ロコモ予防運動、パーソナルトレーナーが教える自宅でできるロコモ対策の筋トレ法
大阪のパーソナルトレーナーの小林素明です。
ロコモとは、体を動かすときに必要となる「骨や筋肉、関節」などの機能に問題が起こり、進行すると自力歩行が難しくなり要介護になる危険性が高くなる状態のことを言います。歩く速度が遅くなる、階段で手すりが必要など、日常生活に支障が出てきます。人生100年時代の今、知っておくべき対策法となります。
自分はまだ若い、大丈夫と思っていても、ロコモに近い状態であったり、ロコモになっていたりするケースもありますので、この機会にロコモセルフチェックで確認してみませんか? ロコモ対策に必要な3つの運動法も紹介していますよ。
※ロコモは2007年に日本整形外科学会が提唱、正式名はロコモティブシンドローム
ロコモってどんな特徴があるの?
ロコモの特徴を表す7つのチェック項目があります。1つでも該当する場合には、ロコモに該当します。
- 家の中でつまずいたり、すべったりすることがある
- 階段を上がるときは手すりが必要である
- 15分間続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 片足立ちで靴下を履くことができない
- 重さ2kg程度の荷物を持つのが困難である
- 布団の上げ下ろし、掃除機の使用が困難である
参考)日本整形外科学会ホームページより
ロコモになりやすい年齢とは?
運動器(筋肉、骨、関節など)の入院手術を受けた人数が、「50歳から急激に増えて、70歳代でピークを迎える」ことから、50歳を過ぎたあたりからロコモになりやすい年齢と推測されます。
最近では、コロナウイルスの流行による外出自粛で運動不足になり、年齢問わず筋肉や関節の運動器低下の危険性が高くなっています。
ロコモ度セルフチェック
では、ロコモ度合いを調べる「立ち上がりテスト」を行ってみましょう。無理をしないようにしてくださいね。まずは両足立ちテストからスタートしてください。
立ち上がりテスト【両足立ち】
立ち上がりテスト【強度高い 片足立ち】
- ロコモ度【3】「両足」で30cmの高さから立ち上がれない
- ロコモ度【2】「両足」で20cmの高さから立ち上がれない(30cmの高さは可能)
- ロコモ度【1】「片足」で40cmの高さから立ち上がれない(左右どちらかでも) ※3秒間静止が必須
ロコモ度チェックの判定
ロコモ度【3】
外出などの社会活動に支障をきたしている可能性が高いです。自立歩行に支障をきたしている場合には、整形外科での受診もお勧めします。
ロコモ度【2】
運動器の機能低下が進行している状態です。自立歩行に支障をきたすことが考えられますので、運動器に痛みがある場合には医療機関でご相談されることをお勧めします。
ロコモ度【1】
運動器の機能低下が始まっています。ロコモにならないための運動やバランスの良い食事(タンパク質など)が必要です。
ロコモ度チェックには、歩幅(大股2歩)を身長で割る2ステップテスト、25項目の質問に答える「ロコモ25」があります。
ロコモを防ぐために必要なこと
運動器(筋肉、骨、関節など)は、特別な器具は必要なく「体を動かす習慣を身につけておくこと」で、運動器の機能を維持することができます。運動習慣が身に付いているほど、体力は維持されることが分かっています。(スポーツ庁 体力・運動能力調査) ただし運動は、体力に合った適切な強度で行う必要があります。
ロコモを防ぐために鍛えておきたい筋肉とは?
