転がして腰や肩の疲労を取る!フォームローラーの使い方、疲労回復マニュアル【保存版】
パーソナルトレーナーの小林素明です。
ストレッチ体操をしているけど、なかなか腰や肩のコリが改善されない。とお悩みの方にオススメしたいのがフォームローラーを使った筋肉ほぐし(筋肉リリース)です。
フォームローラーは、デスクワーク、スマホ作業、車の運転などの繰り返しの日常動作や姿勢不良によって起こる腰や肩、背中のコリや張りをほぐして緩和するリラクゼーション器具です。
フォームローラーは筒状で軽いですから、どこでも持ち運びができることが特徴で、コリや痛みのある部分に自分のペースでゆっくりと体に合わせて転がすことで、柔軟性を向上し症状を改善することができます。
フォームローラーは、水泳の金メダリストの北島康介選手、フィギアスケートの浅田真央選手など一流スポーツ選手にも愛用され、筋肉の疲労回復、柔軟性の向上に役立つことで広く知られています。
なぜフォームローラーは腰や肩こり、背中こりの症状を改善するのか?
長時間の車の運転、デスクワーク、立ちっぱなしで、筋肉が硬くなって(柔軟性がなくなる)、肩や腰の筋肉が張ります。この時、筋肉と筋肉を覆っている筋膜(正式には組織膜)が、くっついたり、からまったりして癒着が起こっています。
例えるなら、筋膜というのは全身タイツ、そのタイツの一部がグッと引っ張られると体が動きにくくなりますね。酷使され疲労が起こっている筋肉は、この状態が起こっているのです。
実際に僕は、ハワイ大学での解剖実習でこの筋膜(組織膜)に直接触れることができましたが、薄いですがとっても強い膜で簡単には破けない感じです。
肩や腰の張りの症状を改善するには、原因となる筋肉と筋膜の癒着を引き剥がすこと、引き離すことが効果的です。
今までは筋肉と筋膜の癒着の改善には、特別に訓練されたセラピストの手技が必要でした。しかし、絶妙なローラーの硬さや凹凸が、セラピストの手技の代用となる「自分でできる筋膜リリース」としてフォームローラーが登場しました。
誰でも簡単にどこでも、自分のペースで筋膜にアプローチできるフォームローラーは、一気に世界中に広まりました。
フォームローラーで筋膜リリースするときの注意点とは?
フォームローラーはどんな方法でも良いわけではありません。体に効いた感じが良いのでは?と思うかも知れませんが、そうではありません。
強さ: 痛みのない範囲、気持ち良さを感じる程度
時間: 1つの部位に1分間程度
動作: ゆっくり、のびのびと転がす
初めてフォームローラーを使われる方へ フォームローラー入門
フォームローラーを体に当てますと、気持ち良さを超えて痛みを感じることがあります。これは筋肉と筋膜(組織膜)の癒着のポイントである、トリガーポイントと言われる場所です。※このポイントをほぐすことで、凝りや張りが緩和されます。
この場合、無理にフォームローラーを動かすのではなく、フォームローラーを固定したまま体を動かずに静止しておきましょう。
また、フローリングなどの硬い床の上では、体に当たる圧が高くなり痛みが増強します。必ず、ストレッチマットやヨガマットなど、衝撃を吸収できるものを敷き、その上にフォームローラーを置いてください。
このように、フォームローラーの使用の際には、体に痛みを感じないことが大切です。どうしても、痛くて耐えられない場合は、フォームローラーは中止してください。
では、ここからフォームローラーの使い方を説明します。
腰痛予防、デスクワーク疲れ解消!中臀筋(お尻の横)ほぐし、フォームローラーの使い方
お尻の横(中臀筋)の筋膜リリースはこんな方に効果的です
- 長時間のデスクワークが多い方
- 姿勢改善をしたい方
- 腰痛の予防をしたい方
- 骨盤の調整をしたい方
- 歩き姿勢を改善したい方
フォームローラーの使い方/中臀筋(お尻の横)のほぐし
1) 肘をついて横向きになり、足を伸ばしておきます
2) フォームローラーをお尻の横(中臀筋)に当てます ※イラストの赤い部分
3) 上になっている足をまたぎます。
4) ゆっくりとお尻を横断するように動かします
5) 自然呼吸で10往復を行います ※慣れてきたら、最大1分間実施します
6) 反対側も同様に行います
<注意点>
自然呼吸を行い、痛みのない範囲で行いましょう。
動画でフォームローラー/中臀筋(お尻の横)のほぐしを学びましょう!
