【初心者向け】簡単に試せる筋力チェック方法
大阪のフィットネストレーナー・小林素明です。
「最近、筋力が落ちてきた気がする」「腹筋なんて全然ない・・・」、あなたも感じたことはありませんか?筋力は30代から徐々に低下し始め、50代を過ぎるとそのスピードはさらに加速します。ただし、筋力の低下には個人差があり、全身が均一に弱るわけではありません。特に下半身の筋力は、上半身に比べて落ちやすい特徴があります。
また、スポーツをしている人でも筋力バランスが取れているとは限りません。バランスが崩れると、特定の部位に負担が集中し、腰痛や膝の痛みにつながることも。
例えば、中臀筋(お尻の横の筋肉)が弱くなると、テニスでは体が左右に揺れやすくなり、ゴルフではスイングが安定しない原因になることがあります。
そこで今回は、健康維持だけでなく、スポーツを楽しむ方にも役立つ「筋力チェック法」をご紹介します。この方法は、会社の定期健康診断ではチェックできないポイントにフォーカスしています。
運動初心者でも安心して取り組める内容ですので、ぜひ一緒に筋力をチェックしてみましょう。次に進む前に、筋力チェックの注意点について確認しておきましょう。
筋力チェックを行う際の注意点
筋力チェックは、自分の体の状態を知るための方法です。他の人と競争するものではありません。自分が無理なくできる範囲で行いましょう。
無理に力を入れたり、反動を使って動作を行うと、関節を痛めるリスクがあります。また、血圧が急に上がることもあるため注意が必要です。特に血圧が気になる方は、テストを始める前に血圧を測って確認しておきましょう。
さらに、筋力チェックを安全に行うために、必ず準備運動を行ってください。体を温めておくことで、ケガの予防につながります。
安心して効果的な筋力チェックを行うために、無理をせず、ゆっくりと取り組んでましょう。
1 脚力テスト
筋力が不足しています
やり方: 椅子に浅く腰掛けます。膝の角度が70度くらいになるようにします。両手を前で組み、片足を伸ばします。片足で椅子から立ち上がります。反対側の脚も同様に行います。
評価法: 立ち上がった後、5秒間静止できると適正な脚力です。(日常生活で困らない、ジョギングができる)
筋力不足: 片脚で立ち上がることができない。立ち上がった後、5秒間静止できない。足がふらつく、両手が体から離れる場合は、筋力不足となります。
筋力が不足している場合
筋力が不足してる筋肉は、主に太もも前面の大腿四頭筋の筋力です。立ち上がりの際、体が前後左右に揺れる場合には、お尻の大臀筋や中臀筋の筋力が不足していると考えられます。
大腿四頭筋が弱ると、歩行や階段の上り下りが負担になりやすくなります。また、膝に過度な負担がかかり、膝痛を引き起こすこともあります。この状態が続くと、身体機能の低下を意味する「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」のリスクが高まり、最悪の場合、介護が必要になる可能性もあります。
これを防ぐためには、早めの対策が鍵になります。下半身を強化するトレーニングが効果的です。
例えば、
これらのエクササイズを習慣にすることで、筋力不足を補い、動作の安定性を向上させることができます。
2 腿上げテスト
筋力が不足しています
やり方: 両手を腰に当てて、まっすぐに立ちます。ゆっくりと片脚をあげて、片足立ちになります。太ももが床と並行になった時点で、5秒間静止します。反対側も同様に行います。
評価法: 腿上げをした後、5秒間静止できると適正な脚力です。
筋力不足: 腿をあげる高さが低い。体が後方や横に傾いたり、足元が動くと筋力不足になります。体が横に傾く場合は中臀筋、後方へ傾く場合は大臀筋の弱さが考えられます。
筋力が不足している場合
