知らないと損をする!筋トレ成功の7つの法則
筋トレは、単に筋肉を鍛えれば良いというわけではありません。年齢や体力に合わせて鍛えることはもちろんのこと、全身をまんべんなく鍛えること、徐々に負荷を上げてくというトレーニング原則があります。
このトレーニング原則を知っておくことで、運動効果を高めるだけでなく、運動で起こる怪我を予防し、安全に運動ができます。では、トレーニングの原則の7つを紹介します。
その1 オーバーロードの原則(過負荷の原則)
トレーニングの効果を得るためには、一定の水準以上の負荷を筋肉に与えることが必要です。一定の水準以上とは何か?が気になりますね。これは、日常生活での筋力と関係があります。
歩く、家事をする、お風呂に入る、歯を磨くといった日常生活では、最大の筋力に対して20%の負荷がかかっていることが分かっています。トレーニングでは、日常生活以上の負荷を筋肉にかける必要がある、というのがオーバーロードの原則の1つです。
では、どのくらいの負荷をかければ良いのかと言いますと、最大筋力の40%以上が有効です。最大筋力の40%と言っても、イメージがつかないと思います。最大筋力の40%以上とは、40回以上の回数を反復できる運動です。負荷としては、比較的軽く感じることができます。
トレーニングを続けていると、筋肉が発達してきて筋力がつきます。その場合、もう1段階負荷(トレーニング強度)を上げて、トレーニングを継続していくことが、効果を持続させるコツなのです。
その2 漸進性の原則
トレーニングの強度を決定づける、「質」(重量)と「量」(回数)。このトレーニングの質と量は、徐々に徐々に高めていくことが必要である、というのが漸進性(ぜんしんせい)の原則といいます。
このトレーニングの強度の上げ方が重要になります。このやり方を間違えると、効果が出ないばかりか、腰や膝の関節を痛めるトレーニング障害を引き起こします。では、どのように強度をあげれば良いのか?を説明します。
トレーニングの強度は、「質」と「量」ですが、まずは「量」を上げることが先決です。
たとえば
・スクワット 10kg × 15回
↓ ↓
・スクワット 10kg × 20回
という具合に回数を増やして、トレーニング強度を高めます。そのトレーニングに慣れてくれば、次に「質」を高めます。
・スクワット 10kg × 20回
↓ ↓
・スクワット 11kg × 15回
回数を元の15回に戻し、重量を11kgに上げました。この上げる重量は、5〜10%のアップを目安にしてください。※重量によって異なりますのでご注意ください
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その3 全面性の原則
筋トレで筋力だけでなく、柔軟性、バランス力、敏捷性などの他の体力を養うことが必要である、というのが全面性の原則です。分かりやすい例で言いますと、筋力トレーニング後に何もしないと、筋肉が硬直(硬くなる)しやすくなります。その状態が続けば、関節の柔軟性が低下し、筋力トレーニングでの関節可動域が狭くなり、運動効果も半減します。
また、この全面性の原則では、一部の筋肉(腹筋だけ、太ももだけ)を鍛えるのではなく、全身の筋肉をまんべんなく鍛えることが必要である、という意味も込められています。筋肉をまんべんなく鍛えた方が、筋力アップ、姿勢の改善、腰痛の改善などの効果があります。
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その4 反復性の原則
トレーニングは1回行ったからといって、効果があるわけではありません。継続することでトレーニング効果が持続されます。そのトレーニングの継続は、まとめて一定の期間に行うのではなく、週1〜2回という適度な間隔(等間隔)で行うことが必要です。
この継続(反復)と、適度な間隔(頻度)を守ってトレーニングを行うことが、反復性の原則と言います。
その5 個別性の原則
トレーニングは、年齢や体力、性別、運動歴、運動目的などを考慮して、個別のトレーニング内容(メニュー)を立案する必要があります。この個別のトレーニング実践が、トレーニングの継続や効果を生み出します。
自分にピッタリ合ったトレーニング、これが必要になります。
その6 意識性の原則
筋トレのときには、「今は、どの筋肉を鍛えているのか?」「どんな目的で筋トレをしているのか?」を常に意識しながら行うことが大切です。筋トレのときに鍛えている筋肉を意識することで、筋肉だけでなく脳に伝達する神経も鍛えることができます。
この意識づけが、トレーニング効果を飛躍的に高めます。一流アスリートもトレーニングのときに取り組んでいる原則です。
その7 特異性の原則
トレーニングの内容は誰でも同じではありません。ゴール(目的)に合わせて、トレーニングの内容や方法を決定する必要があります。
例えば、サッカーの選手が、バレーボールの練習を毎日しても効果がないような気がしますね。これと同じで、目的に合った筋力トレーニング方法、内容でないとトレーニング効果は得られません。
肩こり解消法なら、肩こりの原因となる筋肉(僧帽筋、菱形筋など)をストレッチでほぐし、鍛える。腰痛解消なら、腰痛の原因となっている骨盤周りの筋肉をほぐし、鍛えるといったトレーニング内容になります。
7つのトレーニングの原則 まとめ
トレーニングの原則はいかがでしたでしょうか? トレーニング効果が出なくなった、関節の痛みが続いている、というときは、7つのトレーニングの原則を見直すことをお勧めします。
トレーニングは基本に忠実であることが一番です。あのイチロー選手も、バット磨く、グローブを磨くという当たり前のことを続けているのですから。
この記事を書いた人

小林素明
創業13年のパーソナルトレーニングどこでもフィット代表(大阪市阿倍野区)
健康運動指導士/介護予防運動トレーナー
運動指導歴30年超、テレビ出演多数、1万人超のパーソナルトレーニング指導実績、YouTubeチャンネルは登録者数1万人超。ハワイ州立大学医学部の人体解剖学実習に参加、医療機関との連携も図り、安全かつ効果的なトレーニング法を研究。
フィットネスクラブ、温浴施設に17年間勤務後、起業。「加齢に負けない筋肉づくり」「日常生活やスポーツの動作改善、パフォーマンスアップ」を得意とし、80歳代の方までの自重トレーニング指導。病院をはじめとする医療機関、教育機関、不動産会社などで講演・講師活動。パーソナルトレーナー指導者養成講座の講師も務める。
【テレビ出演】 毎日放送「ちちんぷいぷい」/朝日放送テレビ「キャスト-CAST-」/読売テレビ「ten.」/テレビ朝日「ナニコレ珍百景」/読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」/サンテレビ「4時!キャッチ」他
【講演・講師】 一般財団法人関西労働保健協会/経済産業省ヘルスケアサービス社会実践事業「医療運動マッチング対応トレーナー育成講習会」/徳島県教育委員会 /箕面市立病院/日本臨床運動療法学会(第36回)/ファインレジデンス枚方香里園(京阪電鉄不動産)特別講師/SSK /八尾市教育委員会/岸和田市民病院/南河内環境局組合 他多数 (敬称略)