筋トレ初心者が陥りやすい罠「速い動作は危険?正しいテンポで安全に鍛える方法」

パーソナルトレーナーの小林素明です。筋トレ中に、動きがついつい速くなってしまうことはありませんか?
実は、動作が速くなると筋トレの効果を十分に引き出せないだけでなく、関節に負担をかけてしまうことがあります。その結果、肩や腰、膝に痛みを感じる原因になることも。これでは健康のための筋トレが逆効果になりかねません。
今回の記事では、なぜ筋トレの動作が速くなりがちなのか? その理由と、正しいテンポで安全に効果を高める方法を、専門家の視点で分かりやすく解説します。
筋トレの動作が速くなるのはなぜ危険なの?


筋トレ中に動作が速くなると、フォームが崩れやすくなります。例えば、スクワットで腰や膝がグラつき、不安定になることがあります。代表例は、しゃがんだときに膝が内側に入るニーインです。
一見、しっかりトレーニングをしたように感じるかもしれませんが、専門家の目には「怪我のリスクが高い状態」と映ります。特に腰や膝が不安定になると、関節が捻られやすくなり、筋肉で保護されていない状態が生じます。
その結果、靭帯や骨に直接負荷がかかり、膝の靭帯損傷など大きな怪我につながる恐れがあります。
「バーベルを使わない自体重トレーニングなら大丈夫?」と思う方もいるでしょう。しかし、動作が速ければ、自体重だけでも怪我のリスクは高まります。重さに関係なく、速い動きは関節や筋肉に不必要な負担をかける可能性があるのです。
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また、速い動きの筋トレは、関節の可動範囲を狭め、鍛えたい部分に十分な負荷がかかりません。それがゆえにせっかくの筋トレの効果を下げてしまうことになります。
このように筋トレを安全に、そして効果的に行うためには、動作のスピードにも注意を払う必要があります。
動作が速くなってしまう原因を知ろう

筋トレ中に動作が速くなってしまう理由は、初心者や自己流トレーニングをしている人に特に多く見られます。主な原因は、運動の強度が高すぎることや、疲労しているのに回数を優先してしまうことです。
例えば、ダンベルやバーベルを使ったウェイトトレーニングでは、負荷が自分の限界を超えると、動きをコントロールする余裕がなくなります。この場合は、重量の見直しが必要です。
自体重トレーニングでも同じことが起こります。腕立て伏せを例に挙げます。体をつま先と両手で支えながら胸を床に近づけて戻る動作は、見た目以上に強度が高い種目です。体を安定させる力が足りないと、動作が速くなり、フォームが崩れてしまいます。
さらに、疲労がたまっている状態では正しいフォームを維持するのが難しくなります。結果として、関節を十分に動かさなくなり、動作がどんどん速くなるのです。
筋トレを安全で効果的に行うためには、動作が速くなる原因を理解し、それに対処することが大切です。
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腕立て伏せは、通常、体重の約65%の負荷がかかります。体重が60kgの場合、これは仰向けに寝て行うベンチプレスで40kgを持ち上げるのとほぼ同じ負担です。入門者向けの筋トレとしては、意外にもかなり高い運動強度を持っています。
そのため、正しいフォームで腕立て伏せを行うのは難易度が高いのです。特に初心者の方は、最初はうまくフォームを維持できないことが多いです。
フォームを守るためには、膝をついて負荷を軽くしたり、台を使って高さを調整することで、負担を減らす方法があります。
筋トレ効果を最大化するために必要な「正しいテンポ」とは
筋トレで効果を最大化するためには、動作のテンポがとても重要です。例えば、スクワットの場合、2秒かけてしゃがみ、2秒かけて立ち上がる一定のペースで行うと、筋肉を効率的に鍛えることができ、怪我のリスクも減らせます。
しかし、特に初心者の方は、運動中に「筋肉をどう鍛えるか」や「フォーム」に意識が集中しすぎて、テンポが速くなってしまうことがよくあります。そのため、どこでもフィットでは、動作が速くなったら一度中断し、正しいテンポに戻すようサポートしています。
自分でテンポを守りやすくするためには、回数を数えながら行う方法が効果的です。例えば、スクワットでしゃがむときに「いーち、にーい」と声に出して数えることで、自然と適切なペースを保つことができます。「いち、に」ではテンポが速くなります。
スクワットの場合、
- 「いーち、にーい」でしゃがみ
- 「いーち、にーい」で立ち上がる
この方法を繰り返すことで、徐々に正しいテンポが体に染みついていきます。慣れてくれば、数をカウントしなくても自然に適切なペースで動けるようになりますよ。
筋肉の成長に必要な“伸ばしながら力を入れる”動作とは?

しゃがむとき、筋肉は伸ばされながら力を入れる「エキセントリック収縮」を行います。このエキセントリック収縮が、筋肉の成長に大きく関わっています。もししゃがむ動作が速すぎると、この重要な収縮の効果が十分に得られず、筋トレの効果を損ねてしまう可能性があります。
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まとめ「安全で効果的な筋トレを続けるためのポイント」
筋トレを続ける上で大切なことは、動作の速さを意識し、正しいフォームとテンポで行うことです。闇雲にトレーニングをしていると、動作が速くなり、逆に効果が薄くなってしまうことがあります。]
もし、筋トレをしているのに効果を実感できない、または膝や腰に痛みを感じることがあれば、まずは自分の動作のテンポを見直してみましょう。
正しいフォームとテンポで筋トレを行うことで、筋肉の成長が効率よく進み、関節を守りながら安全にトレーニングを続けられます。
最初は、スクワットなどの基本的なトレーニングを行う際に、2秒間かけて動作を行いながらカウントしてみてください。これだけで、筋肉への負荷が適切にかかり、怪我を防ぎながら効率的に鍛えることができます。
少しの意識の違いで、筋トレの効果は大きく変わります。今のトレーニング方法を見直して、安全かつ効果的に進めていきましょう。
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この記事を書いた人


小林素明 (お城好きフィットネストレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten.」などに出演し、専門的でわかりやすい解説が好評のフィットネストレーナー。
健康運動指導士の有資格者であり、指導歴は30年以上。2010年に大阪市でパーソナルフィットネスジム「どこでもフィット」を開業し、これまでに延べ1万回以上のパーソナルトレーニングを実施。特に50代以上の「加齢に負けない体づくり」に定評がある。
医療機関と連携した安全性の高い運動指導、企業・団体向けの腰痛予防や健康経営に関する講演も数多く行い、受講者の98%から「わかりやすい」と高い評価を得ている。
趣味は城巡り、鉄道とグルメの旅、スポーツ観戦、80~90年代のプロレス、書店めぐり、そして焼肉。身体づくりも人生も、楽しみながら続けることを大切にしている。
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