【梨状筋】座りすぎで起こるお尻の痛みは腰痛、座骨神経痛の原因に!梨状筋・外旋六筋ストレッチで痛みの解消
フィットネスレーナーの小林素明です。
座っているとお尻が痛む、仕事の作業やスポーツ後にお尻や腰が凝ってしまう、というお悩みはありませんか? それはお尻の筋肉「梨状筋」が凝っているかも知れません。その梨状筋のことを少しお話ししますね。
梨状筋とは? 股関節のインナーマッスル・外旋筋
梨状筋(りじょうきん)は、お尻の深い場所にある筋肉で、骨盤(仙骨の前面)から太ももの大腿骨(大転子上縁)へとつながる円すい状をしていて、まるで「ちまき」のような形をしています。
梨状筋の作用、働きとは?
梨状筋には大きく3つの働きがあります。
- 股関節を外旋(足を外側に回す動作)
- 股関節を外転(足を外側に開く動作)
- 股関節を安定させる作用(骨盤と大腿骨をしっかり固定)
この梨状筋は、股関節の動きを支える大切な役割を担っています。
梨状筋が硬くなるとどうなるのか?
梨状筋が硬くなっていると、お尻が痛くなることが多くなります。さらに座っている時間が長くなると、梨状筋の下を通る坐骨神経が圧迫されて、太ももの裏側が徐々に痺れるという症状が現れます。(梨状筋症候群) 症状が進行すると座っている時間がわずかでも、太もも裏が痺れてきます。
また、見た目の姿勢に変化が現れます。それは足先が外側へ向きのO脚となり、ガニ股歩行で姿勢が悪くなります。梨状筋が硬くなっている状態では、股関節の動きが阻害されて、腰痛や膝痛の原因となります。
梨状筋が硬くなる理由とは?
梨状筋が凝り、硬くなる理由として、座っている時間が長い、長時間の中腰姿勢、ランニングやサッカーなどのスポーツで起こることが多いです。特徴として、長時間同じ姿勢を繰り返すことです。
次に自宅で手軽にできる梨状筋をほぐし、痛みの緩和ができるストレッチ、セルフマッサージの方法を紹介します。
自宅でできる梨状筋をほぐす簡単ストレッチ、セルフマッサージ法
1 梨状筋ほぐし「仰向けの膝屈曲、床に近づけストレッチ」
仰向けの膝屈曲、床に近づけストレッチの方法
- 仰向けになり、片足の膝を曲げます
- 膝を曲げたまま、真横へ足を移動します
- ゆっくりと膝を床に近づけます ※膝が痛くない範囲で行います
- 自然呼吸で30秒間静止します
- 反対側の足も同様に行います
<レベルアップ編>
余裕があれば、膝の上に足を乗せてストレッチを行います。強くすると膝を痛めますので、注意をしながら行なってください。
2 梨状筋ほぐし「仰向けの太もも近づけストレッチ」
仰向けの太もも近づけストレッチの方法
- 仰向けになり、右足を曲げて、左足の太ももに当てます(十字の形になります)
- 両手で左足の太ももを持ちます
- ゆっくりと左足の太ももを体へ近づけます(右足の梨状筋が伸びます)
- 自然呼吸で30秒間静止します
- 反対側の足も同様に行います
【注意】太ももが持ちにくい場合は、足を太ももに乗せておくだけで大丈夫です
3 梨状筋ほぐし「前方膝曲げ、体倒しストレッチ」
前方膝曲げ、体倒しストレッチの方法
- 床にあぐらで座ります
- 両手を床につけて、片足を後方へ伸ばします
- ゆっくりと体を前に曲げて、梨状筋を伸ばします
- 自然呼吸で30秒間静止します
- 反対側の足も同様に行います
4 梨状筋ほぐし「床座り足掛けストレッチ」
床座り足掛けストレッチの方法
- 床に膝を曲げて座ります
- 右足を左足の太ももに乗せます
- 背筋を伸ばすと、梨状筋が伸びます
- 自然呼吸で30秒間静止します
- 反対側の足も同様に行います
5 梨状筋ほぐし「座りながら足掛けストレッチ」
座りながら足掛けストレッチの方法
- 椅子に座ります
- 右足を左足の太ももに乗せます
- ゆっくり体を前に倒すと、梨状筋が伸びます
- 自然呼吸で30秒間静止します
- 反対側の足も同様に行います
6 梨状筋ほぐし「テニスボールでセルフマッサージ」
テニスボールでセルフマッサージの方法
- テニスボールを用意します
- 両膝を曲げて、床に座ります
- 右のお尻の下にボールを置きます
- 右足を上げて、左の太ももの上に足をおきます
- お尻の中央部分(やや下)にテニスボールが当たるようにします
- 10秒間静止し、休憩をとります。
- 10秒間を2セット行います
- 反対の足も同様に行います
<お尻が痛い場合>
テニスボールの下にタオルを敷くと、強度が下がります。[/surfing_su_note_ex]
<レベルアップ編>
余裕があれば、テニスボールを小刻みに動かして梨状筋をほぐして行きます。20秒間実施します。
梨状筋のほぐし方が動画で学べます
まとめ、梨状筋について
いかがでしたでしょうか。梨状筋は日常生活の中で凝りやすい筋肉の1つです。お尻の深層部にある筋肉で、梨状筋が硬くなるとお尻に後方、側面にも痛みを感じます。さらには、坐骨神経を圧迫し、太ももの裏にしびれを感じます。
梨状筋を硬くさせないために、座りすぎには注意をしてくださいね。予防法として、デスクワークやソファーで座っているときは30分おきの軽い体操が効果的です。その場で屈伸運動するだけでも効果があります。
梨状筋ほぐしを行なった後に「あれ?腰が楽になった!」とお客様から驚きのお声も頂戴します。それは、梨状筋をほぐすと股関節の動きが良くなるため、腰の負担が大きく軽減され、腰が楽になったと感じられることが大きいです。「腰が痛いと思ってたけど、お尻が原因だったなんて・・・」と、梨状筋は驚きの多い筋肉です。
ぜひ、梨状筋をほぐして快調な体を手に入れてくださいね!
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この記事を書いた人
小林素明 (城好きパーソナルトレーナー)
テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten」などに多数出演し、メディアからも注目されるパーソナルトレーナー。30年以上の指導経験と健康運動指導士の資格を有し、1万レッスンを超えるパーソナルトレーニング指導の実績。特に40代からシニア世代向けの「加齢に負けない」トレーニングに定評があり、親切で丁寧な指導が評価されている。
医療機関との連携を通じて、安全で効果的なトレーニング法を研究し、病院や企業での腰痛予防に関する講演では受講者の98%から「分かりやすかった」と高評価を得る。また、パーソナルトレーナー養成講座の講師としても豊富な実績を誇り、多くのトレーナーの育成に貢献しています。