このテストでは、主にお尻の中臀筋の筋力がわかります。中臀筋が弱いと、階段を上る際に体が左右に揺れやすくなり、転倒のリスクが高まります。また、腰痛の原因にもなりやすいため、早めの対策が必要です。
テニス、野球、ゴルフなど体を左右に使うスポーツでは、中臀筋が弱いと体が安定せず、正しいフォームを維持するのが難しくなります。この結果、膝や腰に負担がかかり、ケガにつながることがあります。
早めの対策として
中臀筋は日常生活では意識しづらい筋肉ですが、特定のトレーニングで効果的に鍛えることができます。以下のエクササイズを試してみてください。
これらの運動は簡単に取り組め、継続することで筋力がつき、動作が安定します。
中臀筋を鍛えることは、日常動作をスムーズにし、スポーツのパフォーマンスを向上させる重要な鍵です。筋力不足を感じる方は、今日から簡単なエクササイズを始めてみましょう。継続することで、体の安定性を高め、自信を持って生活を楽しめるようになりますよ。
3 腹筋テスト【ストレート】
腹筋テストは3段階あります。3段階を達成すると適正な筋力となります。
第1段階「膝曲げ・上体起こし」
両膝を曲げ、仰向けになります。両手は体の横に添えておきます。腕には力を入れず、上体を起こします。背中が床から浮かせることができれば、第2段階へ進みます。
第2段階「膝伸ばし・上体起こし」
両膝を伸ばし、仰向けになります。両手は体の横に添えておきます。腕には力を入れず、上体を起こします。背中が床から浮かせることができれば、第3段階へ進みます。
第3段階「腕クロス・上体起こし」
両膝を伸ばし、仰向けになります。両手は胸の前でクロスします。上体を起こします。背中が床から浮かせることができれば、適正な筋力となります。
3 腹筋テスト【ツイスト】
第1段階「膝曲げ・ななめ上体起こし」
両膝を曲げ、仰向けになります。両手は体の横に添えておきます。腕には力を入れず、上体を斜め方向へ起こします。反対側も同様に行います。背中が床から浮かせることができれば、第2段階へ進みます。
第2段階「膝伸ばし・ななめ上体起こし」
両膝を伸ばし、仰向けになります。両手は体の横に添えておきます。腕には力を入れず、上体を斜め方向へ起こします。反対側も同様に行います。背中が床から浮かせることができれば、第3段階へ進みます。
第3段階「腕クロス・ななめ上体起こし」
両膝を伸ばし、仰向けになります。両手は胸の前でクロスします。上体を斜め方向へ起こします。反対側も同様に行います。背中が床から浮かせることができれば、適正な筋力となります。
筋力が不足している場合
このテストでは、腹部の腹直筋、腹斜筋の筋力がわかります。腹筋が弱いと、体幹の安定性が低下し、姿勢が崩れやすくなったり、腰や背中に負担がかかりやすくなります。またお腹もたるみやすくなります。
特に日常生活では、長時間の座位や重い物を持つ際に不調を感じる原因となることもあります。適切なトレーニングを行うことで、腹直筋や腹斜筋を強化し、体幹を支える力を高めることができます。お腹も引き締まります。
おすすめの腹筋トレーニング
これらの運動は簡単に取り組め、継続することで筋力がつき、動作が安定します。
4 つま先立ちテスト
筋力が不足しています
やり方: 両手を腰に当てて、まっすぐに立ちます。背中を一直線にしながら、踵を床から浮かせます。床と踵の距離は、握りこぶし1個分が目安です。
評価法: 踵を上げた後、5秒間静止できると適正な脚力です。
筋力不足: 踵を上げる高さが低い。体が後方や横に傾いたり、足元が動くと筋力不足になります。ふくらはぎの下腿三頭筋、全身のバランス筋力(抗重力筋)の弱さが考えられます。
筋力が不足している場合
このテストでは、ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋力、姿勢を保持するための筋力(抗重力筋)の筋力を測定しています。日常生活では、地面を蹴る力に相当します。これらの筋力が弱くなると、歩幅が狭くなり、歩く速度が低下する可能性があります。軽快に歩くための歩行リズムに関係している筋力のため、弱らせたくない筋肉です。
