巻き肩解消のプロ推奨ストレッチ法|パーソナルトレーナーが教える簡単エクササイズ
大阪のパーソナルトレーナー小林素明です。
巻き肩とは、肩の位置が前に傾き、横から見ると肩が内側に丸くなった状態を指します。この状態が続くと、胸の筋肉が縮こまり、肩や首に不必要な負担による慢性的な肩こりや首こり、呼吸が浅くなり体力の低下、頭痛など様々な不調に繋がります。また巻き肩は老けた印象を与え、衣服のシルエットも崩れ、オシャレな服も台無しになります。
この記事では、巻き肩の原因と、改善のためのエクササイズを紹介します。巻き肩改善エクササイズを習慣化することで、若々しい姿勢を保ち、美容と健康増進につながります。
腰痛ケアのプロが導く加齢に負けない体づくり オンラインパーソナルトレーニング
なぜ巻き肩になるのか?
巻き肩は、正しい姿勢を保つための筋肉のアンバランスにより引き起こされます。詳しく見ていきましょう。
1 長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用
パソコンやスマートフォンの画面を見る際に頭を前方へ出すことが一般的です。デスクワークや前かがみ姿勢が続くことで、肩が前に傾きやすくなります。その結果、巻き肩の姿勢が習慣になり、頭を支える首や肩の筋肉が固まります。また、前かがみ姿勢により、背中の筋肉が弱くなります。テレビを見る時間が長い人も背中が丸くなりやすい傾向にありますので、注意が必要です。
パソコンやスマートフォンの画面を見るとき、下向きになっていると首のたるみ、シワの原因となりますので注意が必要です。
胸の筋肉が固まるとが巻き肩に・・・
パソコンやスマートフォンの作業での姿勢は、胸の大胸筋の筋肉が固まりやすく、腕が内側に回転する内旋が起こりやすくなります。そのため、横から見た時には肩が前方に移動し、巻き肩になります。
【コラム】 慢性的な肩こり、首こりは頭の位置にある?
スマートフォンの画面を見続けると頭の位置が前方へ移動しやすくなります。頭の位置が、5センチ前方の移動→通常の3倍(13.5kg)、7.5センチ前方の移動→通常の4倍(18.0kg)の負担が首や肩にかかります。頭を支えているのは、僧帽筋をはじめとする首や肩の筋肉です。長時間の前かがみ姿勢は、首や肩の筋肉を酷使されます。
2 運動不足による筋力低下
正しい姿勢を保つためには、前後左右の均衡がとれた筋力が必要です。巻き肩の場合、背中が丸くなる傾向にあり背中の筋肉は弱くなりがちです。具体的な筋肉は、背骨や骨盤を安定させる脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、肩甲骨の位置を安定させる僧帽筋(そうぼうきん)、菱形筋(りょうけいきん)などの筋力強化が必要です。
3 横向きで寝ている
横向きで寝ると、下になっている肩は体重の負荷で前方に出てしまい、巻き肩の原因となります。それだけではなく、肩が痛くなる可能性があります。対策は就寝中に寝返りができるよう、枕の高さ、敷布団やベッドの硬さの調整が必要です。
日常生活でできる巻き肩の対策法
適度な休憩を取る
デスクワークやスマートフォン、パソコン作業を行う場合、筋肉が硬くならないよう30分に1回の休憩を入れましょう。背伸びをするだけでも、筋肉のリフレッシュになり、肩こりや首こり解消、ストレス解消につながります。
巻き肩改善ストレッチを習慣化
巻き肩の改善には、固まっている胸の筋肉を伸ばすストレッチを最優先に行いましょう。固まっている筋肉を伸ばすことで、猫背の解消、肩甲骨や背骨、骨盤の位置が安定し、正しい姿勢に近づくことができます。
巻き肩の対策は日常生活での意識と適切なエクササイズが大切です。巻き肩を改善することで、美しい姿勢と健康な体を手に入れましょう。
巻き肩対策エクササイズ
巻き肩対策では、固まっている胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)を中心に伸ばすことで、改善スピードが加速します。肩こり、姿勢の改善、呼吸の改善にも効果が期待できます。
1 肩甲骨寄せストレッチ(巻き肩、肩こり解消)
主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋)
