アメリカ視察が切り拓いたパーソナルトレーナーの道
パーソナルトレーナーの小林素明です。
アメリカのカリフォルニア州は、フィットネスの聖地。僕はフィットネストレーナーとしてのスキルアップを追求し、アーノルド・シュワルツェネッガーも汗を流した伝説のゴールドジムの1号店を中心にアメリカ・フィットネス視察としてスポーツクラブ見学、トレーニング体験で訪れました。(1990年〜2000年代)
しかしながら、英会話力はゼロ!当時はスマホがありませんから、英和辞典を持参しての旅です。たくさんの恥ずかしい体験、失敗もありましたがアメリカ視察は、ぼくのフィットネスキャリアに大きな影響を与えました。現在のパーソナルトレーナーの仕事にも活かせています。では、アメリカ視察で見たこと、学んだことを話します。
フィットネスの聖地!カリフォルニア州とは?
ぼくがアメリカのフィットネス視察で訪れたのは、カリフォルニア州。ロサンゼルス、ベニス、サンディエゴ、サンフランシスコなどです。「どこに行けば、スポーツクラブがあるのだろう?」と、あてもなくレンタカーを走らせる。これが、ぼくのフィットネス視察での日課でした。
カリフォルニアはとても居心地が良すぎるので、いつも帰国前には「あと1週間、滞在したい」という気持ちになっていました。
第1章 トレーニングジム&フィットネスクラブの視察
日本のフィットネスクラブで働き、トレーニングの専門誌を読んり、周りに聞いたりして情報を得ていた僕にとっては、カリフォルニアは憧れの地。出発前は、「地球の歩き方」を手にワクワクしていました。
特に注目していたのは、「アメリカの人はどんなトレーニングをしているの?」「トレーナーはどんな指導をしているの?」「ジムの運営方法」です。ぼく自身も現地のジムで短期会員になり、トレーニングに励んだのです。
【視察したジム】ゴールドジム1号店、マッスルビーチジム、アーバイン、バリートータルフィットネス、24アワーフィットネス など
ゴールドジム1号店
ゴールドジムへの入場、まさにスポーツの聖地への門です。ぼくは1週間パスを購入し、滞在中はほぼ毎日トレーニングしました。アメリカの方々は朝にトレーニングをする習慣があり、午前7時くらいに行くと、ジム内は熱気ムンムンで溢れていました。その熱気に触発され、ぼくも全力でトレーニングに打ち込みながら、トレーニングしている人を観察、パーソナルトレーナーの指導法も学びます。
ゴールドジムでは筋骨隆々のデカい男たちが日常的にトレーニングをしており、小林はその中で子どものようでした。(汗)。彼らは岩のような重量を扱い、どうやってそんなにデカくなれるのか、羨望の眼差しで見つめました。しかし、一方で健康維持のためにストレッチやバイクを自分のペースでトレーニングを楽しんでいる人もたくさんいます。一部の人だけでなく、体を鍛えたいと思う全ての人に開かれたトレーニングジムなのです。
ゴールドジムではパーソナルトレーナーが至る所に!
そして、驚いたのはパーソナルトレーナーの多さです。ジム内の至る所で、パーソナルトレーナーがクライアントにトレーニングを指導していました。この光景には、当時の日本では理解されていない新たなトレーニング文化を感じました。パーソナルトレーナーたちはトレーニング指導のプロフェッショナルであり、その指導の幅広さに感銘を受けました。
ぼくは彼らのトレーニング指導を熱心にメモに取り、トレーニング指導のネタを作り上げました。さらに、パーソナルトレーナーが去った後、そのメモを見ながら同じトレーニングを行い、技術を習得する日々を送りました。せっかくアメリカまで来たんだから、と心の中で叫びながら、新たなスキルと知識を身につけました。
そして、今でもそのときに学んだトレーニング指導を実践しています。アメリカでの経験は、僕のトレーニングキャリアに不可欠な要素となり、クライアントに対するサービスの質を向上させる手助けとなっています。
ゴールドジム1号店
住所 360 Hampton Dr, Venice, CA 90291 アメリカ合衆国
マッスルビーチジム
筋肉芸人「なかやまきんに君」さんも紹介していましたマッスルビーチジム。ベニスビーチにある青空トレーニングジムです。ぼくが読んでいたトレーニングの雑誌にもたびたび登場していた憧れのジムです。
ザ・スポーツクラブ アーバイン
宿泊地のロサンゼルスから車で、アーバイン(Irvine)という街にある特別なスポーツクラブに到着しました。アーバインの街を車から見ながら、その美しい家並み、街の治安も良さそうです。調べてみると、アーバインは全米で最も治安の良い街として知られています。
そして、ぼくはその街で特別なスポーツクラブを発見!大きく、そして驚くほど充実した設備がぼくを魅了します。見学させてもらうだけでも、十分すぎる感動的な体験です。フロントデスクで見学をお願いしましたら、「どうぞ自由に見て!」と言われ、ただの見学なのに1時間以上滞在していました。
