自転車は運動になる?日常の移動を体づくりに変える考え方

パーソナルトレーナーの小林素明です。
「運動しないといけないな」と思いながら、何をすればいいのか分からない。走るのは少しハードルが高い。ジムに通うほどでもない。
そんなときに、ふと浮かぶのが「自転車って、運動になるの?」という疑問です。
実はこの質問、最近とても増えています。日常の中で体は動かしているけれど、それが“運動と言えるのかどうか”が分からない。
そこで今回は、普段乗っている自転車は運動としてどうなのか?を話します。
こんな方におすすめします
- 運動をした方がいいとは思っているけれど、何から始めればいいか迷っている方
- 走るのは大変そうだけど、体を動かすきっかけは探している方
- 自転車には乗っているものの、これが運動になるのか少し気になっている方
走らなくても、体はしっかり使えています

「走らないと運動になりませんか?」
これは、特によくいただく質問です。たしかに、走ることは有酸素運動として優れています。全身を使い、持久力を高め、カロリー消費も期待できます。
ただ一方で、「続けられるかどうか」という点では、走ることが負担になる人も少なくありません。
運動で一番大切なのは、無理なく、生活の中に組み込めているかどうかです。その意味で、自転車はとても現実的な選択肢なのです。その理由を説明します。
自転車は、歩くのと同じくらいの運動量
自転車(電動アシストなし)で、買い物や通勤など、普段のスピードで走る場合。その運動の強さは、歩行とほぼ同じ程度になります。
たとえば、
- 自転車に10分乗る
- 10分間歩く
この2つは、体の使われ方としてはよく似ています。
10分の歩行は、およそ1,000歩。片道10分の自転車移動でも、往復すれば2,000歩分の運動になります。
「今日はあまり歩いていないな」と感じる日でも、自転車での移動が、きちんと体を動かす時間になっています。
ちなみに「ゆっくり階段を上る」「ラジオ体操第1」も、自転車と近い運動強度になります。
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電動アシスト自転車でも、意味はあります

では、電動アシスト付き自転車はどうでしょうか。電動アシストの場合、運動の強さは「ゆっくり歩き」程度になります。
運動の強さを示す「メッツ(METs)」で見ると、
- 自転車(電動アシストなし):4メッツ
- 自転車(電動アシストあり):3メッツ
電動アシスト付きは、強度が約25%ほど低くなります。
数字だけを見ると「運動量が少ない」と感じるかもしれませんが、ここでとても大切な視点があります。
「乗ろうと思える気持ち」が、健康につながります
「それなら、電動じゃない自転車に変えた方がいいのでは?」そう思われる方もいるかもしれません。
ですが、少し待ってください。
電動アシスト自転車の一番の価値は、外に出る気持ちを後押ししてくれることです。
- 今日はちょっと遠くまで行ってみよう
- 坂道があっても大丈夫
- 疲れそうだからやめよう…が減る
この「快適さ」があることで、結果的に外出の回数が増え、体を動かす時間が増えていきます。有酸素運動は、「少し楽だな」「気持ちいいな」と感じるくらいの方が、長く続きます。
実際に、日常の活動量が増えることが、病気の予防や健康維持につながることは、数多くの研究でも示されています。
続けられること自体が、立派な運動効果なのです。
自転車は、下半身をしっかり使う動きです

自転車に乗るときに主に使われるのは、下半身の筋肉です。人の体の筋肉量は、その多くが下半身に集まっています。
ペダルを踏む動きでは、太ももの前側(大腿四頭筋)や裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)といった、体の中でも大きな筋肉が自然に働きます。
大きな筋肉が動くということは、体の中ではそれなりにエネルギーが使われているということです。
息が切れるような運動ではなくても、「体を動かした感じ」があとから出てくるのは、こうした筋肉がしっかり関わっているからかもしれません。
自転車は、体にやさしい有酸素運動
自転車に乗ることは、関節への負担が少ない有酸素運動です。特に膝や腰が気になる方にとっては、安心して取り組みやすい運動といえます。
期待できる主な効果は、
- 心臓病や糖尿病など生活習慣病の予防
- 体脂肪の燃焼
- 心臓や肺の機能向上
- 血管の柔軟性を保つ(動脈硬化の予防)
- 血行促進、冷えの改善
冬場は、体がじんわり温まり、「思ったより寒くない」と感じる方も多いです。結果として、暖房に頼りすぎない生活にもつながります。
「特別な運動をした感覚はないけど、なんとなく調子がいい」自転車には、そんな特徴があります。
乗り方を少し意識すると、さらに楽になります

自転車は誰でも乗れる反面、体に合っていなくても気づきにくいという面もあります。
一般的な自転車の場合、基本はとてもシンプルです。
- 上体は起こし気味
- 目線は自然に前へ
- 無理に前かがみにならない
ハンドルが低すぎると、首や肩に力が入りやすくなります。「楽だな」と感じる位置が目安です。
サドルの高さ
ペダルが一番下に来たとき、膝が軽く曲がるくらいがちょうどいい高さです。
膝が伸び切る状態は、関節に負担がかかりやすくなります。
ペダルは、足の裏のここで踏みます

ペダルはどこで踏んでも回りますが、力が伝わりやすいのは足の母指球(親指の付け根)です。
この位置で踏むと、
- 力が入りやすい
- 脚が疲れにくい
- 安定してペダルを回せる
ほんの少し意識するだけで、「同じ距離なのに楽に感じる」こともあります。
まとめ|運動は、特別なことをしなくてもいい

運動というと、何か新しいことを始めなければいけない気がします。でも実際は、すでにやっていることを、少し見方を変えるだけでも十分です。
自転車は、日常の中で自然に続けやすい体の動かし方の一つ。
走らなくてもいい。
頑張らなくてもいい。
「これならできそう」そう感じてもらえたら、それが最初の一歩です。
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この記事を書いた人


小林素明 (お城好きフィットネストレーナー)
指導歴30年超、テレビ番組「ちちんぷいぷい」「大阪ほんわかテレビ」「ten.」などに出演し、専門的でわかりやすい解説が好評のフィットネストレーナー。
健康運動指導士、マッスルコンディショナー、介護予防運動トレーナーの有資格者。
2010年に大阪市でパーソナルフィットネスジム「どこでもフィット」を開業し、これまでに延べ1万回以上のパーソナルトレーニングを実施。特に50代以上の「加齢に負けない体づくり」に定評がある。
医療機関と連携した安全性の高い運動指導、企業・団体向けの腰痛予防や健康経営に関する講演も数多く行い、受講者から「わかりやすい」と高い評価を得ている。
趣味は城巡り、鉄道とグルメの旅、スポーツ観戦、80~90年代のプロレス、書店めぐり、そして焼肉。身体づくりも人生も、楽しみながら続けることを大切にしている。

