観て楽しい、学んで気づく。トレーナー目線で楽しむ陸上のセイコーゴールデングランプリ観戦記

大阪のパーソナルトレーナー 小林素明です。
陸上競技を観戦することが、こんなに楽しいとは思いませんでした。きっかけは、2019年に大阪・長居で開催された「セイコーゴールデングランプリ陸上」です。
世界のトップアスリートたちを間近で見ることができ、テンポの良い競技進行や演出によって、陸上競技の魅力が一気に広がりました。
2025年5月には、東京・国立競技場で大会が行われ、世界陸上のテレビ司会でおなじみの織田裕二さんもゲストとして登場。会場は大いに盛り上がりました。
そして、パーソナルトレーナーとしての視点から、選手たちの筋肉の使い方やスタート前の準備動作などをじっくり観察しています。
今回は、2019年の大阪大会、2025年の東京大会、それぞれの観戦記をお届けします。
【2019年・大阪大会】観戦がこんなに面白いとは!初めての感動体験

2019年5月19日、大阪市・ヤンマースタジアム長居で開催された「セイコーゴールデングランプリ陸上2019大阪」を観戦しました。
この年は世界陸上を控えていたこともあり、好記録への期待が高まっていた大会です。
特に男子100mでは、アメリカのガトリンをはじめ、桐生祥秀、山縣亮太、多田修平、ケンブリッジ飛鳥、小池祐貴といった短距離界のスター選手が集結。9秒台のレースが見られるかもしれない――そんな興奮と期待が会場を包んでいました。
注目の男子100m!ガトリン、桐生、山縣、ケンブリッジ、小池、多田などスター選手が集結

この日の注目は、男子100M決勝。
日本人選手に9秒台の期待がかかります。すでに9秒台をマークしている桐生、10秒00の山縣、急成長の小池。誰が9秒台を出してもおかしくありません。そんな期待が高まる中、レースが始まりました!
肉眼では桐生、ガトリンのどちらが勝ったのかわからないくらいの僅差でした。しかも電光掲示板には、「10秒01」
おっこれは。。。

1着はガトリン10秒00、2着は桐生10秒01でした。本当に惜しい! 10秒04で4着に入った小池は、東京五輪参加標準記録(10秒05)を突破です。ハイレベル!!
次にボクが撮影した動画です。よろしければご覧くださいませ。
惜しい!桐生10秒01、ガトリンに0.1秒届かず!小池10秒04自己ベストで東京五輪参加標準記録10秒05を突破!男子100m決勝【動画】
【動画】セイコーゴールデンGP陸上2019 男子4×100mリレー
またまた短距離の競技です。男子4×100mリレー。日本代表チームは、1走ー多田、2走ー山縣、3走ー小池、4走ー桐生のメンバーです。
先日の世界リレー(横浜)では、バトンミスで失格になったのでリベンジです。日本代表チームは、その期待に応えてくれました!
アンカーの桐生は独走で、ホームストレートを突っ走りました。38秒00の圧倒的な勝利!今季世界最高記録!
この日一番の大盛り上がりでした。
セイコーゴールデンGPには陸上観戦が楽しくなる演出

もう陸上競技は楽しいスポーツに変わりました。レースが始まると音楽が入り、アナウンスでレースを盛り上げてくれます。これなら、陸上観戦が初めての方でも楽しめる!と思いました。
また、注目の種目では入場セレモニーがあり、レース前に盛り上げてくれます。
セイコーゴールデンGP陸上の会場前には、数々のイベントが開催


メイン会場であるヤンマースタジアム長居の前では、企業ブースがたくさん出ておりまして数々のイベントが行われていました。中には、子供達のダッシュ記録を測定するイベントもあり、大変盛り上がっていました。
セイコーゴールデンGP陸上2019大阪の出場選手たちのウォーミングアップを見る!

「セイコーゴールデングランプリ陸上2019大阪」では、レースそのものよりも、実はウォーミングアップの様子に目を奪われていました。
パーソナルトレーナーという仕事柄、世界の一流選手たちがどんな準備をしているのか——非常に興味深く、むしろレース以上に学びの多い時間でした。
メイン会場のヤンマースタジアム長居のすぐ隣にある、ヤンマーフィールド長居がサブトラックとなり、出場選手たちは入念なウォーミングアップを行っています。中に入ることはできませんが、フェンス越しにその様子をじっくりと見ることができました。
良いウォーミングアップは本番のパフォーマンスを引き出す