このスポーツクラブで一番印象的だったのは、そのメンバーたちの姿です。静かにトレーニングを行い、他のメンバーにも配慮が行き届いています。トレーニングのプロセスを観察することで、ぼくは新しいアプローチやトレーニングのテクニックを学ぶことができました。
ジムを見学した後、スタジオにも見学。そこには身体の中での脂肪蓄積の模型が置かれており、運動の啓蒙活動が行われていました。これは、健康への意識を高める素晴らしい取り組みでした。
バリートータルフットネス
ドライブ中に偶然、発見したバリートータルフィットネス。閉店の1時間前ということもあり、お客さんはほとんどいませんでした。せっかくなので、1日ビジター券を購入し、トレーニング! お客さんの一人がぼくのことを不審に思ったのか、年配の女性の方が話しかけてきました。内容は全く不明でしたが、3分ほど話し続け、僕は呆然。。。
このバリートータルフィットネスでは、ダンベルラックやベンチ、トレーニングマシンの配置をじっくり観察し、時には写真を撮りました。30年近く経った今も、このときの怪しい行動を鮮明に覚えています。
第2章 現地でパーソナルトレーニング体験
アメリカではすでに主流であったパーソナルトレーニングを実際に体験しました。最初にパーソナルトレーニング受講したのは、ロサンゼルスのスポーツクラブでのパーソナルトレーニング。英語ゼロのぼくでしたがは、フロントデスクに行き、「パーソナルトレーニング プリーズ」と片言の英語で伝えました。この時のコミュニケーションは、なかなか楽しかったです。
パーソナルトレーナーの営業方法は名刺
指導するパーソナルトレーナーは、スポーツクラブに常駐しているのではなく、自分の指導日にクラブに現れます。それぞれのトレーナーがセールス用の名刺を取れるように、クラブ内に名刺入れケースを設置しているのもアメリカらしいと思いました。
当時、日本では名刺ホルダーをあまり活用しないことが多い気がしますが、アメリカではこれをうまく利用しています。
パーソナルトレーニング中の会話だけは理解できた!
ただトレーニングを受けるだけでなく、ぼくはスキルアップにも必死でした。そのため、トレーニングの選定理由を尋ねるために何度も、「Why?」と連発しトレーニングの背後にある理由を理解しようとしました。結局、トレーナーとのトークがトレーニング自体よりも長くなることも多かったです。もしかしたら、午前中にトレーニングを受けていたために、筋肉が疲れていたのかもしれませんね。
パーソナルトレーニングのセッションのときは、会話が通じていました。
そして、トレーニングの最後には、トレーナーとの2ショット写真をお願いしました。繰り返しですが、アメリカでの写真はすべて「写ルンです」を使って撮影です。当時は、フィルムカメラで写真を撮るのが一般的でしたね。
アメリカ視察でのメモが現在の仕事に生きる!
現地では、見てきたことを必死になって書き留めていました。例えば、パーソナルジムのミラーはどの位置に設定すれば良いか?は、意外に迷うと思います。ぼくは、訪問したゴールドジム、24hoursなどで、周りに気づかれないようにして、ミラーの位置、高さをメジャー測ったりしていました。(笑)
そのことが、現在の運営するぼくのパーソナルジムやスポーツジムのアドバイスに活用されています。
第3章 スポーツ観戦「NFLキャンプ」「メジャーリーグ」
野茂英雄さんが大リーグ2年目のとき、所属していたドジャースの本拠地ドジャースタジアムで観戦しました。残念ながら、野茂選手の登板はありませんでしたが、ロサンゼルスの通りにはドジャースの主力選手の旗がたてられ、野茂選手はスター級。
当日の新聞で試合があることを知り、車でドジャースタジアムに向かいました。チケットの窓口では会話が通じず、かなり苦労をしました。(汗)
室内サッカー観戦でスポーツの本当の意味を知る!
通りがかりで観戦した室内サッカーで大きな衝撃を受けました。全く知識もなく、人がたくさん集まっているアリーナを見つけ、これは何かやってるぞ!と、チケットを購入。入ってみるとかなりの盛り上がりです。
ハーフタイムのとき、地元の子供のサッカーチームが対戦するというエキシビジョン。な、なんと、観客のボルテージが一気に上がり、試合をしている子供達を懸命に応援しています。まるでワールドカップ決勝のゴールのようです。これがスポーツ!と感激しました。
サッカーをしている子供たちは、この大きな歓声は一生忘れることなく、スポーツを通じて大きな希望を抱けると思います。アメリカには、未来のスポーツ選手を育む環境があります。
NFLのトレーニングキャンプを見学!