方法:
- 両手を後ろで組み、背中を伸ばします。
- 肩甲骨を寄せるイメージで胸を張ります。
- 自然呼吸で20〜30秒間静止します。
2 バタフライ胸ストレッチ(巻き肩、肩こり解消、姿勢改善)
主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)
強化される筋肉:肩甲骨の内側(菱形筋)
方法:
- 両手を頭の後ろで組み、背中を伸ばします。
- 両肘を目の前で近づけます。※肩甲骨が広がります
- 両肘を開き、胸の筋肉を伸ばします。※菱形筋が強化されます
- 2〜3を繰り返します。
回数:20回
3 ドア胸ストレッチ(巻き肩解消、姿勢改善)
主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)
方法:
- ドアの柱に肘と腕をサポートします。
- 上半身を捻り、胸の筋肉を伸ばします。
- 自然呼吸で20〜30秒間静止します。
- 反対側も同様に行います。
4 ローテーション胸ストレッチ(巻き肩解消、腰痛予防)
主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋、小胸筋)、お腹(腹斜筋)
方法:
- 横向きになり、膝と股関節が直角になるようにします。
- 上になっている手は前方へ伸ばし、反対の手は膝をサポートします。
- 膝をサポートしながら、体を捻りながら反対側の床に手を伸ばします。(胸、お腹が伸びます)
- ゆっくりと元の位置に戻ります。
- 3〜4を繰り返します。
- 反対側も同様に行います。
回数:10〜20回
5 ショルダーピンチ(巻き肩解消、猫背解消)
主に伸ばす筋肉:胸の筋肉(大胸筋)、肩の筋肉(肩甲下筋)
強化される筋肉:肩甲骨の内側(菱形筋)
方法:
- 背中を伸ばし肘を曲げて、脇を締めます。
- 親指を後方へ向けるようにして、腕を開きます。
- 肩甲骨の内側に力を入れて、3秒間静止します。
- ゆっくりと元の位置に戻ります
- 3〜4を繰り返します。
回数:10〜20回
巻き肩解消のエクササイズを動画で学びましょう!
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姿勢改善で根本解決へ
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脊柱起立筋を強化するバックエクステンション
強化される筋肉:背筋(脊柱起立筋、多裂筋)
方法:
- 椅子に座り、背中を伸ばします。
- 息を吸いながら、上体を倒します。
- 息を吐きながら、上体を起こします。
- 2〜3を繰り返します。
回数:15〜20回
注意:常に背中を伸ばしたまま行います。
【もっと詳しく】姿勢を改善するための背筋トレーニング
まとめ 巻き肩対策のためのエクササイズ法
巻き肩は、自分ではなかなか気づきにくいものです。現代ではほとんどの人が、スマートフォンを使っていますので巻き肩になる可能性があります。放置しままですと肩こりや首こりが慢性化し、呼吸も浅くなり体力低下につながります。
そうならないためにも第一に、巻き肩の原因となるパソコンやスマートフォンを見る時間の短縮、30分ごとの休憩などを取り入れましょう。さらに紹介した巻き肩改善のためのエクササイズを習慣化し、若々しい姿勢を保ち、生涯の健康を手に入れましょう!
巻き肩の改善や腰痛の予防、体力に自信をつけたい方、自己流の運動から脱却して正しい筋トレやストレッチを始めたいとお考えの方は、個人指導専門のフィットネスジムがお勧めです。
- パーソナルジムどこでもフィット(大阪市阿倍野区)
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参考文献
- 「ストレッチングセラピー」 Jari Ylinen著 医道の日本社
- 「骨格筋ハンドブック」原著第3版 野村嶬監訳 南江堂
- 「骨格筋系のキネシオロジー」原著第3版 Paul D. Andrew著 医歯薬出版
この記事を書いた人
小林素明 (城好きパーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。