腿上げ運動で大切なのは「支える力」です

パーソナルトレーナーの小林素明です。

「最近、階段がしんどい」
「何もない場所でつまずく」
「片足立ちになるとふらつく」

そんな変化を感じていませんか?

年齢のせいと思われがちですが、実は“支える力”の低下が関係していることがあります。その支える力を確認できる、シンプルで効果的な運動が「腿上げ運動」です。

腿上げというと、「できるだけ高く上げる運動」というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、本当に大切なのは高さではありません。

ポイントになるのは、片足で体を安定して支えることです。

実はこのシンプルな運動には、

  • 転倒予防
  • 姿勢改善
  • 腰痛予防
  • 歩行安定
  • お尻の筋力低下予防

など、多くの効果があります。

今回は、腿上げ運動の正しい考え方と、体を支える筋肉について解説します。

シンプルなのに運動効果が高い理由

腸腰筋 解剖図

腿上げ運動では、単純に足を上げているように見えて、実は多くの筋肉が働いています。

まず重要なのが、太ももの付け根にある「腸腰筋(ちょうようきん)」です。この筋肉は、足を持ち上げる時に働きます。

腸腰筋が弱くなると、

  • 階段で足が重い
  • 歩幅が小さくなる
  • 足が上がらずつまずく

といった変化が起こりやすくなります。

しかし、腿上げ運動で本当に重要なのは、足を上げる筋肉だけではありません。

実は、お腹で体を安定させる力がとても重要になります。

腿上げなのに「体幹」が重要な理由

筋肉解剖/腹横筋

腹横筋(ふくおうきん)は、お腹の深い部分にあるインナーマッスルです。

この筋肉は、背骨や骨盤を安定させる“コルセット”のような役割があります。

実は、腿上げ運動で重要なのは、「足を高く上げる力」だけではありません。お腹で体を安定させながら、片足で全身を支えることです。

もし腹横筋がうまく働いていないと、体が不安定になります。

すると、その不安定さを補おうとして、太ももや腰、ふくらはぎに余分な力が入りやすくなります。

これが、

  • 歩くとすぐ疲れる
  • 長く立っているとしんどい
  • 下半身ばかり張る
  • 腰が重だるくなる

こうした状態につながります。

つまり、「疲れやすい体」になっている原因は、筋力不足だけではありません。

体を支える筋肉がうまく働いていないことも、大きく関係しています。

腹横筋と慢性的な腰痛の関係とは?

実際に慢性的な腰痛がある方は、動作を始める時の腹横筋の働きが遅くなることが分かっています。

本来は、お腹(インナーマッスル)が先に体を安定させ、そのあとに足が動きます。

しかし、この順番が崩れると、腰や下半身が必要以上に頑張る状態になってしまいます。

だからこそ、腿上げ運動では「高さ」よりも、安定して支えられているかが重要なのです。

お尻の筋肉も重要です

大臀筋 中臀筋

片足で体を支えるためには、お尻の筋肉も欠かせません。

特に重要なのが、

  • 大臀筋(だいでんきん)
  • 中臀筋(ちゅうでんきん)