アメリカンフットボール最高峰 NFLの選手を間近で見る絶好の機会を得ました。それは、NFLのキャンプ地が書かれた新聞記事を発見したのです。 宿泊しているホテルから車で行ける場所を探しましたら、サンディエゴがありました。距離は約180kmくらい離れていましたので、ぼくにとってはかなりの冒険です。
地図を頼りに車を走らせて、なんとかNFLのキャンプに辿り着きました。とにかく驚いたのは、選手たちのスピードです。めちゃくちゃ速い!しかもデカい人ばかりです。今でもぼくの目に焼きついています。1時間ほど滞在したと思いますが、トップアスリートの身体能力の高さを思い知りました。
第4章 アメリカの大学でスポーツ活動
スポーツが盛んな有名な大学として有名なロサンゼルスのUCLAに何度か足を運びました。UCLAに到着したのはいいのですが、とにかく広大な敷地でどこに駐車すれば良いのか?と戸惑います。キャンパス内にある地図を頼りに陸上トラック、フィットネスセンター、アスレティックトレーニングなどを見学することができました。
アスレティックセンターでは、トレーナーの方にお願いして見学をさせてもらいました。せっかくなので片言の英語と筆談で質問です。トレーナーの回答は、ほとんど理解できませんでしたが、こんな感じのことを言ってる気がする、と分かったふりです。(笑)
筋力強化のトレーニングルームも見学です。壁にはプラットフォームが並び、パワートレーニングができるようになっています。日本でも同じような施設が増えてきました。
大学内の芝生エリアでは、子供たちのサッカー教室が行われていました。テレビで見かける超特大のドリンクサーバーがありました。
南カルフォルニア大学(USC)
南カルフォルニア大学(USC)の野球場なども見学しました。アスリートが使うトレーニングルームを見学できませんでしたが、地域の人が通うフィットネスジムは窓越しから見ることができました。大学内に一般の人が通えるジムがあるというのは新鮮でした。
第5章 アメリカのフィットネスクラブで営業セールスを体験!
見学で訪れた「LAフィットネス スポーツクラブ」で、1時間を超える営業セールスを受けました。フロントディスクで見学の旨を伝えると、若い男性スタッフが現れ、歓迎してくれます。嫌な予感はしました・・・。
施設を案内しながら、ぼくの質問にも答えてくれました。するとスタッフがいる事務所に通され、入会のセールスが始まります。そのときのセールスシートが上の画像です。入会特典から始まり、価格のディスカウントでぼくの様子を伺ってきましたので、「観光で来ている」と伝えます。すると今度は、「1ヶ月会員もあるが、この価格でどう?」など、なかなか引き下がりません。さらには、担当スタッフの上司の応援が入り、営業セールスが始まりました。
しかし、この諦めない営業セールスでは多くを学ぶことができました。
第6章 憧れのアメリカ!フリーウェイを快走?
浜田省吾のAMERICAという曲の「ロスからサンフランシスコへ続くフリーウェイを♪」の歌詞に憧れていました。アメリカのフィットネス視察、フリーウェイを走ることが目的でした。運転中はずっと緊張の連続で、楽しむところまでは難しかったです。
一度、サンタモニカからサンディエゴでのフリーウェイで、一瞬、居眠りをしてしまいました。しかし、車線をはみ出したときの凹凸で目が覚めて助かったのです。そこからは、襟を正して運転です。
現地で購入した地図がわかりやすい!
日本からカリフォルニアの地図を購入しました。しかし、日本語が書いてある地図は使えません。看板に書いてあるのは、英語表示なので、英語だけで書かれた地図がわかりやすいです。地図は、現地で調達しました。
手書きの地図がカーナビ!
購入した地図を広げ、翌日の目的地までの通り(ストリート)をメモにしていました。そのメモをハンドルの前に貼り付けて、指さしをしながら運転です。ただ、迷子になることは多かったです。いつもホテルに帰るのは夜になっていましたので、「帰れるかなぁ〜」と不安になる毎日・・・。
ガイドブック「地球の歩き方」
アメリカ視察では、「地球の歩き方」をガイド代わりに持ち歩いていました。「地球の歩き方」は現地の詳細情報だけでなく、戸惑わないようにアドバイスもしっかり掲載されおり、取材力が違う!と感心されられます。インターネットが発達している今でも、地球の歩き方が書店に並んでいる理由がよくわかります。
こちらをご参考ください! →「地球の歩き方」ロサンゼルス
まとめ アメリカ視察
アメリカ視察は、ぼくにとって大きな学びと成長の機会でした。そこで感じたのは、単なる体力向上だけでなく、フィットネストレーナーとしてのスキル向上にも大いに貢献したことです。
アメリカのパーソナルトレーナーたちのプロフェッショナリズムに触発され、常に新しいアプローチを模索しました。彼らの多彩なトレーニング法は、ぼくの指導スタイルに革命をもたらしました。例えば、お客さんの目標に合わせたカスタマイズされたプログラムを提供することや、トレーニングを科学的なアプローチでアプローチすることです。
また、メジャーリーグ、NFLなどのプロスポーツ、大学スポーツなどに触れる機会もあり、とても有意義なアメリカ視察でした。これらの経験を忘れることなく、お客様から支持されるパーソナルトレーナーを目指します。
この記事を書いた人
小林素明 (城好きパーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。