適切なトレーニングを行うことで、スムーズな歩行が実現し、疲れにくい体になれます。また良い姿勢作りにも貢献できます。
おすすめの腹筋トレーニング
これらの運動は簡単に取り組め、継続することで筋力がつき、動作が安定します。
5 余裕がある人向け「腕立て伏せテスト」
女性は膝を床につけて行います。男性(60歳未満)はつま先立ちで行います。運動強度と難易度の高いテストです。決して無理をしないように十分に注意をしてください。テストでの感じ方は「会話ができること」です。会話ができないようであれば、中止をしてください。
「女性」および「60歳以上の男性」は方はこちら
男性(60歳未満)の方はこちら
筋力が不足しています。
やり方: 両手と両膝(もしくはつま先)を床につけて、体を一直線にします。息を吸いながら胸を床に近づけ、息を吐きながら元の位置へ戻ります。
評価法: 20秒間で10回できると、適切な筋力です。
筋力不足: フォームが崩れたり、回数がこなせない場合は胸(大胸筋)や肩(三角筋)、腕の裏(上腕三頭筋)、腹筋の筋力が不足している可能性があります。特に腹筋が弱い場合は、フォームの維持が困難になります。
対策としてのおすすめのトレーニング
プランク: 両肘とつま先を床につけて、背中をまっすぐにする体幹トレーニング 運動法はこちら
まとめ
紹介した筋力テスト、意外と難しいと感じた方もいるかもしれません。このテストは、腰痛や膝の痛みを防ぎ、日常生活を快適に過ごすための基本的な筋力を確認するものです。ゴルフやテニスなど、趣味のスポーツでパフォーマンスを向上させたい場合には、さらに高い筋力が求められるでしょう。
筋力は30代から低下を始め、50代を超えるとそのスピードが加速します。だからこそ、1年に一度、健康診断のように筋力テストを行うことをお勧めします。定期的なチェックが、自分の筋力レベルを正確に把握し、早めの対策につながります
筋力が衰えると、日常の活動量が減り、全身の持久力も低下します。この影響で心臓病や糖尿病のリスクが高まることが分かっています。こうした健康リスクを防ぐためには、適切な筋力トレーニングを生活に取り入れることが必要です。
筋力トレーニングは、体力の維持や向上だけでなく、快適な生活を支える土台となります。まずは、簡単なエクササイズから始めてみましょう。「やってみたい」と思える一歩が、健康的な生活の第一歩です。
自分にピッタリ合った運動法を見つけたい方にお勧めです。
運動初心者でも安心!腰・膝ケアも充実の『どこでもフィット』
フィットネス塾「どこでもフィット」では、お客様の体のお悩みや体力に合わせた個別プログラムをご提供しています。腰や膝の痛みが気になる方、将来の健康が不安な方も安心して取り組めるフィットネスです。運動指導歴30年以上、テレビ出演多数、健康運動指導士の小林素明が、専門的な知識と豊富な経験をもとに完全マンツーマンでサポートします。
まずは、どこでもフィットの体験レッスンでお待ちしております。一歩踏み出すことで、未来の体が変わります。
フィットネスの始め方を知りたい方へ
当メディア『大阪発!心と体を豊かにするフィットネス・どこでもフィット』では、初心者の方が簡単にフィットネスを始められる方法をご紹介しています。
運動指導歴30年以上、テレビ出演多数、1万レッスン超の実績を持つ小林素明が、専門的な知識と経験を活かして、信頼性の高い情報をお届けします。
これからフィットネスを始めたい方にぴったりの、初心者向けガイド&簡単エクササイズをご覧ください!
この記事を書いた人
小林素明 (お城好きフィットネストレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。