歩き疲れ解消、膝痛予防!大腿四頭筋(太もも前面)ほぐし、フォームローラーの使い方
大腿四頭筋(太もも前面)ほぐしはこんな時に効果的です
- 膝痛の予防をしたい方
- 太ももの筋肉の疲労回復をしたい方
- 膝の柔軟性をアップしたい方
- 歩き疲れ予防をしたい方
フォームローラーの使い方/大腿四頭筋(太もも前面)ほぐし
1) うつ伏せになり、両肘を床につけます。
2) 片側の太もも前面にフォームローラーを当てます ※イラストの赤い部分
3) フォームローラーが太もも前面を横断するように、体を上下にゆっくり動かします
4) 自然呼吸で10往復を行います ※慣れてきたら、最大1分間実施します
5) 反対側の足も同様に行います
<注意点>
自然呼吸を行い、痛みのない範囲で行いましょう。
動画でフォームローラー/大腿四頭筋(太もも前面)のほぐしを学びましょう!
むくみ改善、足首の疲れ解消!ふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)の筋肉ほぐし、フォームローラーの使い方
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)ほぐしはこんな時に効果的です
- 歩き疲れを解消したい方
- ふくらはぎのむくみを改善したい方
- ふくらはぎの血行促進をしたい方
- 足首の痛み予防をしたい方
フォームローラーの使い方/ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)ほぐし
1) 床に座り、片側の足を伸ばして、ふくらはぎをフォームローラーを当てます ※イラストの赤い部分
2) フォームローラーがふくらはぎを横断するよう、前後に体を動かします
3) 自然呼吸で10往復を行います ※慣れてきたら、最大1分間実施します
4) 反対側も同様に行います
<注意点>
自然呼吸を行い、痛みのない範囲で行いましょう。
動画でフォームローラー/ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)のほぐしを学びましょう!
猫背解消、肩こり解消!背骨(胸椎)まわりの筋肉ほぐし、フォームローラーの使い方
背骨(胸椎)まわりの筋肉ほぐしはこんな時に効果的です
- 猫背解消(姿勢改善)を目指したいかた
- デスクワーク中心の方
- ストレスを解消したい方
- 腰痛を予防したい方
フォームローラーの使い方/背骨(胸椎)まわりの筋肉ほぐし
1) 床に座り、両足を曲げて、背中(中部)にフォームローラーを当てます ※イラストの赤い部分
2) フォームローラーが背中の中部から上部を横断するよう、前後に体を動かします
3) 自然呼吸で10往復を行います ※慣れてきたら、最大1分間実施します
4) 反対側も同様に行います
<注意点>
自然呼吸を行い、痛みのない範囲で行いましょう。
動画でフォームローラー/背骨(胸椎)のほぐしを学びましょう!
腰痛予防、座り疲れ!ハムストリングス(太もも裏)の筋肉ほぐし、フォームローラーの使い方
ハムストリングス(太もも裏)の筋肉ほぐしはこんな方に効果的です
- 腰痛の予防をしたい方
- デスクワーク中心の方
- 体を柔軟にしたい方
- 姿勢の改善をしたい方
フォームローラーの使い方/ハムストリングス(太もも裏)の筋肉ほぐし
1) 床に座り、片足を伸ばし、太ももの裏側にフォームローラーを当てます ※イラストの赤い部分
2) フォームローラーが太ももの裏を横断するよう、前後に体を動かします
3) 自然呼吸で10往復を行います ※慣れてきたら、最大1分間実施します
4) 反対側も同様に行います
<注意点>
自然呼吸を行い、痛みのない範囲で行いましょう。
動画でフォームローラー/ハムストリングス(太もも裏)のほぐしを学びましょう!
フォームローラーを使った筋肉の張り緩和、筋肉リリースのまとめ
いかがでしたでしょうか? やってみると分かるのですが、「えっ、ここの筋肉が張っているの?」と自覚のなかった意外な場所の筋肉が張っていることがあります。
これは、筋肉の張りを感じていた場所と、フォームローラーで筋肉の張りは感じた場所は、筋膜という筋肉の膜を通じて関連性があります。
その証拠にフォームローラーで、腰や肩以外の部分をほぐしてあげると、腰こりや肩こりが緩和された!ということが度々あります。
はじめは、フォームローラーの使い方を学んでいただき、慣れてくれば「気持ちがいい場所(部位)」を中心にリリースするという効率的な方法へとステップアップもできます。また、体重移動を巧みに使って、筋肉への圧のかけ方を変えてみることもできます。その際にも、「痛みよりも、気持ち良さを優先」して筋肉への圧に変化をつけてください。
また繰り返しになりますが、フォームローラーは1つの部位に対して、最大1分間のルールを守って行なってください。やりすぎ、痛みを感じながらのフォームローラーは逆効果になることもあります。
【参考】オススメのフォームローラー(トリガーポイント)はこちらになります。
The GRID Foam Roller グリッドフォームローラーオレンジ【並行輸入品】
この記事を書いた人
小林素明 (城好きパーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。