ロコモ予防には移動に必要であり、衰えが著しい筋肉が、集中している下半身の筋肉を鍛える必要があります。代表的な筋肉を紹介します。
ロコモ予防で鍛えておきたい代表的な筋肉
では、自宅でもロコモ予防ができる3つの運動法を紹介します。
ロコモ予防、自立歩行、健脚!筋力トレーニングプログラム
では、ここからはロコモ予防のための筋力トレーニングを紹介します。紹介するプログラムは、生涯の自力歩行、関節疾患の予防、要介護にならないためのロコモ予防トレーニングです。無理をせずにできる範囲で行ってください。
※関節の痛み、疾患、運動に不安な方は必ず医師の許可をもらってから行ってください
ロコモ予防運動 スクワット運動
鍛える筋肉: お尻(大臀筋)、太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)など
運動方法:
1)テーブルに両手を添えて、背中を伸ばします
2)息を吸いながら、ゆっくりとしゃがみます
3)息を吐きながら、ゆっくりと元の位置に戻ります
回数:10〜15回
注意:膝が前方へ出ないようにします
ステップアップ: 慣れてくれば、両手を前方へ伸ばし行ってみましょう
ロコモ予防運動 片足立ちトレーニング
運動方法:
1)壁や椅子に手を添えます
2)ゆっくりと片足立ちになります
3)自然呼吸で10秒間静止します
時間:10秒間
注意:体のバランスが崩れたら中断し、元の位置に戻ってください
ステップアップ:
慣れてくれば、壁から手を離し行ってみましょう!
ロコモ予防運動 ランジトレーニング
鍛える筋肉: お尻(大臀筋)、太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)など
運動方法:
1)壁に手を添えます
2)足を前後に開きます(背中を伸ばします)
3)息を吸いながら、ゆっくりとお尻を下げます
4)息を吐きながら、ゆっくりとお尻を上げます
5)繰り返します。
6)左右の足を入れ替えて、1)〜4)を行います
回数:10〜15回
注意:膝が前方へ出ないようにします
ステップアップ:
慣れてくれば、両手を腰に当てて行ってみましょう
動画で学ぶ!ロコモ予防運動法 3つの筋トレ法
人生100年時代に欠かせない「ロコモ予防対策」 まとめ
いかがでしたでしょうか? 筋肉は50代くらいを境に急激に衰えますので、40代から筋肉を衰えさせない運動を習慣にしておくことが転ばぬ先の杖となります。きつく激しい運動は体を痛めるだけでなく、運動を続けるモチベーションを保つことができません。そのためには、体力に合わせた運動が必要です。
運動の強さは「少しきつい」と感じるくらいの運動がおすすめです。ぎりぎり限界よりも、少し余裕を持った筋力トレーニングや有酸素運動を心がけましょう!運動習慣が身につけば、筋力の衰えも緩やかになり、若々しい姿勢も維持できることでしょう!
この記事を書いた人
小林素明
健康運動指導士 米国ハワイ州立大学医学部人体解剖学実習修了 介護予防運動トレーナー マッスルコンディショナー 日本臨床運動療法学会会員
【経歴】 運動指導歴30年超、テレビ出演多数、延べ1万人超のパーソナルトレーニング指導実績、YouTube登録者数1万人超。医療機関との連携も図り、安全かつ効果的なトレーニング法を研究。
フィットネスクラブ、温浴施設に17年間勤務後、株式会社ウェルネス&スマイルを起業。大阪市阿倍野区にパーソナルトレーニングどこでもフィットを開業し、「加齢に負けない筋肉づくり」「日常生活・スポーツ動作のパフォーマンスアップ」を得意とし、80歳代の方までトレーニング指導にあたる。病院をはじめとする医療機関、教育機関、不動産会社などで講演・講師活動。パーソナルトレーナー指導者養成講座の講師も務める。
【テレビ出演】 毎日放送「ちちんぷいぷい」/朝日放送テレビ「キャスト-CAST-」/読売テレビ「ten.」/テレビ朝日「ナニコレ珍百景」/読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」/サンテレビ「4時!キャッチ」他
【講演・講師実績】 一般財団法人関西労働保健協会/経済産業省ヘルスケアサービス社会実践事業「医療運動マッチング対応トレーナー育成講習会」/徳島県教育委員会 /箕面市立病院/日本臨床運動療法学会(第36回)/ファインレジデンス枚方香里園(京阪電鉄不動産)特別講師/SSK /八尾市教育委員会/岸和田市民病院/南河内環境局組合 他多数 (敬称略)