柔軟ストレッチ体操、5つのメリットと5つのルール
柔軟ストレッチ体操は、今やどんな書籍や雑誌にも載っている健康になれる方法として、広く知れ渡っています。
しかし、柔軟ストレッチ体操のやり方は知っているけど、どんな効果があるのか?というのは、知ってるようで知られていないようです。
では、健康、スポーツに欠かせない柔軟ストレッチ体操にはどんなメリットがあるのでしょうか?
関節の柔軟性がアップする
柔軟ストレッチ体操は、1つもしくは複数の関節を伸ばすことができます。この柔軟ストレッチを習慣的に行えば、伸ばした関節の柔軟性が養うことができます。
関節の柔軟性アップは、関節をスムーズに動かすことができますので、歩きやすくなる、階段が登りやすくなる、疲れにくくなるという効果が実感できます。
スポーツでは、素速く動くことができる、高くジャンプすることができる、粘りが出てくるという効果が期待できます。
精神的な緊張を緩めて集中力を高めることができる
柔軟ストレッチ体操を行うと、体にリラックスを促す副交感神経が優位になります。このことで、質の高い睡眠ができたり、仕事などでは集中力を高めることができます。
また、飛行機、新幹線などの長時間の移動中に柔軟ストレッチ体操を行うと、腰痛の予防、疲労の回復ができます。
さらに、長時間の車の運転では、かなりの緊張を強いられますので、精神的な疲労が蓄積されています。1時間おきの柔軟ストレッチ体操で、運転中の疲労軽減と集中力アップができます。
良い姿勢を保つことができる
丸まった肩(猫背姿勢)は、胸の筋肉が硬くなっています。この胸の筋肉を柔軟ストレッチ体操をすることで、硬くなった胸の筋肉を伸ばすことができ、姿勢がリセットされます。
この柔軟ストレッチを繰り返し行えば、良い姿勢を体が覚えますので、自然に良い姿勢が保つことができるのです。
柔軟ストレッチ体操は「筋肉の緊張を和らげる」
私たちの生活は進歩するとともに幾つかの弊害を生み出しています。それは局所的な肉体ストレス、運動不足です。
局所的な肉体ストレスとは、パソコンやスマートフォンの作業に代表されるように「手先」「腕」ばかりを使う動作ばかりが増えてしまったことです。その結果、腕の筋肉が緊張して疲労を起こし、肩や首にも疲労が蓄積されます。これが、肩こり、首こりの原因を作っています。
それと、運動不足による血行不良も重なり、ますます筋肉の血流循環が悪くなっているのです。
この緊張した筋肉を柔軟ストレッチ体操で伸ばすと、大脳が「気持ちいい」と感じることができます。その脳が感じた気持ち良さが、筋肉に指令として伝達されて、筋肉の緊張が緩むというメカニズムが働きます。(フィードバック機能)
脳は、筋肉に力を入れるだけの指令ではなく、リラックスしなさいという指令も伝達することができるのです。このことにより、筋肉は緊張から解放されます。
正しい呼吸を伴った柔軟ストレッチ体操は、筋肉の緊張を緩和させることができます。
その日の体調を把握することができる
柔軟ストレッチ体操を行うことで、その日の体調を把握することができます。例えば、太ももの裏側を伸ばすストレッチを行っている時「今日は筋肉が張っているな。気をつけないと」というその日のコンディションが分かります。
このことは大変重要です。
なぜならば、筋肉が緊張して関節も十分に動いていない時に、怪我が起こりやすいからです。特に腰に起こっている場合には、ぎっくり腰になります。
一流のアスリートはこのことをよく知っていて、陸上競技の短距離では、太もも裏のハムストリングスの筋肉が張っている時には、レースを欠場することが多いです。(2016年のジャマイカのオリンピック代表選考会で棄権したボルト選手が有名)
体調に合わせた行動をとることで、事前に怪我を防止できます。その防止策が、日々のストレッチ体操で分かります。
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柔軟ストレッチ体操の5つのルール
柔軟ストレッチ体操には、幾つかのルールがあります。このルールを守って行うことで、安全かつ効果的な柔軟ストレッチ体操が遂行できます。
1 自然呼吸を行います
柔軟ストレッチ体操では、呼吸を止めてしまうと逆効果になります。なぜならば、呼吸を止めてしまうと筋肉が硬くなってしまうからです。
筋肉を伸ばすには、呼吸をしっかりと行って、筋肉への緊張をほぐす必要があります。
呼吸は、鼻から息を吸って(3秒間)、口から息を吐く(3秒間)を行ってください。慣れてきたら、吐く時間を2倍の6秒間にするとさらに効果的です。
2 痛みのない範囲で行います
痛みを感じながらの柔軟ストレッチ体操は逆効果。脳が「痛み」を感じると、筋肉は緊張して縮こまる指令を出します。これも先ほどの呼吸と同じで、筋肉が硬くなってしまいます。
心地よく筋肉が伸びるところで静止することがコツです。
そうすれば筋肉が気持ち良く伸びて、柔軟性の向上に大きく貢献します。
3 伸ばしている筋肉を意識しましょう
どこの筋肉が伸びているのかを確かめてから、柔軟ストレッチ体操を行うと効果的です。なぜならば、どこが伸びているか分からないと、正しいフォームがマスター出来ないからです。
「今は、肩を伸ばしている」という意識で、ストレッチ体操を行います。
4 1ポーズに20〜30秒間の静止をしましょう
ストレッチ体操の効果は、筋肉を伸ばしている時間も重要です。少なくとも1ポーズに20秒間は静止することです。
はじめのうちは、時計を見ながら20秒間に慣れることをお勧めします。慣れてきたら、1ポーズに30秒間の柔軟ストレッチ体操を行うようにすると、さらに効果がアップします。
5 筋肉が伸びている気持ち良さを感じましょう
柔軟ストレッチは、筋肉が心地よく伸びていることを感じることも大切です。この筋肉が伸びている気持ち良さは、体全体にも広がる効果があります。
柔軟ストレッチ体操のまとめ
いかがでしたでしょうか? 柔軟ストレッチ体操には、体を柔らかくするだけでなく、筋肉の緊張を和らげ血行促進します。
そのことで、柔軟性の向上、腰痛や肩こりの予防、精神的なストレス解消、姿勢の改善などの効果が期待できます。
ただし、柔軟ストレッチ体操の方法が大切です。伸ばしている筋肉を意識して、呼吸をしっかりと行い、30秒間を目安に気持ち良く筋肉を伸ばすということです。
柔軟ストレッチ体操は、習慣化するとますます効果がアップします。お風呂上がり、寝る前がお勧めです。
この記事を書いた人
小林素明 (城好きパーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。