です。

この2つの筋肉は、骨盤と股関節を安定させる役割があります。

もしお尻の筋肉が弱くなると、

  • 片足立ちで体が傾く
  • 上半身が後ろへ倒れる
  • 膝がグラつく

といった状態が起こりやすくなります。

お尻の筋肉は、歩く、立つ、階段を上るなど、日常動作の土台になります。

そのため、姿勢維持や腰・膝の負担軽減にも大切な筋肉です。

間違った腿上げ運動に注意

ここで、多くの方がやってしまう間違いがあります。

それは、「腿を高く上げること」が目的になってしまうことです。

例えば、

  • 勢いで腿を振り上げる
  • 上半身が後ろへ倒れる
  • お腹の力が抜ける
  • 軸足がグラグラする
  • 急いで回数だけ行う

このようなフォームでは、支える筋肉が十分に働きません。

特に注意したいのが、片足立ちで骨盤が傾く状態です。

この状態では、お尻や体幹の筋肉がうまく使えていない可能性があります。

腿上げ運動で大切なのは、「どれだけ高く上げるか」ではありません。“安定した姿勢を保てているか”です。

まずは腿上げをやってみましょう

セルフチェック兼 正しいフォーム

まずは、自分の体の状態を確認してみましょう。

セルフチェック

次のポイントを確認しながら、片足で10秒止まってみてください。

  • 体が左右に揺れないか
  • 上半身が後ろへ倒れないか
  • 軸足がグラグラしないか
  • 呼吸が止まっていないか

もし難しい場合は、お腹やお尻の筋肉が弱っている可能性があります。

正しい腿上げ運動のやり方

やり方

  1. 両手を腰に当てて、背中を伸ばします
  2. お腹を軽く凹ませます
    (腹横筋に力が入りやすくなります)
  3. 息を吐きながら、片足の腿をゆっくり持ち上げます
    (太ももが床と平行くらいが目安です)
  4. 軸足側は、足の裏で床を軽く押す意識を持ちます
  5. 姿勢を保ったまま、2〜3秒静止します
  6. 息を吸いながら、ゆっくり戻します
  7. 左右交互に10回程度行いましょう。

もし姿勢が崩れる場合は、腿を高く上げすぎないことがポイントです。

不足している筋肉を鍛えよう

腿上げで体がふらつく方は、お腹やお尻の筋肉が弱っていることがあります。

そこでおすすめなのが、次のトレーニングです。

1 ドローイン(体幹の強化)

ドローインでは、お腹のインナーマッスル「腹横筋」を強化します。片足立ちになったとき、体を安定させる効果が期待できます。

やり方

  1. 仰向けになり、両手をお腹に手を添えます
  2. 腰と床の隙間を埋めるようにして、お腹を凹ませます
  3. お腹を凹ませたままで、2秒間で息を吐いて、2秒間で息を吸います
  4. 10回繰り返しましょう

注意点: 苦しくなったら中断しましょう。

2 美尻レッグサークル

このエクササイズは、お尻の筋肉を満遍なく強化することができます。股関節や骨盤の安定力を高めることができます。

やり方

  1. 椅子の背もたれに両手を添えます
  2. 背中を伸ばし、片足を真横へ上げます。この時、足首を曲げておくことがコツです
  3. あげた足を時計回りにゆっくりと回します ※踵を回すイメージです。
  4. 姿勢を崩さずに10〜15回転します
  5. 反対側も同様に行います

注意点:体が動かないように注意しましょう。

3 片足で腿上げエクササイズ

このエクササイズは、腿上げ運動の矯正トレーニングの意味合いがあります。特に体を支えている軸足を強化しています。お腹のインナーマッスル、お尻の筋肉を意識して行うと効果的です。

やり方

  1. 高さ15〜20センチほどのクッションもしくは台を準備します
  2. 片足をクッションの上に触れておきます
  3. ゆっくりと腿を上げます
  4. ゆっくりと元に戻り、クッションに足先が触れる程度で止めます
  5. 10回、繰り返します
  6. 反対側の足も同様に行います

注意:姿勢が崩れる場合は椅子か壁に手を添えて行いましょう

まとめ

腿上げ運動は、とてもシンプルな動きです。しかし実際には、「お腹」「お尻」「股関節」「姿勢を支える筋肉」をを同時に使う、とても重要な運動です。

そして、大切なのは「高さ」ではありません。“片足で安定して支えること”です。

最近、

  • つまずきやすい
  • 階段がしんどい
  • 長く歩くと疲れやすい
  • 片足立ちが不安定

そんな変化を感じる方は、まずは腿上げ運動で「支える力」を確認してみましょう。

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運動指導歴30年以上、テレビ出演多数、1万レッスン超の実績を持つ小林素明が、専門的な知識と経験を活かして、信頼性の高い情報をお届けします。

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指導歴30年超、テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten.」などに出演し、専門的でわかりやすい解説が好評のフィットネストレーナー。

健康運動指導士、マッスルコンディショナー、介護予防運動トレーナーの有資格者。

2010年に大阪市でパーソナルフィットネスジム「どこでもフィット」を開業し、これまでに延べ1万回以上のパーソナルトレーニングを実施。特に50代以上の「加齢に負けない体づくり」に定評がある。

医療機関と連携した安全性の高い運動指導、企業・団体向けの腰痛予防や健康経営に関する講演も数多く行い、受講者から「わかりやすい」と高い評価を得ている。

趣味は城巡り、鉄道とグルメの旅、スポーツ観戦、80~90年代のプロレス、書店めぐり、そして焼肉。身体づくりも人生も、楽しみながら続けることを大切にしている。