扁平足予防完全ガイド 足裏エクササイズで姿勢改善、美しい脚へ

フィットネストレーナーの小林素明です。
足の裏が平らになっている「扁平足」。実はこれ、キレイな姿勢や美しい脚の土台となる「足のアーチ」が崩れた状態を指します。足の内側を横から見ると、あるはずの隙間がなくなってしまうのです。足のアーチが整っていないと、太ももやふくらはぎが張りやすくなり、歩き方にまで影響が出ることもあります。
さらに、成長の過程で自然に形成されるはずのアーチも、運動不足や加齢が原因で崩れてしまうことがあります。実際に「5歳児で大人とほぼ同じ足のアーチが形成されている」という報告もあり、日々のケアが重要です。
扁平足が起こる原因やそのデメリット、そして予防や改善のためのエクササイズについて、詳しくお話しします。あなたの足元から健康を見直してみませんか?
足のアーチとは?

足のアーチ(土踏まず)は、立って静止しているときには、足の荷重を分散する働きがあります。歩行やランニングをしているときには、足のアーチはスプリングの役割をして、衝撃の吸収(ショックアブソーバー)する機能を発揮します。足の蹴り出しを強化する働きもあり、動作のパフォーマンスを高めることができます。
反対に足のアーチが無い状態の扁平足では、足の骨や関節、靭帯への負担が増えて、足のトラブルが増えてきます。
足底腱膜とは?
足底腱膜は、足のアーチ(土踏まず)を保持し、歩行やランニングの衝撃吸収を行っています。かかとの骨(踵骨)から足の指の付け根にかけて伸びている、強靭な腱です。形は幕のように広がっています。疲労が蓄積されると足底腱膜炎となり、足の裏に痛みを伴います。
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扁平足のデメリットとは?

扁平足は、足のトラブルや姿勢を変化させるというデメリットがあります。1つは扁平足の場合、「回内足」(足首がくの字になる)になりやすく、足首の内側を痛めやすくなります。この回内足が引き金となり、X脚になりやすく膝の痛みも招きます。
また、扁平足は外反母趾も招きやすく、足のトラブルが多くなります。

なぜ扁平足になるの?

扁平足になる原因として、足の内側で一番高い場所にある骨「舟状骨(しゅうじょうこつ)」が下方へ落ち込んでしまっていることです。理由として、加齢や運動不足により、足底の筋力が不足し、重力に耐えきれずに「舟状骨」が落ち込み、扁平足になります。
そのため、扁平足の予防、改善には舟状骨の高さを保持、持ち上げるための筋肉を鍛えることがポイントになります。
扁平足の予防、改善に必要な筋肉とは? 足のアーチづくり
扁平足を改善するためには、舟状骨を正常な位置に戻し足のアーチを作ることです。扁平足を改善する代表的な筋肉を紹介します。
長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)

舟状骨を真下から支える役割をしています。
長趾屈筋(ちょうしくっきん)

舟状骨を真下から支える役割をしています
後脛骨筋(こうけいこつきん)

舟状骨を持ち上げる役割をしています。
前脛骨筋(けいこつきん)

舟状骨を持ち上げる役割
足の裏の筋トレは転倒予防にも効果的(足趾把持力)
転倒予防の筋力トレーニングとして注目されているのが「足趾把持力(そくしはじりょく)」です。足趾把持力とは、足の指を曲げたり掴んだりする動きで、短母指屈筋、長母指屈筋、虫様筋、短指屈筋、長指屈筋などが関与しています。
この足趾把持力が弱ると、転倒しやすいことがわかっています。また、扁平足の対策にも有効で、足の裏の筋肉を鍛えることで転倒予防と扁平足対策の両方に役立ちます。
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扁平足の予防、改善のエクササイズ
では、扁平足の予防、改善のためのエクササイズを紹介します。
タオルギャザー(準備運動)



鍛える筋肉:長母趾屈筋、長趾屈筋など
- フローリングの上にタオルを敷きます
- 裸足になり、片足でタオルをゆっくり正確にたぐり寄せます
- 足を持ち上げないようにします
回数:片足10セット
カーフレイズ



鍛える筋肉:後脛骨筋、腓腹筋
- 背筋を伸ばして立ちます
- 息を吐きながら、かかとを床からあげます(抗重力筋も鍛えられます)
- 息を吸いながら、元の位置に戻ります
- 2〜3を繰り返します
回数:15〜20回
トゥレイズ



鍛える筋肉:前脛骨筋
- 足を前後に開き、背中を伸ばし立ちます
- 前足の爪先を上にあげます(スネに力が入ります)
- ゆっくり戻ります
- 2〜3を繰り返します
回数:左右20回
ブロック カーフレイズ&トゥレイズ レベル高め




鍛える筋肉:前脛骨筋、後脛骨筋
- ヨガブロックを両足に挟みます
- ブロックを挟みながら、爪先を上げます
- 元の位置に戻ります
- ブロックを挟みながら、かかとを上げます
- 元の位置に戻ります
- 2〜5を繰り返します
回数:15回
注意:バランスを崩しやすいので気をつけて行ってください
バレエポーズ トレーニング



鍛える筋肉:長母趾屈筋
- ヨガブロックに踵をのせます
- 片足を横へ移動し、爪先を床に着けてポーズをとります
- 元の位置へ戻ります
- 同じ足で繰り返します
- 反対の足も同様に行います
回数:15回
扁平足の改善のためのエクササイズ まとめ

いかがでしたでしょうか?扁平足は足のアーチ(土踏まず)がなくなった状態で、慢性的な足のトラブル、膝痛、姿勢の変化を招きます。扁平足の予防と改善のエクササイズは、足の周りの筋肉を鍛えて、動作のパフォーマンスも高める効果も期待できます。
ぜひこの機会に足のアーチづくりのエクササイズで、美しい姿勢を手に入れてくださいね。
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参考文献
- 地主あい、日塔啓太、大瀧夏海など「静的ストレッチの介入が足趾把持力に及ぼす影響について」 理学療法の歩み28巻1号 2017年1月
- Donaid A. Neumann(2018)「筋骨格系のキネシオロジー(原著第3版)」 医歯薬出版株式会社
- 畠中泰彦(2018)「理学療法のための 筋力トレーニングと運動学習~動作分析から始める根拠にもとづく運動療法」羊土社
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この記事を書いた人

小林素明 (お城好きフィットネストレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。