特に印象的だったのは、男子200メートルに出場するチャイニーズタイペイの選手の動き。股関節の外転トレーニングを、丁寧に、何度も繰り返していました。
片脚立ちで脚を左右に振るような、振り子のような動きです。動きのキレとリズムがとても良く、まさに“身体の準備が整っていく様子”が見て取れました。
ウォーミングアップは、ただ身体を温めるだけではありません。競技に応じて、動きの特性に合わせて段階的にスピードやリズムを上げていくことで、本番のパフォーマンスが引き出されます。
どんな競技にも、それぞれの動きの型やリズムがあります。
出場種目を知ったうえで選手のアップを見ると、「ああ、この動作は本番にこうつながっているのか」と、とても楽しく、学び深いものになります。
陸上競技は、走る・跳ぶ・投げるという、すべてのスポーツの土台となる動きの集まりです。
だからこそ、野球やテニス、ゴルフなど、どんな競技をされている方にも、大いに参考になります。
ボクのパーソナルトレーニングでも、こうした陸上選手のウォーミングアップやトレーニング方法を取り入れ、競技力アップやケガ予防につなげています。
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セイコーゴールデンGP陸上の観客席「テーブル付きシート」を購入しました



大会は数時間あることから、疲労も考えテーブル付きシートを事前購入しました。どうやら、いつもは記者席のようです。このように大会のパンフレットを置いて、じっくりとレース観戦ができるので快適でした。
あっという間のセイコーゴールデンGP陸上2019大阪はでした!

スタジアムには3時間半ほど滞在しましたが、ほとんど飽きることなく観戦することができました。
パンフレットの分かりやすさに加えて、「●●選手にご注目ください」「世界陸上参加標準記録を超えられるか!」というアナウンスが会場で紹介されたり、選手入場セレモニーで盛り上げたりと、楽しく観戦できます。
やはりライブでスポーツを見ることはいいですね!とっても刺激になります。
【2025年・東京大会】世界陸上の前哨戦を、新・国立競技場で観戦 トレーナーとしての観察視点も

2025年5月18日、大阪から東京・国立競技場へ足を運びました。「わざわざ東京まで?」と思われるかもしれません。
ですが、この大会には行く理由がいくつもありました。
まず、9月には世界陸上が開催される予定で、選手たちがその出場標準記録を目指してくる、まさに本気の勝負が見られる大会なのです。
男子100mにはサニブラウン選手、3000m障害では三浦選手、女子やり投げには北口選手、女子3000mには田中選手。そして女子走高跳では、なんと世界記録保持者のマフチフ選手(ウクライナ)まで出場。
「今、観ておきたい」選手が一堂に会する、贅沢な顔ぶれでした。
もう一つの理由は、東京オリンピックの舞台となった新・国立競技場で、実際に競技を観てみたかったこと。画面越しではなく、自分の目で、身体で、会場の空気を感じたいという気持ちがありました。
そしてもうひとつ。
世界陸上の名物司会でもある織田裕二さんがテレビ中継のゲスト出演するという噂を耳にし、ひそかに期待もしていました。実際に登場された時は、会場も大いに盛り上がりました。
結果として──
「行ってよかった」、そう心から思える一日になりました。
【動きに無駄なし】トップ選手に共通する“下半身の安定”

観客席からでも、トップアスリートの動きがよく見えるポジションだったこともあり、レース中のフォームや身体の使い方をじっくりと観察しました。
どの選手にも共通して感じたのは、下半身の安定感です。
特に目立っていたのが、お尻まわり(臀部)の強さと使い方。走っている間も、臀部がしっかりと固定されていて、地面を強く、そして効率的に蹴り出している印象でした。
身体のブレが少ないということは、それだけ力のロスが少なく、走力がそのまま前進力に変わっているということ。スピードに乗った美しいフォームは、鍛え抜かれた股関節まわりの筋肉によって支えられているのです。
臀部の筋肉とは、大臀筋や中臀筋、股関節外旋筋など、股関節を安定させる筋群を指します。
これはトップアスリートに限らず、私たち一般の人にとっても同じ。「股関節を鍛えること」は、健康的に動ける体を保つためにも、非常に重要なポイントです。
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たとえば、3000m障害の三浦選手。障害物を飛び越えながらも、着地の際に身体がぐらつかず、下半身がしっかりと支えている姿には驚かされました。
跳んだ後の一歩に迷いがなく、そのまま走りのリズムにスッと戻っていく——これは、練習での徹底した下半身トレーニングの賜物だと思います。
ここで自宅でもできる、股関節の安定性を高めるための具体的なエクササイズを紹介します。
自宅でできる、股関節の安定性を高めるためのエクササイズ
バックランジ

