱなしの生活でも硬くなりやすい部位です。

普段なかなか意識して動かさない筋肉だからこそ、ストレッチでしっかりと伸ばしてあげることが大切です。

このあとご紹介する「腰痛予防のための3つのストレッチ」は、まさにこれらの筋肉をやさしく伸ばして、股関節の柔軟性を高める内容になっています。

もし今、「脚が重い」「腰に疲れがたまりやすい」と感じているなら、これからのストレッチはまさにピッタリです。ぜひ、楽しみながら取り組んでみてくださいね。

一緒に読んでおきたいおすすめ記事

腰痛予防のイチローストレッチで内転筋、股関節を柔軟に!

(1) 相撲スタイルの股関節ストレッチ

イチローストレッチ0

イチローストレッチ

主に伸ばす筋肉: 太もも内側(内転筋)、背中〜腰(脊柱起立筋

やり方

  • 背筋を伸ばし、両足を肩幅より大きく広げます → つま先はやや外側に
  • 両手を膝に当て、背中を伸ばします
  • 身体を「右」にゆっくりと捻ります。
  • 背中を丸めないようにして、斜め後ろを見ます
  • 自然呼吸で、20〜30秒間静止します。
  • 反対側も同様に行います

ポイント

  • 太ももの内側の筋肉をギュッと伸ばします
  • 背中を丸めないようにします
  • 身体を捻った時に肩甲骨がグィッと入っていくと合格です。

いつ行えば良いのか?
・お風呂上り
・座っているとき(デスクワーク、テレビを見ているとき)
・朝食の前に

(2) 開脚&上体ねじりストレッチ

フロア 腸腰筋ストレッチ 捻り広背1

フロア 腸腰筋ストレッチ 捻り広背2

主に伸ばす筋肉: 太もも付け根(腸腰筋)、背中(広背筋

やり方

  • 脚を前後に開きます(腰を反らさないようにします)
  • 太ももの付け根に伸びを感じます
  • 右手を天井へ伸ばし、身体を真横へ倒します(背中に伸びを感じます)
  • 自然呼吸で、20〜30秒間静止します。
  • 反対側も同様に行います

ポイント

  • 背中を丸めないようにします
  • 腰を反らさないようにしましょう

(3)股関節・臀部スッキリ!ストレッチ

主に伸ばす筋肉: お尻(大臀筋中臀筋、梨状筋)

やり方

  • 椅子に座り、片脚を太ももにのせます
  • 膝と足首に手を添えます
  • 背中を伸ばし、上体を前方へ移動します
  • 自然呼吸で、20〜30秒間静止します。
  • 反対側も同様に行います

ポイント

  • 背中を丸めないようにします
  • 目線は前方へ向けましょう

ストレッチはいつ行えば良いの?

自宅で窓を見て背伸びストレッチをする女性

ここまでご紹介した3つのストレッチを、より効果的に取り入れるため、気になるのが「いつストレッチすればいいの?」ということですよね。

筋肉は、長時間じっとしていると少しずつ硬くなりやすくなります。たとえば、30分以上座りっぱなしの状態が続くだけでも、筋肉はこわばってしまうのです

また、運動や仕事、家事などで体を動かしたあとは、筋肉に疲れがたまり、それによっても硬くなる傾向があります。

ストレッチのオススメは「朝」と「夜」

筋肉が硬くなると、関節の動きが制限されてしまい、腰やひざに余分な負担がかかってしまいます。これが痛みや不調の原因になることも少なくありません。

そのため、ストレッチは「筋肉が硬くなる前」や「硬くなってしまった後」に取り入れるのがおすすめです。

とくに取り入れやすいのが、「朝と夜」。

  • は、寝ているあいだに固まった筋肉をやさしく動かして、体を目覚めさせるのに最適です。
  • は、1日の疲れをリセットして、心も体もリラックス。ストレスの解消や、ぐっすり眠るための準備にもなります。

さらに、日中のちょっとしたスキマ時間にストレッチを加えると、より効果的です。

たとえば、1番のストレッチで紹介した相撲の「しこ」をイメージした股関節ストレッチ。イチロー選手も試合中によく行っていた動き。椅子に座ったままでもできるので、テレビを見ながらでも気軽に取り組めます。

毎日の生活の中に、ちょこっとストレッチを取り入れるだけで、体の軽さや動きやすさがぐんと変わってきますよ。

一緒に読んでおきたいおすすめ記事

まとめ

いかがでしたでしょうか? 

