荷物の持ち方で分かる!筋トレで成功する人、失敗する人
こんにちわ!
パーソナルトレーナーの小林素明です。
筋トレは、回数をこなしたり、ダンベルを持ち上げることは大切なことですが、もっと大切なことがあります。それは、トレーニングのフォームです。間違ったトレーニングフォームは、狙いとするトレーニングの効果は出ず、偏った筋肉の使い方となり、腰や膝の怪我につながります。
トレーニングフォームの良し悪しで、筋トレの効果の有無を変えてしまうほど重要です。
荷物を持つときには、とんでもなく腰に負担がかかっている
間違ったトレーニングフォームは、日常生活にも大きな影響を及ぼします。それは、荷物を持った時のギックリ腰。ギックリ腰は、荷物が重たかった、というよりも、荷物の持ち方が悪かった、ことが多いのです。
悪いフォームで荷物を持った場合、正しいフォームで荷物を持ったときに比べて、腰に1.6倍の負担がかかります。ただ1つ、フォームが違うだけなのですよ。悪いフォームは、背中が曲がっていることです。
ちなみに体重50kgの方が、12kgほど(体重の25%)の重さの荷物を持ち上げると、腰には200kgの負担がかかります。(第2腰椎)
腰には大きな負担がかかっていることが分かりますね。では間違ったトレーニングフォーム、失敗する筋トレを話します。
筋トレで失敗する荷物の持ち方
筋トレで失敗している方の荷物の持ち方は、背中が丸くなっている。そして、膝が伸びていることです。背中を丸める、膝が伸びていると腰を痛めると覚えておくと良いですね。
荷物を持つときに背中を丸めると、腰の背骨(腰椎)の前方に集中的に負担がかかります。このことによって、背骨の間にある椎間板(ついかんばん)が移動して、神経を圧迫してしまうことがあるのです。これを椎間板ヘルニアと言います。
この荷物を持っているときのフォームが習慣になっている場合、筋力トレーニングでも同じようなフォームになっています。ですから、筋トレをすればするほど、腰を痛めてしまうのです。
ここが筋トレの落とし穴です。
荷物の持ち上げ(デッドリフト)で使っている筋肉
荷物を持ち上げる動作(筋トレではデッドリフト)は、非常に多くの筋肉を使います。
脊柱起立筋群(腰~背中)、広背筋(背中)、腹筋、大臀筋(お尻)、大腿四頭筋(太もも表)、ハムストリングス(太もも裏)、腓腹筋(ふくらはぎ)という、体の中で大きな筋肉を使います。
それが、背中を曲げてしまう、膝を伸ばしたままですと、「太もも」や「お尻」の筋肉が使えずに腰の筋肉ばかりに負担がかかり、腰を痛めてしまうとことです。
筋トレ後、または翌日に「腰が痛くなる」場合、筋トレでのフォームが間違っている可能性があります。後に紹介する正しい筋トレフォームをしっかりと身につけてくださいね。
背中が丸くなった間違った筋トレフォームの功罪
背中を丸めながらの筋トレは、腰を痛めてしまうだけではありません。トレーニング中の「呼吸」も遮ってしまうのです。ですから、呼吸が苦しくなって、本当は15回できるのに、10回しかできないという功罪を生みます。
その理由です。
たとえば、足腰を鍛えるスクワットという筋トレがありますね。しゃがんで立ち上がる動作を繰り返します。
このスクワットをしているときに、背中が丸くなっていると、酸素を取り入れる「気道」(鼻から肺への呼吸器官)が狭くなり、呼吸がしにくい状態になるのです。反対に背筋を伸ばしておけば、気道は広がり酸素をたくさん体内に取り入れることができます。
成功する筋トレ!正しい荷物の持ち方
では、筋トレで成功する荷物の持ち方です。
1) お腹に力を入れてしっかりを背筋を伸ばす
2) 荷物を体の近くに寄せておく
3) 息を吸いながら、背筋を伸ばしたまま、膝を曲げ荷物に近づきます
4) 息を吐きながら、太もも、お尻、腹筋、背筋を使い荷物を持ち上げます
この一連の動作を漏れなく行うことです。
・フォーム
・呼吸
・筋肉の意識
この3つを同時に行えるようになると、筋力トレーニングでのフォームが飛躍的に良くなりますし、効果もアップし、関節の怪我が激減します。
筋トレで失敗する人、成功する人 まとめ
いかがでしたでしょうか? 筋力トレーニングのフォームは、日常生活でも習慣として現れるのです。スポーツ選手を見ると、「やっぱり、背筋がのびて良い姿勢してるわ〜」
と思いませんか? 正しいフォームを身につけている人は、普段の姿勢も良いのですね。
その典型例が、荷物の持ち方なのです。荷物の持ち方を見れば、腰を痛めやすいか?が瞬時にして分かってしまうほどです。
今日からは、荷物を持つときには、一呼吸を置いて、荷物を持つフォームを思い出してください。これだけでも、腰痛知らずの毎日が送れるはずです。
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この記事を書いた人
小林素明 (城好きパーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。