しくみ化で年600杯のラーメンを食べても健康診断は異常なし

パーソナルトレーナーの小林素明です。
先日、とても印象に残る記事を目にしました。
年間600杯ものラーメンを食べ続けているグルメライターの方が、標準体重を維持し、健康診断でも異常なし。食べ歩き歴は25年。現在も現役で取材を続けているそうです。
これだけラーメンを食べていれば、体に何か起きても不思議ではありません。それでも健康を保てている理由は何なのか。この記事を読みながら、私はある共通点に目が留まりました。
それは、「我慢」ではなく「しくみ」で体を整えていることです。
特に参考になる習慣は、次の3つでした。
- 歩くことを生活の中でしくみ化している
- 毎日、体重計に乗る
- 栄養の偏りを理解した上で調整している
順に見ていきましょう。
歩くことを「がんばらずに」続けている

「食べるなら動く」。それを言葉ではなく行動で実践しているのが、このライターさんです。
目標は1日1万歩。毎日必ず達成できているわけではないそうですが、歩くこと自体が生活の一部になっています。
1万歩は距離にすると7〜8kmほど。普段3,000歩前後の方にとっては、いきなり目指す数字ではありません。
ここで大切なのは、歩数そのものよりも「歩かざるを得ない状況を作っている」点です。
仕事柄、1日に2軒ラーメン店を回ることも多く、移動は電車と徒歩。結果として、自然に歩数が積み重なります。これが「しくみ」です。
健康のために「今日から毎日1万歩歩こう」こう決めても、続かないことがほとんどです。
それよりも、
- ジムへ行く道を歩く
- 一駅分歩く
- 階段を使う
- 買い物で店内を回る
こうした日常動作の中に歩行を組み込む方が、無理がありません。
特に買い物はおすすめです。目的のものを探しているうちに、自然と歩数が増えます。
一緒に読んでおきたいおすすめ記事
毎日体重計に乗るだけで、食べ過ぎに気づける

もう一つの習慣が、毎日の体重測定です。
体重を毎日見ていると、「少し増えてきたかな?」そんな小さな変化に気づけます。この気づきが、食べ過ぎや運動不足を修正するきっかけになります。
体組成計で細かく測るのも良いですが、体重計の強みは手軽さです。
数秒で終わる。
だから続きます。
ポイントは置き場所です。
- 朝起きて
- トイレを済ませ
- 洗面所へ向かう動線上に体重計を置く
この流れができると、測定は習慣になります。
逆に、少し離れた場所にあると「あとで測ろう」となり、続きません。
体重の変化について
体重は毎日変動します。1kg前後の増減は、水分量の影響がほとんどです。
1kg脂肪を増やすには、約7,000kcalの余分な摂取が必要です。一日でそこまで増えることは、現実的ではありません。
おすすめは、
- 毎日同じ条件で測る
- 1週間の平均値を見る
- 数字に一喜一憂しない
この3点です。
一緒に読んでおきたいおすすめ記事
栄養の偏りを理解して調整している

毎日ラーメンを食べれば、炭水化物が多くなるのは当然です。ラーメンとチャーハンの組み合わせも珍しくありません。そこで、このライターさんは「引き算」をしています。
朝食は目玉焼きのみ。パンやフルーツは控えています。菓子パン、お菓子、アイスも食べません。
目的はシンプルです。「ラーメンを楽しむため」。
すべてを我慢するのではなく、どこで調整するかを決めている点が印象的です。
甘い飲み物は、最も見落としやすいポイント

特に注目したいのが、甘い飲み物を完全に避けていることです。
- 缶コーヒー
- ジュース
- カフェラテ
これらには多くの糖質が含まれています。
液体の糖質は吸収が早く、血糖値が一気に上がります。するとインスリンが分泌され、血糖値を下げます。その結果、また甘いものが欲しくなります。
この流れが短時間で起こるため、体重管理が難しくなります。
スポーツドリンクは脱水や熱中症対策には有効です。ただし、日常の水分補給には必要ありません。普段は水やお茶で十分です。コーヒーを飲むならブラックがおすすめです。
まとめ:健康を支えているのは「特別な努力」ではない

年600杯のラーメンを食べても健康を保てている理由は、体に良いことを必死に積み重ねているからではありません。
- 動かざるを得ない環境を作っている
- 毎日、体の状態を確認している
- 食べるものを理解した上で調整している
どれも特別な方法ではありません。
ポイントは、「がんばらなくても続く形にしている(しくみ化)」ことです。
運動も、食事も、健康管理も、気合いで続けるものではありません。日常の中にどう組み込むか。これが、長く体を保つための最大のコツです。
完璧を目指す必要はありません。まずは一つ、生活の流れを少し整えること。そこから体は、確実に変わっていきます。
もし専門家のアドバイスが欲しいと思われましたら、どこでもフィットの体験レッスンをご検討ください。
どこでもフィットでは、マンツーマンで体力や姿勢を丁寧に見極め、その結果をもとに運動の方向性をわかりやすくアドバイスしています。
指導歴30年、テレビ出演多数、延べ1万回超の個人指導実績を持つ小林素明が直接サポートします。まずは体験レッスンで、自分の体の状態を知ることから始めてみませんか?
フィットネスの始め方を知りたい方へ
当メディア『大阪発!心と体を豊かにするフィットネス・どこでもフィット』では、初心者の方が簡単にフィットネスを始められる方法をご紹介しています。
運動指導歴30年以上、テレビ出演多数、1万レッスン超の実績を持つ小林素明が、専門的な知識と経験を活かして、信頼性の高い情報をお届けします。
これからフィットネスを始めたい方にぴったりの、初心者向けガイド&簡単エクササイズをご覧ください!
この記事を書いた人


小林素明 (お城好きフィットネストレーナー)
指導歴30年超、テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten.」などに出演し、専門的でわかりやすい解説が好評のフィットネストレーナー。
健康運動指導士、マッスルコンディショナー、介護予防運動トレーナーの有資格者。
2010年に大阪市でパーソナルフィットネスジム「どこでもフィット」を開業し、これまでに延べ1万回以上のパーソナルトレーニングを実施。特に50代以上の「加齢に負けない体づくり」に定評がある。
医療機関と連携した安全性の高い運動指導、企業・団体向けの腰痛予防や健康経営に関する講演も数多く行い、受講者から「わかりやすい」と高い評価を得ている。
趣味は城巡り、鉄道とグルメの旅、スポーツ観戦、80~90年代のプロレス、書店めぐり、そして焼肉。身体づくりも人生も、楽しみながら続けることを大切にしている。