やり方:
- 足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばします。
- 右脚(または左脚)を後ろに引き、つま先を立てます。
- 前脚の膝がつま先より前に出ないよう注意し、後脚の膝が床に近づくまで腰を下ろします。
- 背中が丸まらないようにし、上半身を垂直にキープ。
- 前脚のお尻と太ももを使う意識で、元の立位に戻る。
- 左右交互に行います。
回数: 左右各10回
ポイント:
- 膝が内側に入らないよう注意しましょう
- 動作はゆっくり、丁寧に行いましょう
- バランスが不安な場合は、椅子や壁に手を添えてもOK
ブリガリアンスクワット

鍛え方:
- 高さは膝下〜膝くらいの安定した台を使います。
- 台に背を向け、約60〜70cmほど前に立ちます。
- 片脚を後ろに引き、つま先または甲をベンチの上に置き、バランスをとります。
- 前脚の太ももが床と平行になるまで、真下に沈むように下げるます。このとき、前脚の膝がつま先より前に出ないようにする。
- 前脚のかかとで地面を押して立ち上がります。お尻と太ももの筋肉を使う意識で、元の姿勢に戻る。
- 反対脚も同様に行いましょう。
回数: 10〜20回
ポイント:
- 上半身はやや前傾にするとお尻に効きやすくなります
- 体幹をしっかり保ち、バランスを崩さないようしましょう
- 慣れるまでは台の高さを低くするか、浅めに行ってOK
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素晴らしい新・国立競技場での観戦体験

今回が初めての国立競技場でした。まず驚いたのは、観客席から選手の動きがとてもよく見えること。
おそらく、観客席の傾斜が絶妙に設計されているからだと思います。ストレスなく競技に集中でき、快適な観戦ができました。
スタジアムはとても広く、そして美しく整備されています。
居心地の良さを感じられる空間で、初めての場所でも案内板がしっかりと設置されており、迷うことなく自分の席にたどり着けました。
さらに、都営地下鉄「国立競技場駅」やJR「千駄ヶ谷駅」からも近く、アクセス面でも非常に便利。観戦だけでなく、施設全体を含めて「また来たい」と思わせてくれるスタジアムです。

織田裕二さんの登場で、場内の熱気は最高潮に

豪華なアスリートたちのパフォーマンスに興奮していたなか、さらに注目を集めていたのが織田裕二さんのゲスト出演です。試合中は、テレビ中継のコメントなども担当されていたようで、その声を聞くだけでテンションが上がります。
大会終了後には、アスリートを交えたセレモニーが行われました。残念ながら男子100mのサニブラウン選手は欠場でしたが、その姿をセレモニーで見ることができ、十分に満足です。
個人的には、『東京ラブストーリー』からのファンですので、織田裕二さんの登場に胸が高鳴り、会場の熱気とともに気持ちも最高潮になりました。
まとめ セイコーゴールデングランプリ観戦記

テレビで観るのとは違い、実際にスタジアムで観戦すると、アスリートの動きや表情、筋肉の使い方までが手に取るように伝わってきます。
トレーナーとしての視点で見たとき、筋肉の発達や動作の工夫から、どんなトレーニングが必要かというヒントを多く得ることができました。
やはり「ライブ」はいいですね。真剣勝負に挑む選手の姿から、こちらも大きなエネルギーをもらえます。観客との一体感もまた、現地でしか味わえない特別な空気でした。
この体験は、トレーナーとしての自覚をさらに強くする時間でもありました。
スポーツをもっと楽しみたい方、再び競技に挑戦したい方、マスターズ大会を目指す方へ──

ぜひ、大人のためのパーソナルトレーニング「どこでもフィット」をご活用ください。
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この記事を書いた人


小林素明 (お城好きフィットネストレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten.」などに出演し、専門的でわかりやすい解説が好評のフィットネストレーナー。
健康運動指導士の有資格者であり、指導歴は30年以上。2010年に大阪市でパーソナルフィットネスジム「どこでもフィット」を開業し、これまでに延べ1万回以上のパーソナルトレーニングを実施。特に50代以上の「加齢に負けない体づくり」に定評がある。
医療機関と連携した安全性の高い運動指導、企業・団体向けの腰痛予防や健康経営に関する講演も数多く行い、受講者の98%から「わかりやすい」と高い評価を得ている。
趣味は城巡り、鉄道とグルメの旅、スポーツ観戦、80~90年代のプロレス、書店めぐり、そして焼肉。身体づくりも人生も、楽しみながら続けることを大切にしている。
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