知らないと損をする!トレーニング3つの原理、5つの原則とは?

フィットネストレーナーの小林素明です。

安全かつ効果的な運動を行うためにトレーニングの原理と原則という、トレーニングのルールがあります。このトレーニングの原理原則を知ることで、トレーニングに対する意識が向上し、効率的なトレーニングが行えるようになります

トレーニングの原理、原則って何?

例えば、芸能人がやっている体力維持「毎日スクワット100回」とメディアで紹介されると、「じゃ、スクワットを毎日100回続けよう!」と考えてしまいます。

確かにスクワットは、足腰が強化されて老化予防に最適です。しかし、スクワットを続けることが効率的なトレーニングなのか?

その解決の糸口になるのが、トレーニングの原理原則

それは

  • トレーニングをすることで体にどんな変化が起こるのか?
  • トレーニングの効果を出すために必要なことは何か?

が、3つの原理と5つの原則にまとめられているのです。

 
このトレーニングの原理原則は、老若男女問わず、そして健康の運動からスポーツ競技まで共通の効率的にトレーニングを行うためのルールになります。

トレーニングの3つの原理

トレーニングの原理は3つあります。

  1. 過負荷(オーバーロード)の原理
  2. 特異性の原理
  3. 可逆性の原理

1 過負荷(オーバーロード)の原理


普段の生活よりも高い負荷をかけることで、体の機能が向上するという原理です。

筋力の場合、日常生活では最大筋力の20%程度を使っており、同じ負荷でのトレーニングでは筋力の向上は望めません。最大筋力の30%程度で筋力の維持ができ、最大筋力の40%を超える負荷でトレーニングでの筋力は向上します。

2 特異性の原理 specificity


特異性の原理は、トレーニングで鍛えた通りの効果が得られることです。例えば、テニスの上達には、テニスの練習が最適で、柔道の練習は効果は期待できず、遠回りのトレーニングになります。

ですから、目的に応じたトレーニングの選択が必要となり、体幹を鍛えたいのであれば、体幹トレーニングを行うことが最も効率的と言えます。

 
例)

3 可逆性の原理 reversibility

可逆性の原理とは、トレーニングで得られた効果について、トレーニングの継続中は維持されますが、中断するとトレーニング効果が徐々に失われていくという原理です。つまり、せっかくの運動も中断することで、効果が失われてしまいます。

ただ、トレーニング期間が長ければ、トレーニング効果が失われる度合いは緩やかです。反対にトレーニング期間が短いと、トレーニング効果が失われる度合いは速くなります。
 

トレーニングの5つの原則

  1. 漸進性の原則
  2. 意識性の原則
  3. 全面性の原則
  4. 個別性の原則
  5. 反復性の原則

1 漸進性の原則


いつまでも同じ負荷や回数(量)の繰り返しでは、トレーニングの効果は望めません。なぜならば、トレーニングの継続が一定期間になると体が順応し、筋肉が慣れてくるからです。

ですから、トレーニングの負荷や回数(量)は、定期的に見直し、徐々に高めていくことが大切であるという原理となります。
 

2 意識性の原則


1つ1つのトレーニングを、どんな目的で行うのか? どんな効果が期待できるのか?を理解した上でトレーニングを行うと効果が上がりやすいという原理です。

闇雲に効果がありそうだ、ということではなく、「動作中の体のブレを防止し、膝の負担を減らすために体幹トレーニングを行っている」という明確な意識があれば、目標が達成しやすいのです。

3 全面性の原則


体力には、筋力だけでなく、柔軟性、瞬発力、調整力など要素があり、それらの体力要素をバランス良く鍛えておくことが必要であるという原則です。

筋力トレーニングにおいては、全身の大きな筋肉(大筋群)を中心に、満遍なく鍛えることのできるプログラムが求められます。

4 個別性の原則

トレーニングは個人の体力、年齢、性別、健康状態や過去の運動歴などに合わせて、個人に合わせたトレーニング計画が必要であるという原則です。

スクワット100回は、楽に感じる人もいれば、きつく感じる人もいて、個人によって体力は様々です。 ※筋力トレーニングでは、筋力アップが期待できる「15回が限界になる程度の負荷」と、反復できる回数で、適切な負荷を決定する方法があります。

5 反復性の原則

トレーニングの効果は、繰り返し行うことで大きな効果が期待できるという原則です。ポイントとなるのは、規則的に継続して行うことです。例えば、毎週月曜日、金曜日はトレーニングをするという規則性です。

まとめ トレーニング3つの原理、5つの原則とは?

いかがでしたでしょうか? トレーニングの原理原則は、トレーニングの方法が進化しても基本的には変化がありません。それだけ、トレーニングの軸となっているもので、トレーニングで効果が出なくなった、という時の現状打破の際にも活用できるものです。

また、今からトレーニングを始めようとされる方は、一体何から始めれば良いの?と悩んでしまうかも知れません。そんな時は、ジムに通ってみることや、パーソナルトレーナーに依頼することも検討されることをお勧めします。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーナー小林素明

小林素明

健康運動指導士 米国ハワイ州立大学医学部人体解剖学実習修了 介護予防運動トレーナー マッスルコンディショナー 日本臨床運動療法学会会員

【経歴】 運動指導歴30年超、テレビ出演多数、延べ1万人超のパーソナルトレーニング指導実績、YouTube登録者数1万人超。医療機関との連携も図り、安全かつ効果的なトレーニング法を研究。

フィットネスクラブ、温浴施設に17年間勤務後、株式会社ウェルネス&スマイルを起業。大阪市阿倍野区にパーソナルトレーニングどこでもフィットを開業し、「加齢に負けない筋肉づくり」「日常生活・スポーツ動作のパフォーマンスアップ」を得意とし、80歳代の方までトレーニング指導にあたる。病院をはじめとする医療機関、教育機関、不動産会社などで講演・講師活動。パーソナルトレーナー指導者養成講座の講師も務める。

【テレビ出演】 毎日放送「ちちんぷいぷい」/朝日放送テレビ「キャスト-CAST-」/読売テレビ「ten.」/テレビ朝日「ナニコレ珍百景」/読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」/サンテレビ「4時!キャッチ」他

【講演・講師実績】 一般財団法人関西労働保健協会/経済産業省ヘルスケアサービス社会実践事業「医療運動マッチング対応トレーナー育成講習会」/徳島県教育委員会 /箕面市立病院/日本臨床運動療法学会(第36回)/ファインレジデンス枚方香里園(京阪電鉄不動産)特別講師/SSK /八尾市教育委員会/岸和田市民病院/南河内環境局組合 他多数 (敬称略)

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