今回紹介したストレッチは、無理にたくさん運動しようとする必要はありません。大切なのは、歯みがきのように毎日少しずつ続けること


まずは、ひとつのストレッチからで十分です。

たとえば「お風呂上がりにやる」と決めておけば、習慣になりやすく、身体の変化にも気づきやすくなります。
股関節の硬さから、その日の体調や疲れ具合も自然とわかってくるでしょう。

イチロー選手も、股関節をほぐしながら、日々のコンディションチェックを行っているといいます。股関節の硬さは、腰痛の予兆とも言える身体からのサイン。


そんなときは、ストレッチの時間を少し増やしたり、しっかり休息をとることも大切です。

股関節ストレッチは、体調管理のバロメーターにもなり、

  • 腰痛予防
  • 姿勢改善
  • 身体の衰え予防

にしっかり役立ってくれます。

まずは今日から、気軽に始めてみませんか?


そして「もっと自分に合ったやり方を知りたい」「正しくできているか不安…」という方は、どこでもフィットのパーソナルトレーニングにご相談くださいませ。

あなた様だけのフィットネスで、体に寄り添うサポートをしています。

大阪市阿倍野区の人気パーソナルフィットネストレーナー、健康運動指導士、テレビ出演多数の小林素明

フィットネス塾「どこでもフィット」では、50代・60代のお客様が安心して取り組める個別のプログラムをご提供しています。

  • 最近、疲れやすくなった
  • 膝や腰に不安がある
  • 将来、元気に動けるか心配…

そんなお悩みに、専門的な知識と実績30年以上の指導歴を持つ健康運動指導士・小林素明が、マンツーマンで丁寧にサポートします。

運動が初めての方でも大丈夫です。体力や症状に応じて無理なく続けられる、膝・腰ケアにも対応したプログラムで、あなた様の「これからの体」を守ります。

まずは体験レッスンで、現在の体の状態を知ることから始めませんか? 

どこでもフィットの体験レッスンは、「今の自分にできること」を少しずつ見つけたい方にとっても、安心してご参加いただける内容です。ご興味があれば、ぜひ一度体験レッスンをご利用ください。

フィットネスの始め方を知りたい方へ

当メディア『大阪発!心と体を豊かにするフィットネス・どこでもフィット』では、初心者の方が簡単にフィットネスを始められる方法をご紹介しています。

運動指導歴30年以上、テレビ出演多数、1万レッスン超の実績を持つ小林素明が、専門的な知識と経験を活かして、信頼性の高い情報をお届けします。

これからフィットネスを始めたい方にぴったりの、初心者向けガイド&簡単エクササイズをご覧ください!

テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten.」などに出演し、専門的でわかりやすい解説が好評のフィットネストレーナー。

健康運動指導士の有資格者であり、指導歴は30年以上。2010年に大阪市でパーソナルフィットネスジム「どこでもフィット」を開業し、これまでに延べ1万回以上のパーソナルトレーニングを実施。特に50代以上の「加齢に負けない体づくり」に定評がある。

医療機関と連携した安全性の高い運動指導、企業・団体向けの腰痛予防や健康経営に関する講演も数多く行い、受講者の98%から「わかりやすい」と高い評価を得ている。

趣味は城巡り、鉄道とグルメの旅、スポーツ観戦、80~90年代のプロレス、書店めぐり、そして焼肉。身体づくりも人生も、楽しみながら続けることを大切にしている。